月影サキさんのこと、「先輩」って呼んだこと!④
「すっごくかっこいい女性だって思いました。ステキだって・・・」
先輩の足が胸から離れた。
先輩ったら頬が真っ赤になってる。
「レースのパンティもよく似合って、かっこいいって思いました」
先輩ったらスカートのすそを手で押さえる。
恥ずかしすぎる!
そんな表情!
なにも考えなかった。
すぐ立ち上がって全力疾走!
林の出口まで来た。
「おい、コラッ!待てっ!」
先輩の大声。
ぼく、振り返る。
走ってた先輩!ハッとして立ち止まる。
またスカートのすそを押さえる。
そのときの表情って・・・
三連フルートを振り回してるときって、すっごくかっこよかった。
でもそのときの表情より数千倍可愛くってステキだった。
だからぼく、立ち止まっちゃった。
「こらーーーーーーっ!
子どものくせに!」
先輩の大声!かすかに震えてる。
先輩、真っ赤な顔のまま、こっちに向って走り出す。
ぼく、あわてて林を抜けて道路に出た。
ナイスタイミング!
道路を走る車!
ふたり連れの女性。
先輩の方を振り返る。
姿が見えない。
車や人がいるから、林の中に戻ったんだ・・・
「先輩!約束守ってください!」
見えない先輩に向って声かける。
ふたり連れの女性がこっちを見てる。
「ぼくだって守ります!」
そのまま全力疾走!
自宅に戻った。