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28話

初の感想頂きましたありがとうございます!

「お疲れさん、そっちも無事に終わったみたいだな」

「ああ、小さな傷は少なからず負ってるが、命に関わるようなダメージはないぞ」


俺との会話担当みたいになっている護衛の男──そういえば名前を聞いてないし聞こえてないから知らない──の言う通り、三人とも見える範囲だけでも大小様々な傷があるが、動きにぎこちなさは無かった。

そんな事務連絡のような戦闘終了と損害の確認を終わらせると、護衛の男はやや呆れを含んだ眼差しで氷牢を見ている。


「それにしても、氷炎の悪魔って二つ名に偽りはないって感じだな。向こうの氷の塊もこれだけ時間が経っても溶ける気配もないし、試しに剣で叩いてみたらまるで金属の塊でも叩いてるかのような手応えが返ってきたぞ」

「ま、俺の氷魔法は俺流の特別仕様だしな」

「それでついこの間までEランクだったってのは詐欺レベルだよな...」


護衛の男は呆れたようにそんなことを言ってくるが、冒険者ギルドは登録時は基本的に最低ランクのFからのスタートのはずだ。

つまり、勇者だろうと無名の強者だろうと始まりはFランクからだからそういう連中も十分ランク詐欺になる。


「まあ何はともあれ助かった...って、そういえば状況が状況だから自己紹介もまだしてなかったな。俺はティーツ、昇格したばっかのDランク冒険者だ。んで、後の二人が────」

「私も昇格したばかりのDランク冒険者で、名前はトルクです」

「俺はオルトだ。二人と同じく昇格したてのDランクだな」


護衛の男──まあ三人とも男ではあるのだが──、ティーツの自己紹介の後、恐らく仲間なのだろう。

他の二人を紹介しようとしたようだが、二人はティーツの言葉を遮ってぱぱっと自己紹介を済ませた。

意表を突かれたティーツは口を開いたまま固まっていたが、すぐに再起動して気を取り直したように言葉を続ける。


「俺とトルク、オルトでパーティーを組んで一緒にやってってる。今回はちょっと危なかったが、あんたのお陰で誰一人欠けることなく盗賊を倒せた。ありがとな」

「ありがとうございます」

「ありがとよ」


ティーツが俺に礼を言って頭を下げると、トルクとオルトもそれに続いて礼とともに頭を下げてきた。


「ま、俺の方は旅の間のちょっとした暇つぶしのようなものだから気にしなくていいぞ」

「旅の間の暇つぶしがコレって...いや、まあそのおかげで助かったようなもんだからいいんだけどよ。そういや旅ってことはどっか別の街への移動の途中なのか?」

「ああ、色んなところを見て回ろうと思ってな、今はアトフィル...だったか?そんな感じの名前の街を目指してるとこだ」

「アトフィルか!奇遇だな、俺たちが護衛依頼で向かう先もアトフィルなんだよ」

「へえ、そうなのか。ところで、」

「ん?なんだ?」


まあ襲われていた時に馬車の向いていた方向が俺の目指す方向と同じだったから予想はしていたが、ティーツたちもアトフィルへの移動の途中らしい。

そして、護衛依頼の話が出たところで、気になっていたことを一つ聞いてみることにした。


「護衛依頼なんだろ?盗賊を倒してから今の今まで護衛対象をほっぽり出してる気がするが、大丈夫なのか?」

「「「あっ......」」」


護衛というわりに、護衛対象から離れてこうして自由に話しているのを見て実は依頼主から許可を得ているのかと思ったが、そうではなかったようだ。

俺の問いかけに、ティーツたちはサーッと顔を青ざめさせた。


「やっべぇ!?すっかり忘れてた!トルク!オルト!急いで戻るぞ!」

「おう!」

「ええ!あ、シュウヤさんもよかったら来てください。依頼主に紹介と話を通しておきたいので」

「ん?ああ、よく分からんが分かった」


紹介と話を通すというが、何を紹介して何の話を通すというのだろうか。

まあ護衛に加勢した以上、俺に加勢をしてもらったというのをきっちりと依頼主に報告しておきたいのかもしれないが。

ともあれ、慌てて走り出すティーツたちと共に、俺は氷牢を連れて馬車へと走っていった。

あ、そういえば、更新は不定期のままですが、次回から一応の更新時間を決めておこうと思います。


ストックが予め用意出来ていた場合、朝の10時に予約投稿にて投稿を行います。

もし、この時間に投稿が無かったら、その日は更新される可能性が低いです。

もしかしたらその日のうちに書いて投稿するかもしれませんが、次の日の10時に回る可能性もあります。


まあ現在ストックがないので、次の更新が明日になるか、明後日になるか、はたまた一週間後、1ヶ月後になるかも謎なのですが。

ともあれ、今回はこの時間ですが、次回からは基本的には投稿出来る時は朝の10時に投稿するスタンスで行こうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。




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