先輩と二度目の別れってこと!
「ぼく関係ありません。
もうすぐテストなんで、このまま行ってもいいですか?」
丸山君が恐る恐る口を開く。
「てめえも来るんだよ。
人が多ければ、こっちに入るものも多くなるんだ」
先輩ったら冷たい口調。
丸山君は友だちだって思いたい。
だけど彼は、
「ぼく関係ありません。
本当にこの人、知りません。
近くを歩いてただけです
連れてくのは、この人だけにしてください」
ってオウムのように繰り返してた。
ぼく、知ってる。
丸山君って悪い人間じゃない。ちょっと心が弱い人間だけ・・・
でもちょっとひどすぎる。
「何をしてる!」
梅華高校の先生があわてて飛んできた。
「月影!今日は受験だ。
一年生が学校に来る日じゃないだろう!
美柳、三杉!お前たちもだ!
忘れたか!」
先輩が舌打ち。ぼくたちに顔向ける。
「忘れないからな」
丸山君が手を合わせる。
「ぼくのことは忘れてください」
先輩、丸山君のことは無視!
ぼくに顔向けてきた。
「日下君とはもう一度、ゆっくり話しするから!
別の学校に進学したってサ。
あたしら足があるから!
いざとなったら・・・
君も見ただろう。
運転手付きの自動車」
先輩が歩き出す。
ぼくらを囲んでた三人があわてて後を追う。
「帰れ!早く」
先生が声を張り上げる。
先輩が振り返った。
ギラギラした目。
先生の姿、しっかりとらえている。
ゆっくり先生の方に向かって歩き出す。
先輩の瞳が・・・
昼間の太陽を吹き飛ばすくらい赤黒く輝いた。
先生が後ずさり。
「こっちに来るな」
悲鳴に近い声が、校庭にこだました。
「校門に行こうってしたら
『帰れ!』
って呼び戻したじゃねえか。
言われた通り、学校でゆっくりしてくからな。
あんたが言ったんだ。
分った?」
先輩が、東校舎の方に向かうの見送った。




