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彼女の死、あるいは物語のはじまり6





 眼前の遠方。


 闇夜が嘘とも思えるほど光を放つものがある。


 純白と呼ぶのがふさわしいほど、光り輝く美しい扉だ。


 驚愕に見開かれるミコトの横顔を満足そうに眺めやりながら、フィヌ・フィリーがその華奢な肩にそっと触れる。


「さあ」


 促されるまま、ミコトの体がわずかに動いた。


 フィヌ・フィリーは満面の笑顔をまるで仮面のように張り付けた。


 ミコトは唇をかみしめ、右眼を手のひらで覆った。


 俯くミコトにフィヌ・フィリーはさらに優しい甘露のような言葉をかける。


「大丈夫だよ。痛みも、悲しみも、あそこにたどり着けば何もなくなる。約束されていた自由と幸せと、欲しいものがすべて手に入るんだから」


「ぐ――――」


「さあ、倉科ミコト。キミの行くべき場所だ」


 送り出す時の決まり文句を口にして、フィヌ・フィリーはそっとミコトの傍らから離れようとした。


 ところに、


「グダグダ言ってんじゃないわよ! このスットコドッコイ!!」


「ゲフッ!! ――――い!?」


 猛烈な足蹴りが腹部に刺さった。



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