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13話

pV3000突破とユニーク500突破とブックマーク10人突破を記念しての本日二話目です!

俺がギルドの外に出てから程なくして、絡んできた冒険者たちが己の獲物を手にギルドの外へと出てきた。

ついでに野次馬も大勢出てきたが、まあそれは構わない。

元々この冒険者連中を叩きのめすのにはギルドや他の冒険者に見せる表向きの実力以下に留めるつもりしかないからだ。

ちなみに、こういう事態を想定してのものなのかは分からないが、ギルドの正面は広場のようになっており、決闘とかには困らなさそうなだけのスペースがある。

とはいえ魔法とか投擲武器を周りを考えずに使ったら大変なことになりそうだが。


「さて、こうして俺はお前らから売られた喧嘩を買ってこうして相手をしてやるわけだが、お前ら今さら怖気づいたとか言わねえよな?」

「はっ!礼儀も自分の実力も弁えてねえクソガキにビビるわけがねえだろ!」


一応、最終確認として絡んできた冒険者たちに意欲の程を確かめてみたが、やはりというべきか予想通りの反応が返ってきた。


「さて、じゃあとりあえずルールを決めておこうか」

「ルールだぁ?」

「ああ、こうして一応決闘のようなことをする以上、お互いに分かりやすく白黒付けるためにもルールは必要だろ?とはいえまあ頭の弱そうなお前らに複雑なルールを提示しても理解出来ると思えないし、そうだな──」


俺はそう言って冒険者たちに以下のルールを提示した。

一、勝負は常に一対一で行う。

二、勝負はどちらかの降参、または気絶等で戦闘不能になるまでとする

三、勝負の最中に受けたいかなる負傷も装備の破損も互いに責任を負わないものとする。


「──これでどうだ?」

「どこまでも人をなめくさってる態度は気に入らねえが、ルールはそれでいい」

「そうか、じゃあ始めようか。誰から叩き潰されにくる?」

「叩き潰すのはこの俺の方だよ、クソガキが」


俺が尋ねると、長剣を持った男が前に出てきてそんな言葉を返してきた。

ちなみに、この冒険者連中、三人が三人とも山賊の方が似合いそうなガラの悪い強面をしている。

そして、武器構成は長剣が一人に大剣が一人、そして俺に最初に絡んできたヤツは斧を持っていた。


「ま、言うだけは自由だな。いくぞ」

「上等だオラ!」


俺がルフトの街まではほとんど出番のなかった剣を構えると、威勢だけはいい声を上げながら長剣使いが斬りかかってくる。


(そういえば、こうして本格的な対人戦をするのは初めてかもしれないな)


一週間前まで見ていたフィリップの剣技に比べれば明らかに見劣りする長剣使いの剣技を軽く打ち払いながら俺はそんなことを考えていた。

王都にいた頃はフィリップに対戦形式で剣の稽古をつけられていたが、その時は剣以外は使用禁止であり、こうして実質なんでもありでやったことはなかった。

そう考えると、これが実質初の本格的な対人戦と言えるだろう。


(ま、フィリップに比べると明らかに劣る相手ってのは残念ではあるが)


まさかこうもあっさりと弾かれるとは思わなかったのだろう、わずかに驚きの表情を浮かべる相手にそんなことを内心思いながらはっきりと見えるようにため息をつく。

それが舐められていると感じたのだろう。

長剣使いはあっさりと表情を怒りに染めて長剣を振り下ろし、切り上げ、横に薙ぐ。

しかし、元々フィリップには劣る剣技、それが怒りで更に荒くなっているとあれば、俺にとっては脅威でもなんでもない。


「つまらないな」


振り下ろしと切り上げをかわし、横薙ぎに振るわれた剣もかわしたところで、そう呟きながら剣を振り上げ、長剣使いの剣を下から叩く。


「なっ!?」


それだけであっさりと長剣使いの持つ剣を弾き飛ばし、剣は長剣使いの手を離れてくるくると回転しながら空を舞う。

得物をなくし、驚愕の顔で固まった長剣使いの鼻先に俺は剣を突きつける。

そして、


「まだ、やるか?」


と継戦意思を確認した。

とはいえ、得物を失い剣を突きつけられたこの状況、よほどの隠し玉がなければ考えるまでもなく負けを認めるだろう。


「い、いや、降参だ、降参する」


長剣使いは気圧されたようにそう告げ、一歩後ろに下がる。

そして、長剣使いが降参した直後、長剣使いの1mほど後ろに先程弾き飛ばした長剣使いの剣が落下して音を立てた。


「さて、次はどっちだ?」


長剣使いとの一戦で俺が格好だけのガキでは無いと理解したのだろう。

真面目な顔で黙り込んでしまった残りの二人だったが、ほどなくして大剣使いの方が進みでる。


「確かにてめえがただのクソガキじゃねえってのは分かったが、あれだけ虚仮にされた落とし前はきっちりつけさせてやる」

「そうか、ならかかってこい」


もう相手からは侮るような気配は感じず、後は冒険者としてのプライドの問題なのだろう。

まあ最初に喧嘩をふっかけてきたのは相手なので挑発したことを詫びる気は微塵もないが、それ以上は挑発することなく武器を構える。


「ふっ!」


互いに武器を構えた直後、短く息を吐いて大剣使いの男がその手に持った大剣を勢いよく振り払う。

やはりフィリップには及ばないが、それでも先程の長剣使いよりは迫力を持った斬撃。

流石に先程のように軽々しく剣で受けるわけにはいかず、俺は余裕をもって回避する。

そして回避と同時に今度はこちらから反撃をしたのだが、予想よりも反応が素早く、また武器の大きさもあって大剣で受け止められた。

そこから押し切るように横薙ぎに振るわれる大剣の流れに逆らわずむしろ押し出されるように後ろに跳んで大剣使いから距離をとる。


「なるほどな、あんたはさっきの人よりは腕が立ちそうだ」

「はっ、そう簡単にガキに敗れるほど甘い人生は送ってねえ」


そう言って獰猛な笑みを浮かべる大剣使いに俺もにやりと口端を上げた。

そして、次の瞬間にはお互いに武器を構えて勢いよく一歩を踏み出す。

ほぼ同時、されど武器のリーチの差で俺よりも僅かに早く武器の間合いに俺を捉えた大剣使いは、勢いそのままに叩きつけるように大剣を振り下ろしてくる。

我が身に迫り来る大剣を前にしかし、回避動作を取ることなく俺は真っ直ぐに次の一歩を踏み込む。

そんな俺の行動に、勝ちを確信するのではなくむしろ驚きを見せる大剣使いに、俺は笑みをもって返す。

そして、驚きからか躊躇いからか僅かに勢いの鈍った大剣の刃に、左手を叩きつけるようにぶつける。

籠手に覆われているとはいえ、ただの左腕と重厚な大剣の激突。

常識的に考えればまず間違いなく左腕を切り落とされて終いであろうその瞬間。

しかし、大剣は籠手に擦り傷一つつけることはなく、氷の上を滑り(・・・・・・)、大剣は俺の体を捉えられずに空を切る。

そう、左腕を大剣に叩きつける直前、俺は左腕の表面に角度をつけて氷を生成し、その氷の上を滑らせることで余計な回避動作を挟むことなく大剣を受け流した。

そして、大剣を大きく空振っことで僅かに大剣使いの姿勢が崩れたところで、俺は再度地を蹴って加速し、大剣使いの背後に回り込む。


「これで俺の勝ちだと思うんだが、まだやるか?」

「いや、俺の負けだ」


背後に回り込み、首筋に剣を突きつけた状態での俺の問いかけに、大剣使いは得物から手を離して降参を宣言した。

私は気付いてしまった。

私、戦闘シーン書く才能なくね?と

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