謎解きしたら先輩を激怒させたってこと!
「すごいぜ。この子!
あたしが英語、ぜんぜんダメッて知ってるんだ!
お前らもそう思うだろう」
先輩の呼吸が速く大きくなった。
「だけど王さんの部下がどうして英語が分かるって知ってた?
アメリカ人でもイギリス人でもねえだろう」
「地下社会の人たちですよね。
外国で仕事してるんなら、必ず英語はできます。
英語なら、どこの国の人間でもコミュニケーションが可能だから・・・」
以前、警察庁にいる親戚のヨシ君に教えてもらったんだ。
「すげーなー。日下君!
知らねえのはあたしらだけか!
あたしってホントにバカだよな。
日下君だってそう思うよな」
先輩が一歩前に出た。
「あたしの通う学校だって知ってた。
それで、わざわざここ受けたんだろう」
ぼくのこと見下ろす。本当に先輩って背が高いんだ。
「はい・・・」
「どうして分かった!話せよ。いますぐ・・・」
「初めて先輩に出会った場所。
田畑や林に面した国道の脇道。
学校から自宅までの近道でした。
いままで危険だなんて聞いたことなかったんです。
でも梅華高校に進学する予定の生徒が・・・」
丸山君、絶叫!
「ぼく、関係ありません。
この人と話したこと一度もありません!」
先輩、舌打ち!
「うるせえ。
おい!日下君!続けろ!」
「ぼくがいつも通る近道のこと、
『この道は危険だ!』
って教えてくれました。
なんで危険なんだろうって思ってたらすぐ、先輩に会いました。
だから分ったんです。
梅華高校では、
『この道に、わが校の月影サキが出没するから気をつけろ』
って噂になってたんだって!
秘密のことするには、ちょうどいい場所ですよね。
ぼく、梅華高校に行けば、きっと月影サキ先輩に会えるって思いました」
ぼくって、心を込めて話したつもりだった。
先輩って、どう受け取ってくれただろう。
「すごいぜ。この子、天才だぜ。
わざわざ梅華に来てサ。あたしにサ。
こう言いたかったんだぜ。
『あんたをなぶりに来た。
入学なんかしないから、あんたがアタマにきたってどうにもならない。
二度と会わないからお元気で!』
ってか」
ちがいます。
そんなつもりじゃないのに・・・
ぜんぜんちがうのに・・・
先輩のギラギラした目・・・
ますます瞳が赤黒く輝き始めた。
「お前ら。
日下君に拍手だ!」
大澤さん、美柳さん、三杉さんが顔を見合わせる。
「早くしねえか!拍手だ!」
小さい。バラバラ。
やる気のまったく感じられない拍手。
三人とも不機嫌にぼくのこと、見てる。
先輩が深呼吸!
「バカヤロー!
なめやがって!
こいつ、リンチかけて殺すからな。
運べ!」




