涙の再会ったこと!
安田さんの用意してくれたジャージは体にぴったり。
黒に白いライン。まさかぼくのために急いで買ってきたんだろうか?
だったら申し訳ない。
時間は夜の九時過ぎ。
ぼく歩いて自宅に向かってた。
先輩が安田さんと出て行ってすぐにぼく部屋から出た。
夕方、手錠をはめられたときに、すぐにどうしたらいいかが分かってたから・・・
まだ体中が痛い。口の中が焼けるような感覚。
しばらくパンとか、熱くないものしか食べられないみたい。
制服がなくなっちゃったので、とりあえず自宅で中学のときの制服用意するつもり。
家の近くまで来ると、人通りも少なく車もほとんど通らない。
月が雲から顔を出した。あたりがふんわりと明るい。
月の光って、こんなに明るいんだ。
すぐ前をタクシーが通り過ぎる。
オレンジ色のタクシーが月光に照らされた。
ぼく、そのまま家に向かって歩く。
車のブレーキ音がかすかに聞こえた。
「健ちゃん!」
声の方を見る。
じっと聞かなかった声。
だけどだれなのか、すぐ分かった。
ぼくの方に走ってくる。
ぼくに送ってくれた写真と同じ。
セミロングの髪。グレーのスーツをかっこよく着こなし、スカートからのぞく流れるような曲線の脚。
ダークブラウンのストッキングがなまめかしい。
ぼくの前に立つ。
切れ長の細い目でぼくを見つめる。だれだって見つめられたら我慢できないって思う。
もう関係ないはずだった。
知らん顔で背中を向けなきゃならなかったはず・・・
だけどぼく、そんなことできなかった。
止まってた涙が噴き出した。
どっちからか、分からない。
きっとぼくからだって思う。
麻衣ちゃんの胸に顔をこすりつけ、麻衣ちゃんがぼくの体をしっかり抱きしめてくれてた。
声出して泣いてた。
「ごめん。本当にごめんね」
麻衣ちゃんの声だって震えてた。
「ひとりにして!みんなわたしが悪いんだから・・・」




