月影サキさんとのプロローグってこと!②
「わたしたちの名前知らなかったでしょう。
あんた、わたしたちにかなうと思う?」
大澤さんの口調って静かで穏やか。
だけど話した後、冷たくて黒い空気が流れてくるみたい。
「あやまれよ」
「おおごとにしないって言ってるんだ!」
美柳さんと三杉さん。
「男の人に援助交際持ちかけ、後で金を脅し取る。
簡単に金になるもんね。
やるなとは言わないけど、ちゃんと相談してくれなきゃね」
大澤さん、ニッコリ笑う。
「でもまあ、今度は大目に見ようて言うの。
援助交際、盗撮・・・JKビジネスはぜんぶ、わたしたちが仕切ってる。
勝手にやっちゃいけないって、二年生なら分かるでしょう」
大澤さんの口調って、やっぱり静か・・・
「うるせーぞ!てめえら一年だろう。
仕切ってるとかふざけたこと言うな!」
山口さんの大声。
「どういうこと?ルールは知ってるけど、無視するってこと?」
「だから言ってるだろう。
一年生がエラそうなこと言うな!
てめえらオレ怒らせたらどうなるか分かってるんか」
平松さんまで三人をにらみつける。
「そうだよ!ジロー。こいつらなんとかしてよ」
「お前らな。バカだって思うぜ。
こんなところに呼び出されてな。ひとりで来るヤツいねえよ。
すぐにオレの仲間が、お前ら全員さらってやるからな」
山口さんがニヤニヤ笑ってる。
「オレにふざけた態度とったからな。
お前らと遊んでやるよ。たっぷり」
ギャーーーーーーッ
突然、近くで悲鳴!
林の木がブルブル震えた。
アーーーーーーッ
また悲鳴!
冬空に木の葉が舞う。
ヒーーーーーーーーッ
泣き声が続く。
一分、二分・・・
静かになった。
沈黙を破って、かすかに悲しげなメロディ。
風に吹かれてそっと山口さんの方に飛んでくる。
さびしく切ないメロデイが続く。
冬空が寒い。
突然、すさまじい速さで暗く怖ろしいメロデイに変わった。
冬の冷たい空気が一瞬で熱く変わったんだ。
木が大きく揺れている。
重くて無気味な音。
この曲・・・
モーツァルトの遺作『レクイエム』
モーツァルトを死に導いたといわれる曲。
山口さんと平松さん、ガクガク体を震わせている。
少しずつ近づいてくる女性。
ブレザーの征服。身長は一メートル九十センチ近くあるって思う。
ショートカットの下に大きな目。瞳がギラギラ、赤くどす黒く輝いている。
金のフルートを優雅に吹きながら空地へ近づいてくる。
超ミニのスカートから、白くて肉のついた太腿が見えた。
スラっとした印象でもないのに・・・
真っ白に盛り上がった太腿が、胸が締めつけられるくらいなまめかしかった。
窮屈そうに履いた黒のハイソックス。黒く妖しく輝き、見ているぼくの心をゾクッと震わせた。
白い膝小僧が上下して美しい曲線をなぞる。
スカートが上下に華麗に舞う。
ちょっとだけ見えちゃった。
スケスケのレースのパンティ。
カッコいい・・・
それがぼくの・・・
この女性への思い・・・




