38話
前回から2週間ぶり?ですかね?
それくらいの間が空いてのお久しぶりの更新です。
「信頼してもらえるのはありがたいんだが、一気に大所帯になったもんだな」
ここが定位置だと言わんばかりに、胡座をかいて座る俺の足の間に座る少女、ミィナの頭を撫でてやりながら周りを見回してみれば、ついついそんな感想がこぼれる。
あの後、餌付け──という名目の食事提供と、『消失』による奴隷の首輪の消去──に無事成功し、俺に懐いてくれているミィナの説得?もあって、ほかの少女たちも俺にある程度の信頼を寄せてくれた。
ぶっちゃけ、あのまま警戒され続けたままなら、奴隷の首輪を消した上で食糧と武器を与え、あとは勝手にしろと放り出すことも検討していたのだが、餌付け等々の甲斐あって俺のことを信じてくれるようになったので、検討だけですんだ。
そんなこんなで、今の俺、いや、俺たちは『創造』で作った外見は本物そっくりな機械仕掛けの馬に馬車を引かせ、地神の国へと向かっている。
『万象の書架』や本人たちから聞いた話から、彼女たちはこの馬車の元の持ち主だったあのクズや、その同類の手によって元々住んでいた亜人の領域から攫われてきたというのが分かっている。
できれば、希望する人たちは全員元の場所へと帰してやりたいのだが、今すぐに、というのは難しいので、しばらくは俺がまとめて面倒を見ることになるだろう。
それもあって、まずは腰を落ち着けられる拠点を求めて、当初の目的地でもあった地神の国へと向かってるというわけだ。
「買うと維持管理がめんどくさそうだし、借家でそこそこ広い一軒家がいいかなぁ。宿だと安全確保の面で心配だし」
実際、『万象の書架』の情報によれば、彼女たちのような獣人やエルフの女性は、性奴隷目的で攫われることも少なくないらしい。
一応、彼女たちとも話し合って、実際の効力は皆無のダミーの奴隷の首輪をつけてもらってはいるが、七人もの美少女たちを宿屋に置いていたら、良からぬことを考える輩がいてもおかしくはない。
宿屋も絶対に客の味方とは限らず、下手すればそういう裏のやつと関わっているのがこういう世界だし、そうでなくとも普通の宿屋ではそういう裏の力に関しては明らかに無力だろう。
幸い、伯爵から貰った御礼金だけでも白金貨で300枚はあり、断言はできないが、そこそこレベルの借家なら充分借りるのに足るはずだ。
「ま、何はともあれ街についてから考えるべきかね」
いつの間にやら俺にもたれかかるようにして眠ってしまったミィナに『創造』で作った手触りのよく暖かな毛布をかけ、頭をもう一撫でしてやる。
周りを見回してみれば、他の少女たちも大半がわりと安心したような表情で眠っている。
「あのクズに囚われている間はずっと気が張っていたってのもあるんだろうが、こうやって信用してもらって安心して眠ってもらえるってのは嬉しいことだな」
再度『創造』を使って全員にミィナにかけたのと同じ毛布をかけてやると、その暖かさが気に入ったのか少女たちはふにゃりと笑顔を浮かべた。
そんな少女たちと俺を乗せた馬車は、機械仕掛けの馬に引かれ、地神の国へと向かっていく。
今後も不定期は変わらずですが、最低限1ヶ月1話は更新できるように頑張りますです、はい。




