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2話

本日2話目です。

さて、こうして自由の身になったわけだが…とりあえずこの世界の貨幣価値と、あとは何かしらの職の目星をつけとかないとな。

こういうファンタジーな異世界だと冒険者とかが定番なんだが、この世界に冒険者の類があるかは分からんし、第一冒険者になったとして、どの程度戦えるかが、なあ。


そんなわけでとりあえず王都をふらふらと歩いてたんだが、これがまあ人目を引くのなんの。

今の俺の服装は高校の制服のわけだが、この世界ではこういった服装は珍しいらしく、変に注目を集めていた。

流石にこのままでは良くないと思った俺は、ひとまず目についた服屋に入ってこのやたらと目立つ現状をどうにかすることにした。

ただまあ特殊な田舎の民族から出てきた風を装って服屋に行ってみたんだが、この店はなかなかにいい店だったと思う。

この国の貨幣価値と、良さげな服一式、それから冒険者ギルドのことを教えてもらった。

まず、この国、というよりこの世界の貨幣価値だが、


鉄貨10枚=銅貨1枚

銅貨10枚=銀貨1枚

銀貨10枚=金貨1枚

金貨10枚=白金貨1枚


基本的に10枚で一つ上の貨幣1枚と同じ貨幣価値になる。

んで、大体金貨5枚で贅沢しなければ親子三人の家族が一月暮らせるらしい。

ただ、服はそれなりに値がするのか、予備用含めた一式、それから肩掛けのカバンで金貨1枚銀貨7枚かかった。

そして、一番肝心な冒険者ギルドについてだが、やはりファンタジーによくある冒険者と同じもののようだ。

教えてもらった情報をまとめるとこうだ。


・老若男女経歴問わずに登録可能、但し登録料に銀貨1枚がかかる。

・F~Sまでの七段階のランク制で、受けられる依頼は上は自分のランクの一つ上まで、下は制限なし。

・自分のランク以上の依頼をこなし実績を積むことでランクをあげることが出来る。

・Eランクを超えると魔物の討伐依頼がメインになるが、登録したてのFランクは薬草の採取などの雑用の依頼が多い

・冒険者ギルドは各国に存在し、冒険者ギルドの登録証を持っていると街の出入りにかかる税金が免除される。


こうして聞いてみる限りでは、やっぱり冒険者ギルドに登録するのが一番なんじゃないかと思う。

経歴問わずに登録できて依頼をこなせれば金が手に入るし、なにより街の出入りに税金がかからないというのがいい。

この世界を満喫すると決めた以上、世界中を巡ってみたいところだし、それを考えるなら冒険者ギルドに登録するのが一番だ。

買った服に着替えて服屋を出た俺は、その足でそのまま冒険者ギルドに向かった。




さて、冒険者ギルドと言えば定番のイベントがある。

そう、冒険者登録時に先輩冒険者からあれやこれやと難癖をつけられるアレだ。

勢い勇んで冒険者ギルドに来たはいいものの、ほぼ着の身着のままと言った感じでろくに武器や防具を持ってないことに気付いて内心ちょっとビビっていた。

だが、幸いなことに冒険者ギルドに入っても敵意に満ちた視線を向けられる、なんてことはなく、普通に受付までいくことができた。



「あら、こんにちは。見かけない方ですね。本日はどのようなご用件でしょうか?」


受付までいくと、まさに受付嬢、と言った感じの美人な女性がそう尋ねてくる。


「えーっと、冒険者登録がしたいのですが、大丈夫ですか?」

「冒険者の登録ですね、冒険者についての説明はいたしますか?」

「はい、お願いします」


既に服屋で冒険者ギルドと冒険者については聞いているが、一応冒険者ギルドで正式な説明を聞いておくべきだろう。

そう思って説明をお願いしたのだが、やはりと言うべきか、あの服屋で聞いた内容と異なる部分はほとんど無かった。


「──以上ですが、なにか質問はございますか?」

「いえ、大丈夫です」

「では、あちらの記入台でこちらの登録用紙に記入をお願いします。最低限名前と年齢、性別さえ記入していただければ、後はかける範囲で結構です。もしも代筆が必要でしたらお申し出ください」

「分かりました」


受付嬢から登録用紙を受け取った俺は、記入台にいって登録用紙の記入を初めた。


(名前…この世界の苗字事情が分からないからとりあえずシュウヤで、年齢は15、性別は男で......)


程なくして記入を終えた俺は、登録用紙を持って再度受付まで行く。


「これで、お願いします」

「確認します。......はい、大丈夫です。それでは登録処理とギルドカードの発行を行いますので登録料の銀貨1枚をお願いします」


受付嬢に言われ、鞄から登録料の銀貨1枚を取り出して受付嬢に渡す。


「はい、確かに受け取りました。それではこれから登録処理を行います」


そう言うと、受付嬢は登録用紙を持って奥へと去っていく。

そしてそれから待つこと数分、受付嬢は小さなカードのようなものを持って戻ってきた。


「登録処理が完了いたしました、こちらがギルドカードになります。再発行には金貨1枚が必要となりますので、紛失にはくれぐれもご注意ください」

「分かりました」

「早速今日から依頼を受けることが出来ますが、依頼は受けていかれますか?」

「いえ、今日はやめておきます。あ、そういえば、この街に来たばかりなので聞いておきたいんですが、おすすめの宿屋と武具屋はありますか?」

「おすすめの宿屋と武具屋ですか、そうですね…宿屋なら『旅の止まり木』、武具屋は『ティーツ工房』がおすすめです。どちらもこの冒険者ギルドと提携しているので、質に関しては問題ないかと」

「そうですか、分かりました」


これで冒険者登録ができたし、今日の宿と、これから先必要になるであろう武具屋の情報を得ることができた。

俺は受付嬢にお辞儀をして冒険者ギルドを後にし、まず最初に武具屋に行くことにした。

まだ明日どんな依頼を受けるかはわからないが、街の外に出るとしたら最低限の武器と防具は必要だろうから。

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