最強になりました
最強の武器を手に入れてしまった…
石の武器、多分俺はもう負けない。
神になったのだ。この武器で全てを駆逐し、この世界の神になるのだ!!
──その時、背後からあの声が。
「おお、筋肉痛そうな骨じゃん」
振り返ると──全身に筋肉ペイントを施した、俺そっくりのスケルトン。
神様の声が響く。
「お前の宿命のライバル、『ムキムキスケルトン』だ」
ふざけるなああああ!!!
覚悟を決め、石の鈍器を握る。
ムキムキスケルトンも武器を構え、洞窟内に緊張が走る。
──戦闘開始。
ヒットアンドアウェイ、石の鈍器で叩きつつ距離を取り、敵の攻撃をかわす。
「ぐっ…動きが早い!でも、負けるわけにはいかない!」
数分の死闘の末、決定打が決まった。
石の鈍器をフルスイングで頭に叩きつけ、ムキムキスケルトンは崩れ落ちた。
脳内に軽快な音楽が流れる。
「レベルが上昇しました!」
スケルトン Lv6
攻撃力7(+1) 防御4 魔力1 俊敏12 運45
スキルポイント15
「やった…俺、勝ったんだ!」
だが喜びも束の間。洞窟の奥から放たれた矢が――俺の体を貫いた。
「ぐっ…うわあああああ!」
気づくと、再び深い暗闇。
神様の声が頭に響く。
「ほらね、君は死んだ。だが、次はちょっと面白い転生先にしてあげよう」
「ちょ、ちょっと待て!俺はまだ…まだ…」
神はニコッと笑い、俺は意識を手放した。
気づくと、そこは土の香りがする小さな世界。
四本の細い足、弱々しい触角──俺はアリになっていた。
「アリ!?ちょ、ちょっと待て!!!」
しかし神の声は遠くで響く。
「アリとして徳を積み、魂を鍛えたら、また会おう」
──こうして、引きこもりニートの俺の新たな人生(アリ編)が始まった。




