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 ル―君、ちょっとそこ……ああ、言われる前に正座するって事は、分かってるんだね?


「すまん」


 うん、聞きたいのは謝罪じゃないの。いったい、どうするつもりかを聞きたいんだけれど。


「……どうにもならんな」


 どうにもならんな、じゃないよバカ! このバカ! 何て事してくれたんだバカーー!


「すまん。衝動を抑えきれなかった」


 あ、一応抑えようとはしたんだね。そこで抑えきってくれれば良かったものを!


「まあ、お前もいるし。最悪、有能な誰かがなんとかしてくれるだろうと」


 歯ぁくいしばれきさまーーぁ!


「ぐっ! 悪かった、うっ、歯をくいしばれと言いながら脛を蹴るとはズルイぞ」


 顔なんて目立つところ殴れるわけないでしょうが!

 もう、バカバカ! このままじゃ戦争だよバカっ!


「すまん」


 すまんじゃ済まないの!

 そりゃ元々友好的な関係じゃなかったけど、というかぶっちゃけ放っておいても向こうから戦争しかけてきそうな状態だったけど、わざわざ此方から点火しなくても良いじゃない!


「しかし、ああもあからさまに挑発されては、乗りたくもなるだろう」


 自分の立場考えて総司令官!

 国王陛下とかマジ涙目だったからね!


「そう言うお前だって、途中からノリノリで暴れてただろう」


 あれだけ混乱状態だったら、私一人加わったところで変わらないもの。

 ちょうど試してみたい術もあったし。


「お前がボコボコにしていたのは、聖騎士団長だぞ。しかも第一」


 あ。じゃあ妙に効きが悪かったのって、完成度の問題じゃなくて相手の耐性が想定値以上だったからか。魔術師泣かせって噂の聖騎士団長さん相手であれなら、むしろ威力弱めとかないと危険かもねー……。

 って、えっ? 本当に?


「ああ」


 ……まあ、どうせそのうち戦争になってたでしょうし。ちょっと早まったくらい、ねぇ?


「うむ」


 …………。


「…………」


 国王陛下に謝っといて。


「ちょうど部屋に呼び出されているが、お前も来るか?」


 いやいや、ルー君は国王陛下の従兄だから良いとして、さすがに私が気軽に行って良い場所じゃないから。


「そうか?」


 あと行ったら確実にお説教じゃない。


「……だろうな」


 ちなみに、呼び出しって公的に? 私的に?


「私的だが」


 そっか。なら、このタルトまだ残ってる分持ってく? イチゴ好きだったよね、陛下。


「ああ」


 じゃあ包んで来るねー。

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