因縁の戦い
おはようございます…♪*゜
私スケルトン、今日も洞窟の隅でビクビク生活中。
「誰だよこんな低スペック転生設定にしたやつ」
「お前だよ」
──あ、神様だ。頭の中に響くやつ。
「いや絶対お前だろ!?」
「正解」
てか何で俺、スケルトンなんですか?もっとこう…勇者とか…
「いやぁ、残ってた魂の器がスケルトン用しかなくてさ」
「魂の器って、中古家電の在庫処分かよ!」
「ちなみにスライムは半額セールだったから、そっちにしようか迷った」
「それ絶対ふざけて選んだだろ!」
「いやいや、俺も賭けしてたんだよ。『このスペックでどこまで行けるか』って」
「命をチップにすんな!」
──とまあ、神様のクソ設定に文句を言っても仕方ない。
俺のステータスは運以外全て1、スキルは鑑定Lv1のみ。重要なHPすら見れない。
完全に悪戯か実験体だ。
生き延びるにはレベルを上げるしかない。
洞窟で見かけた魔物はスライムかスケルトンくらい。
ゲームなら即突撃してたが、今は命が一個しかない。
──木の棒発見。
鑑定!「木の棒 攻撃力+1」…無いよりマシ。
これでスライムならワンチャンいけるか?
渾身の力で殴り、逃げる!殴って逃げる!ヒットアンドアウェイだ!
卑怯?勝てばいいんだよ、勝てば!
…倒した。
脳内で軽快なBGMが鳴る。「レベルが上昇しました」
おお、転生後初撃破(相手スライム)。
そこからはスライムを狩り続け、気づけばLv5に。
鑑定!
スケルトン Lv5
攻撃力5(+1) 防御3 魔力1 俊敏8 運40
スキルポイント10!
スキル一覧は「逃げ足Lv1」「鑑定Lv2」「武器加工Lv1」「生産Lv1」「殴打Lv1」。
俺は生産を選択。素材を組み合わせられるらしい。
試しに木の棒+石=石の鈍器(攻撃+3、俊敏-1)。
悪くない…かも?
その瞬間、背後から声が。
「おお、筋肉痛そうな骨じゃん」
振り返ると──俺そっくりのスケルトンが、全身に筋肉ペイントをしてポーズを決めていた。
神様の声が響く。
「お前の宿命のライバル、『ムキムキスケルトン』だ」
ふざけるなああああ!!!




