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麻衣ちゃんのプレゼントと一晩一緒だったってこと・・・

 キッチンルーム。

 ふたりで食事するつもりだったテーブル。

 いまってテーブルの上、なにもないんだ。

 スマホを手にする。

 しばらく考える。

 五分か十分・・・短い時間。

 だけどぼくにとっては一大決心・・・

 スマホ取り出して番号押してみる。

 ずっと覚えてたんだ。

 忘れるもんか・・・

 呼び出し音が、しばらく続く。


 「・・・おつなぎできませんでした」


 何回もこのアナウンス聞いた。



ひとりで明石焼をいただく。

 ふたつの皿に分けて、テーブルによそおった。

 一皿食べて、一時間くらいテーブルのところで待った。

 それからさめた明石焼の残りを食べた。

 

 覚えてたんだ。

 あれって六年のときだった。

 麻衣ちゃんったらぼくに言った。


 「大阪で明石焼食べた。

 たっぷり卵使って、たこ焼より美味しいんだ」


 ぼくって食べたことなかった。

 だから悲しそうな顔してたんだ。

 麻衣ちゃん、笑ってぼくの肩叩いた。


 「心配しなくたって、今度食べに行くよ」


 ちゃんと覚えてたんだ。

 午前一時過ぎてた。

 麻衣ちゃんがプレゼントしてくれたふたつの大きな箱を開けてみる。

 白のシャツと青のジーンズ。

 名前聞いたことある。京都の有名ブランド。

 袖を通してみる。

 ピッタリ!

 あれから三年経ったのに・・・

 麻衣ちゃん、分かるんだ‼︎

 いまのぼくのサイズ。

 不意に涙がこぼれた。

 ずっと止まらなかった。

 テーブルクロスがずぶ濡れ。

 新品だったのに・・・


 だれもいなかった。

 だから大声で叫んだ。


 「バカーッ!バカーッ!」


 本当のこと言うと、麻衣ちゃんに聞いてもらいたかった。

 

 「麻衣ちゃんなんて!麻衣ちゃんなんて・・・」


 ずっと起きてた。

 シャツとジーンズ、ずっと朝まで着ていた。

 麻衣ちゃんのプレゼントとずっと一緒だった・・・

 

 

 

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