警視庁の松山さんの登場ってこと!
先輩たちが向かった東校舎。
そういえば丸山君の本に「危険地帯」って書いてあった。
その丸山君!
なにも言わず駆け足で、試験会場の南校舎に向かった。
そしてぼく以外にもう一人。
先輩を見送ってる男の人がいた。
まだ花が開いていない桜の木にもたれてる。グレーのスーツを着こみ、紺のネクタイがブラブラ風に揺れていた。
見覚えある人。
「松山さん!」
先生が驚いた声。
警視庁の警部がこの高校に来ているということは・・・
「村田先生。この前はどうも」
「こういうところに来てもらうのは・・・」
「ちゃんと許可はもらっています」
松山警部は笑顔を浮かべた。
「組織犯罪の温床は、今や学校だといわれている。
新聞を見たでしょう。大量の盗撮写真を売りさばいていた販売業者が逮捕された。
高校で撮影されたらしい写真もたくさんある。
別にこの学校とは言ってはいませんがね」
松山さんは腕を組んで、先輩たちを見送っている。
「残念だが、ここにはまた来ることになりますぜ。
そういえば、最近、あちこちの宝石店で起きている事件をご存知ですか?」
「なんです。それは?」
「及川警部補が担当しています。
遠くない未来に、村田先生の前に現れるでしょう。
彼が詳しく説明してくれることと思います。
教頭である村田先生の今後に響かないことを祈っています」
ぼく、ベンチに座った。松山さんたちに背を向けてる状態。
なに話すか気になった。
先輩に関係あることなの?
「月影が関わってるとでも?」
「ハッキリしてるなら、黙って見送ったりしませんよ。
逮捕令状見せるだけです」
松山さん、肩すくめた。
「しかし松山さん、あなたはそう考えてるんでしよう?」
松山さん、なにも答えず校門に向かって歩き出す。
そういえば及川さんの名前、前に母から聞いたことがある。
腕ききだって・・・
「ぼくや及川君に協力することです。
そうすればぼくとしても、この学校を守るために全力を挙げますよ。
じゃあ、ぼくはイタリア料理のレストラン『シーザー・ブルータス』を予約してるんで!
ランチタイムは、パスタとアイスクリームが食べ放題なんですよ」
村田先生もゆっくりと校門に向かって歩き出した。
試験の前からずいぶんと色々な経験しちゃった。




