月影サキ先輩と三度目の出会いってこと!
桜は七分咲き。
一ヶ月前、あの桜の木に松山さんがもたれていた。
そのそばで・・・
先輩とぼく、二度目の出会いをした。
そしていま・・
ぼくって・・・
南校舎の横のベンチに座ってるんだ。
梅華高校のブレザーの制服着て・・・
青涼高校って詰襟の学生服だった・・・
ぼく、青涼高校で面接したときのこと、ふと思い出した。
面接の先生たちの不機嫌な顔。
「この試験結果はどういうことかな。
なにも書いていないが、これはわざとだね。
わが校に入学の意志がないということだね
それなら面接の必要はないんじゃないか?」
「でも入学試験のスケジュールには、面接の予定が入っていました」
「それじゃあ、終わりましょう。
これ以上、不毛の時間を過ごすのは、あなたもイヤだと思うからね」
ベンチから立つ。
東校舎に向かって歩き出す。
百メートルも歩く必要なかった。
見覚えのある人たちが四方から現れた。
大澤さんが正面。
右から美柳さん。
左から三杉さん。
後ろから安田さんと横山さん。
ぼく、立ち止まった。
五人がぼくを取り囲んだ。
美柳さんと三杉さんに左右の手をとられた。
安田さんと横山さんに肩押さえられてる。
左前方に大きな桜の木。
木の陰から不安な雰囲気をかきたてるメロディ。
ダンダンダン・・・
ぼくの胸に深く重く響く。
シューベルトの名曲「魔王」。
子どもを死の世界に引きずり込む魔王の恐怖を描いたメロディ。
フルートの音色が悲鳴に聞こえた。
フルートを吹く先輩が、桜の木の陰からスッと現れた。
魔王の使いみたいに目をギラギラさせて・・・




