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6話

PV500突破の感謝を込めて本日2話目の6話です!


基本的には投稿しても1日1話までの基本的にの意味は作者がこういう時に複数話投稿するからってことですはい。

初めての依頼をこなし、ついでにちょっとした冒険者の知り合いが出来た異世界生活二日目の夜。

晩飯を終え、宿の自室に戻った俺は、ベットの上で今日の依頼の最中に獲得?した権能『消失』と『創造』についての情報を整理していた。

まずこの『消失』と『創造』についてだが、一般的な魔法やスキルとは別物らしい。

まあ名称がスキルじゃなくて権能ってなってる時点でなんか別物なんだなって感じはするんだけど。

んで、まず『消失』の方だが、基本的な効果?としては昼間のゴブリンの時みたいな対象そのものを消し去る力があるみたいだ。

しかも、消し去るのは生物に限らず、石ころだろうと地面だろうと消し去ることは出来るらしい。

ただ、地面とかを無差別に消し去ると俺自身が危険な目にあうから、基本的には地面とかには干渉しないっぽいけど。

んで、そのことから分かる通り、あの黒い『消失』のオーラに触れたものを無差別に消し去るんじゃなく、消し去るものはこちらの任意で選べるとのこと。

つまり、相手の武器だけとか腕だけとかで消し去るのも可能ってことだ。


「うん、はっきり言って頭のおかしいチートとしか思えないな」


ただ、デメリットも一つだけあって、この世界はなんかゲームみたいな感じで魔物を倒すと相手の内包エネルギーだかなんだかを吸収して強くなれるらしいんだが、この『消失』の力で消し去るとその分のエネルギーは吸収できないらしい。

まあそもそもこの力はあまり多用しようっていう気にはならないからそこまで問題にはならないだろうけど、一応頭の片隅には留めておこうと思う。


んで、もう一つの権能『創造』の方だが、考えようによっては『消失』と同じかそれ以上にやばい代物かもしれん。

まだ使った事がないから与えられた情報から判断するしかないんだが、与えられた情報曰く、万物万象を創造することが出来るらしい。

いや待てそれどんな創造神だよ、とは思うが、与えられた情報にはそうある。

ただまあ万物万象を創造できると言っても流石に制約がないわけではない。

時間の跳躍、つまりタイムスリップの類はできないらしい。


「って、それ大した制約になってねえよ!」


つい自分で自分にツッコミを入れる程度にはぶっ壊れてるとしかいいようのない権能ではあるが、何でもかんでもぽんぽん創造できるわけではないらしい。

創造自体には霊力?とかいうエネルギーを使うのと、後は俺のイメージが重要になってくるらしい。

しっかりとしたイメージを持って『創造』の権能を発動しないと、うまく創造してくれないそうだ。

と、まあ頭であれこれ考えていても仕方がない。

こういうのは、一回力を使ってみるに限る。

というわけで、何かを『創造』してみようと思うんだが、さて、何がいいものか。

武器や防具は今使っているものをあっさり変えるのはなんか悪い気がするし、火や水とかの魔法みたいなものなんて宿屋の部屋の中で出すようなものではない。

となると、一番良さげなのは食べ物系統とかか?


「あっ、そうだ!お米だ!」


異世界転生とか異世界転移のファンタジーでは、よく主人公がお米を食いたいと嘆くシーンがよくある。

実際、この宿屋の朝飯でも晩飯でもお米は無かったし、出店の類でもお米らしきものは一切見かけなかった。

それを考えれば、お米を出すというのはなかなかにいいアイデアのように思える。

実際、俺もまだ異世界生活二日目、しかも昨日召喚されたのが放課後なので昨日の朝と昼にはお米を食べてはいるのだが、やっぱり白いご飯を食べたいという思いはある。


「とはいえ流石に炊いてない米を出しても電気炊飯器もないこの異世界で米を炊くなんて無理だし、やっぱ炊いた状態で出さないとな」


というわけで、寝転がっていた姿勢から起き上がって胡座を組み、頭の中で炊きたてのご飯を強くイメージしながら『創造』の権能を発動する。

直後、極わずかに体の中から何かが抜けていくような感覚がし、直後にベッドの上に丁度お茶碗一杯分くらいの炊きたてのご飯が現れた。

茶碗も何も無い状態で、ただご飯だけが(・・・・・・・)


「............」


ベットの上に直接現れた湯気ののぼるホカホカの炊きたてご飯を前になんとも言えない気分になりながらも『消失』の権能を発動する。

直後、黒いオーラがご飯を消し去った。

黒いオーラは綺麗にご飯だけを消し去り、布団には一切の影響を与えていない。

試しに手で先程までご飯があったところに触れてみると、温かさは感じるが、ご飯のあの独特の粘り気の感触はなく、奇しくも『消失』の任意のものだけを消し去る力の確認が取れたことになる。

一応『創造』の力も確認できたわけだし、実験は成功とも言えるわけだが、だからといってこのまま終わるのは何かに負けたような気がする。

というわけで、今度は先程の反省を踏まえて、イメージを変えて再挑戦することにした。


「お茶碗に盛られた炊きたてホカホカのご飯...お茶碗はお盆に載せられ、お盆にはお茶碗と一緒に箸も用意されている」


イメージする内容を念のため一度口に出し、問題が無さそうなことを確認してから、頭の中で強くイメージをする。

そして、再度『創造』を発動すると、またしても極わずかに体の中から何かが抜けていくような感覚がした。

そして、ベットの上にはイメージした通りのもの、お茶碗に盛られた炊きたてホカホカのご飯に、そのお茶碗を載せたお盆、それからお箸が現れた。


「よっし!成功だ!」


今度はちゃんと成功したことを確認し──さっきも成功といえば成功しているのだが──、思わずガッツポーズをして目の前に現れたそれらを眺める。

そして、ひとしきり眺めた後、せっかく出したのだし、味の確認も兼ねて『創造』で出したご飯を食べてみようと思い、お茶碗と箸を手に取った。


「うん、やっぱ白飯はうまいな」


およそ1日ぶりに食べた白飯だが、特に味に違和感はなく、変わらず美味しかった。


「これで好きに飯を出せるなら旅をする時でも食糧のことを考える必要はなさそうだな」


今も昔も旅をする時に避けては通れないのが食事だ。

まあ魔物が蔓延るこの世界では他に魔物の脅威とかはあるが、それと同じくらい飯の重要度は高い。

その食糧のことを考慮せずに済むのなら、この世界を満喫する上で大きな利点となるだろう。


「それに、やっぱなんだかんだ異世界に比べて日本の方が圧倒的に料理の質も優れてるしな」


『創造』で出した米を食べ終えた俺は、残った茶碗、盆、箸を『消失』で消し去った。


「よし、後は...もし作れるなら『アイテムボックス』とかも作ってみたいところだな」


それから、あると便利そうな能力を作れないか試行錯誤し、いくつかの能力を創造してから俺は眠りについた。

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