７
ねえルー君。
「うむ？」
私って役に立ってるのかな？
「この上なく立っているが、どうした？」
何でそんな自信満々に断言できるのか不思議なんだけど。
だってさ、何度も確認するけど、私ってルー君の嫁を捕獲するために居るわけじゃない？
「……。ああ、そうだな」
おいその間は何だ。
で……それなのに、今のところ嫁が見つかる兆し零なわけよ。
「そうだな」
思うんだけどね、私が恋人のフリをする意味って、もう無いんじゃないかな。
「何故だ」
いや、だって。
恐くないよ親しくなったら大切にするよアピールのはずが、ルー君が私以外の女の子寄せ付けないせいで私だけが特別なんだって認識されちゃってるみたいなんだもん。
そうなるとむしろ嫁探しには逆効果じゃないの？
「そうか？」
あのさルー君、やる気ある？
このままじゃ嫁なんて絶対来ないよ？
血筋途絶えちゃうよ？
どうする気なのさ。もう嫁とかあきらめて養子でもとった方が良いんじゃない？
「うむ……養子は俺も提案した事があるが、俺の血が入っていないと駄目なのだと延々説教されたな」
はぁ……まあ、そうだよね。ちゃんと子供つくんなきゃだよねー……んー、ジェイ君はどうすれば良いと思う？
「はぁ、自分には何とも……（これだけ仲良いんだから、いっそ本当に二人がくっついちゃえば解決だろうよ。とか、言えねーよな）」
むう……メーちゃんはどう思うー？
「はい、わたくしは……子供が欲しいのでしたら、ミレイシア様がつくってさしあげればよろしいのではないかと思いますわ」
「……！？ （言ったー！ 無邪気な笑顔でさらっと言っちゃったよこの侍女ー！）」
「そうか、その手があったな」
ああ、成程。その発想はなかったけど、確かに良い案かも。
「！？ （そんなあっさり受け入れちゃう？ いや確かに二人ならある意味、良い夫婦になりそうだけど！ 俺もそれが一番てっとり早いと思ってたけど！ 正直、お家の方々もそれを期待してミレイシア様を呼び戻したんだろうなとは察してるけど！）」
ありがとメーちゃん。ホムンクルス関係にはまだ手をつけてなかったから、ちょっと時間かかると思うけど、このまま嫁探しを続けるよりは現実的だよね！
「うむ、さすがミーの侍女をやっているだけあるな」
「お役にたてたのなら、嬉しいですわ（……そういう意味では、なかったのですけれど）」
「……（今の流れでそうくるか！ 色気皆無にもほどがあるだろこの二人……）」
っと、でーきたっ。
ロールケーキ完成したから、メーちゃんお茶入れてくれるー？
「はい（まぁ、お二人が楽しそうなら何でも良いですわ）」
