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謎解きが先輩の怒りを買ったってこと!

 先輩、ぼくの手引っ張って、五人の前に立たせた。

 安田さん、真っ青な顔で下向いてる。

 先輩ったら、ぼくの肩に手を置き、こわい目でにらんだ。

 煙草、口にくわえた。

 少し時間経った。

 ほんの数秒だった。

 

 「おい・・・」 


 先輩の低い声。


 「安田!」


 部屋いっぱいの大声。

 五人の顔が超緊張。

 安田さん、ライター手に駆けつける。

 火をつける。


 「バカヤロー!殺されてえか!」


 先輩のキック!

 安田さんが引っくり返った。


 「すみません」


 床の上。白い膝、露わにして泣いてる。

 ぼく、思わず安田さんのとこ、駈け寄った。

 どうしてこんなことされたか、よく分かってる。


 「ごめんね」


 声かけて助け起こす。

 安田さんが首を振った。

 涙流しながら笑った。


 「こっち来るんだよ」


 先輩に耳引っ張られた。

 また先輩と隣り合わせに立つ。

 正面に先輩のグループのメンバー。

 安田さんがあわてて駆けつける。


 「あたしサ」


 先輩が五人見回す。


 「パクられなきゃなにやってもいいって思ってんだ」


 煙草の煙吐きだす。


 「あたしの言いたいこと分かるか!」


 安田さんに顔向ける。

 

 「安田・・・

 ミスしたヤツってどうしたらいいと思う?」

 「すみません」


 安田さんが泣き崩れた。


 「ぼく、逃げてません。

 だから安田さん、なんの責任もありません」


 先輩に声かける。

 いきなり先輩に首絞められた。


 「逃げられたけど、安田のためにずっと部屋にいたわけか?」

 「宿題ならここでもできます」

 「安田、よかったな。ステキなお友だちが出来て!

 だけどな。

 日下君がロープほどいたのは、完全にお前のミスなんだよ。

 分かってんか!」


 先輩の腕の力って強い。

 喉が詰まりそう。

 だけどぜったい言わなきゃいけないんだ!


 「ぼく縛るとき、先輩、ずっと見てました。

 そのとき、気づけばよかったんです」


 ぼく、大声出した。

 先輩が腕を離す。


 「どういうことだ。日下君」

 「縄抜けの方法でもポピュラーなひとつです。

 縄抜けのプロといわれたイギリスのフーディーニは、筋肉の圧縮と骨関節を自由自在に操ることで縄抜けをしていました」

 「そいつは、てめえの先生か?

 てめえ、イギリス人だったんか!

 日本語、うまいじゃねえか!」

 「フーディーニは、百年くらい前の人です。

 ぼくの先生じゃありません。

 担任の先生は、西野奈々子先生です」

 「てめえ。あたしを怒らせたいのか・・・

 てめえの担任なんか聞いてない」


 先輩がぼくの顎の下さする。

 煙草の煙が顔にかかる。


 「ぼくのやったのは、マジックでもやる簡単な方法です」

 「どういう方法だ」

 「安田さんがぼくを縛るとき、ぼく、自分で手首を重ねました。

 ロープをほどきやすい重ね方です。

 手首にロープを回されるときも同じです。

 手首を微妙にスライドさせて、筋肉を収縮させればロープが徐々にゆるんでくようにしました。

 この方法は縄抜けのポピュラーな方法です。

 警察関係者はもちろん、地下社会と呼ばれる世界の人たちだって知ってるはずです。

 だから先輩がよく見てれば・・・」


 バキッ


 床が振動。

 先輩が三連フルート持ってる。


「悪かったな。気がつかなくて」


 床がへこんでる。


 「いいこと教えてくれたな。これからは気をつけるよ」


 先輩がポケットから手錠を出した。

 ぼくの両手首を後ろに回す。手首に痛み。

 そのまま、床に突き倒された。


 「美柳!三杉!こいつの足首を縛れ。猿轡をはめろ。

 安田!お前はもういい!横山と教室に行け!」


 先輩がぼくのこと、見下ろしてる。

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