ずっと麻衣ちゃん、待ってたってこと!
「麻衣ちゃんが東京に来てるの。警視庁との合同会議で・・・」
その晩、母から電話。
「ほんとに?」
「直接、会いに行くって言ってた」
麻衣ちゃんが送ってきた写真を取り出す。
実物って、三年前よりもっとかっこよくなってるんだろうな。
「言わないでって、わたしに話したけど、本当は伝えて欲しいんだと思ったから電話してる。
ちゃんと家で待ってるんだよ」
時刻は午後七時半。
これから夕食をつくろうってしてた。
急いで冷蔵庫にあるもの確認!
よかった!牛肉のミンチが残ってた。
ハンバーグに特製ソース!
トマトやニンニクとかあるから美味しいソースができる。
付け合わせでカリカリのフライドポテト。
フルーツサラダだってつけるんだ。
早くつくらなきゃ!
久しぶり!
夕食作るのに心があせった。
一時間後。夕食が二人前。
テーブルに並べた。
テーブルクロス新しくした。
玄関のところに座って、そこで受験勉強してた。
英語の「入試直前問題集」が完了!
数学の「受験に出る公式!これだけ覚えよう!」が完了。
腕時計が十時を示す。
英単語の暗記をしばらくしてたけど・・・
やっぱり気になって外に出た。
家の前に立って左右を見回す。
町はずれの静かな住宅街。
時々、車が通るくらい。
寒いのでジャンパーを持ってきた。
家の前に立つ。
胸がドキドキしてた。
何度も麻衣ちゃんのスーツ姿の写真を見る。
何度も左右を見回す。
時々、車が家の前に来る。
そのまま、ぼくのすぐ前でブレーキかけるんだって思うけど・・・
結局、スピード落とさず走り去る。
車のライトが遠くなる。
電話かけたほうがいいんだろうか?
ずっと待ってるって・・・
だけど催促してるみたいだし・・・
麻衣ちゃんの気持ちだって確かめてないんだし・・・
でも麻衣ちゃん・・・
ずっと一緒だったんだよね。
麻衣ちゃんが高二、ぼくが中一になるまで・・・
ぼくの気持って分かってるでしょ。
麻衣ちゃんって正義の味方。すっごくかっこいいんだ。
あれからぼく、少しでも麻衣ちゃんに釣り合いがとれるようにって努力したんだ。
青涼高校に入ったら、学年トップめざすから・・・
中学では最高でも七位だったけど・・・
ぼくがんばる!
本当にがんばる!
ぼくのため・・・
それから麻衣ちゃんのため・・・




