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17話

皆々様のお陰で1日のPVが1000を超え、ユニーク累計が1000を超えました!

本当にありがとうございます!

ルフトの街での冒険者ギルドでの緊急クエストの発令からおよそ二時間後。

俺も含めて緊急クエストを受注した冒険者は全員が準備を終えてギルドの前に集結していた。


「よし、全員集まったな!」


見かけからしてただの職員では無さそうではあったが、緊急クエストの発令の宣言をしたギルド職員も鎧を身に纏いギルドの前に立っている。

それとなく周りに聞いた話によると、あのギルドの男はあれでギルドマスターらしい。

そりゃあ緊急クエストにこっちから条件提示したのに対してその場で承諾の如何を返せるはずだ。

とはいえ、まさかギルドマスターまでもが一緒に行くとは思わなかったが。


(元Aランクの冒険者か、今回は基本的には前線には参加しないみたいだが、さてどの程度の実力なのか)


流石にギルドマスターに手合わせしろとはいえないし、前線にも出ないとなればその実力を見る機会はないだろう。

まあ元、とのことだし、いずれは現役のAランク冒険者と会ってその実力をお目にかかってみたいものだ。


「それでは、これよりざわめきの森へと出発する!」

『おおおおおおお!!』


ギルドマスターがそう宣言すると、冒険者の大半が雄叫びをもってそれに応える。

こうして、黄のB級の緊急クエストの舞台、ざわめきの森へと出発を開始した。




そして、ルフトの街を出発してからおよそ30分の後、俺たちはざわめきの森へと到着する。

ここから先は一応は本隊と分隊に別れての行動となるらしい。

本隊はCランクの全員と、Dランクの中でも腕利きで構成され、それ以外は全員分隊だ。

ちなみに、俺に関しては本隊にも分隊にも所属しない完全なフリー枠だ。

後、ギルドマスターは馬車とかを守るために森の外で待機するらしい。

結構な数の馬車があると思うのだが、一人で担当するあたりは元とはいえAランクでギルドマスターということなのだろう。

そして肝心の本隊と分隊の役割だが、本隊の役割は当然のごとくゴブリンキングの討伐で、分隊はそれ以外のゴブリンの討伐だ。

一応はゴブリンキングの討伐とゴブリンの殲滅を目標とはしているが、ゴブリンキングの討伐が最優先目標で、殲滅に関してはゴブリンキングの討伐後に出来る限り数を減らせればそれでいいらしい。

ま、そっちは俺的には大した興味はないし、ゴブリンキングを倒して興が乗ったら手伝うかなって程度だけど。

まあ、なにはともあれ、


「それではこれより、黄のB級緊急クエストを開始する」


ギルドマスターの宣言により、今度は先ほどとは異なり、雄叫びを上げることはなくただ武器を掲げ、本隊と分隊、そして俺はざわめきの森へと突入した。




「へえ、このざわめきの森の平時を知らないからあれだけど、王都の森よりはゴブリンの数が多いな」


そんな呟きと共に手にした()でゴブリンの頭を撃ち抜き、死体を《亜空間収納》に放り込んで更に先へと進む。

本隊とも分隊とも完全に離れてざわめきの森へと突入した俺は、周りに他の冒険者がいないことを確認しつつ、実地試験も兼ねて先日試作した銃でゴブリンを倒していた。

こうして『創造』の力で特殊な能力を持った装備を作ったのは初めてだが ──まあそもそも整備はともかく普通の装備も作ったことはないが──、きちんとイメージ通りの性能で作れているようだ。

この銃──特に銘は決まってない──は、俺が以前に撃った魔弾とでも言うべき攻撃を発射するためだけの武器で、内部に生成された魔弾を弾道誘導付きで打ち出すというシンプルな武器だ。

ちなみに、魔弾は一応火・水・風・土・雷・氷の六属性から選んで装填する仕様になっている。

大量の木々という遮蔽物が多い環境での弾道誘導も問題なくその性能を発揮しており、今のところは一発も外れることなくゴブリンを撃ち抜いていた。


「しっかし、サーチもこういう雑魚ありのボスとかを考えると改良をした方が良さそうだな」


現在のサーチでは、サーチ範囲内の魔物の数と位置は分かるが、実際にその魔物の強さや種類は判別することが出来ない。

これまではそれで困ることは無かったが、今回みたいに大量の魔物の中から特定の魔物を倒す、という形の時には目的の魔物をピンポイントで探せる方が何かと便利だ。


(とはいえ、そういう機能を持たせるにはイメージがなあ)


『創造』がイメージに応じて万物万象を想像するというその特性上、イメージがしっかりとないと効果を発揮することができない。

だが、魔物を種類ごとに正確に分類する方法、というののいいイメージが上手くわかない。


(あ、そういえば、ギルドでは魔石だけでも魔物の種類を完全に判別してたはずだ。確かそれが気になった聞いたとき...)


記憶を手繰り寄せるように王都にいた頃にギルドで聞いた話を思い返していく。


(そうだ!魔力の波長だ!)


魔石に内包されている魔力は魔物の種類毎に波長が異なり、それによって魔物の種類を判別していると言っていた。

ということは、魔石から魔力の波長を分析して同一の波長を持つものでサーチ結果を変えるように変更すれば。


「多分これでいいはずだ。あとは『亜空間収納』にある魔石から波長を読み取れば...よし、成功だ!」


サーチの改良は無事成功し、それまでは魔物がいるということしか分からなかったサーチに、ゴブリンと正体不明の魔物が分けて表示されるようになった。

まだ正体不明の魔物もそれなりの数が表示されているが、恐らくはゴブリンアーチャーなどの上位種などだろう。


(ま、手当たり次第に正体不明を潰しついけばいつかは当たる)


この方法では、一度魔石を手に入れて波長を読み取った魔物でないと種類の判別をすることができない。

だが、一度魔石から波長を読み取りさえすれば、同じ種類の魔物であれば何体いようと判別することができる。

そうして判別できる魔物の種類を増やしていけば、いつかはゴブリンキングにぶつかるという寸法だ。


(待ってろよゴブリンキング、すぐに居場所を割り出してやるからな)


サーチを改良し、分かりやすいターゲットを得た俺は、まず最も近い正体不明の魔物の元へと足を運んだ。

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