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第29章:アレン対ダリウス

コロシアムは満員だった。

数千の観客が次の戦いを待ち望んでいた。


アナウンスが響く。

――淑女紳士の皆様!準々決勝の次なる戦いが始まります!


観衆は静まり返った。


――まずは…大陸全土に名を轟かせる戦士!

――ダリウス「雷の槍」!


鉄の扉が開き、

背の高い男が闘技場へ歩み出た。

黒髪。

軽鎧。

手には雷のルーンが刻まれた長槍。


群衆が叫ぶ。

――ダリウス!

――雷の槍!


ダリウスは槍を掲げ、勝利を確信した笑みを浮かべた。


アナウンスが続く。

――そして対戦相手!

――謎の剣士…アレン「あれ」!


反対側の扉が開き、

アレンがゆっくりと闘技場へ歩み出た。

白髪。

黒い剣士の衣。

目を覆う黒布。


観衆がざわめいた。

――あれが盲目の剣士…

――リュウゼンを倒した男…

――再び勝てるのか?


主席の観覧席ではアリス王女が興味深く見つめていた。

隣には三人のランク10騎士。


一人が言った。

――王女…あの青年を調べました。


アリスは視線を外さずに問う。

――何が分かった?


――ほとんど何も。


別の騎士が続けた。

――最近街に現れ、傭兵ギルドに登録。

――以来、獣を狩っているだけです。


三人目が加えた。

――それ以上の情報はない。

――まるで突然現れたかのようだ。


アリスは微笑んだ。

――面白い…。


闘技場では二人の戦士が向かい合った。


ダリウスは槍を地に突き立てた。

――お前が噂の盲目か。


アレンは答えない。


ダリウスは嘲笑した。

――よく聞け。

――お前は何者でもない。

――運は今日で尽きる。


アレンは静かに言った。

――言葉が多いな。


観衆が沸いた。

――おおお!


ダリウスは怒りの笑みを浮かべた。

――いいだろう…すぐに死ね。


審判が手を上げた。

――始め!


ダリウスは消えた。

その速度は雷の如し。

――雷裂き!


槍が稲妻のように走る。


アレンは刀を動かす。

――ガキン!


衝撃音が闘技場に響いた。


だがダリウスは止まらない。

槍を回し、電撃が爆ぜる。

――槍の嵐!


数十の攻撃がアレンに降り注ぐ。

――ガキン!ガキン!ガキン!


火花が散り、観衆は驚愕した。

――速すぎる!

――ダリウスは本気だ!


ダリウスは笑った。

――盲目にしてはついて来るな。


その瞬間――

斬撃がアレンの肩に走った。

血が地に落ちる。


観客席で兄弟が叫ぶ。

――師匠!


ダリウスは笑い声を上げた。

――ハハハ!

――それで終わりか?


再び消え、槍が地を打つ。

アレンは辛うじて避ける。

だが次の攻撃が迫る。


斬撃が腕に走り、観衆が叫ぶ。

――ダリウスが支配している!


観覧席で騎士が言った。

――あの青年は危ない。


だがアリスは首を振った。

――いや…まだ攻撃していない。


闘技場でダリウスが歩み寄る。

――もう疲れたか?

――終わらせてやろう。


槍に電撃が集まる。

――雷の槍!


攻撃が放たれる。


その時、アレンが言った。

――理解した。


ダリウスは眉をひそめる。

――何?


アレンは刀を握り、炎を纏わせた。

――お前の型。

――呼吸。

――歩み。


ダリウスは怒り狂った。

――死ね!


槍が稲妻のように走る。

だがアレンはすでに動いていた。

一歩。

さらに一歩。

正確な動き。


槍は首をかすめただけ。

観衆が立ち上がる。

――避けた!


ダリウスは再び叫ぶ。

――雷破壊!


闘技場が爆ぜる。

だがアレンは動き続けた。


ダリウスは怒鳴る。

――逃げるな!


アレンは低く答えた。

――逃げてはいない。

――待っている。


槍が全力で振り下ろされる。

その瞬間――アレンが囁いた。

――第一章。


刀が消えた。


――炎の千斬!


闘技場は炎に包まれた。

観衆は動きを追えず、ただ閃光を見た。


――ザシュ!ザシュ!ザシュ!


ダリウスは防御を試みたが遅かった。

炎が爆ぜ、斬撃が全身を刻む。


沈黙。


ダリウスは膝をつき、槍を落とした。

体中に傷が走る。


審判が叫ぶ。

――試合終了!


ダリウスは意識を失い、倒れた。


審判が手を上げる。

――勝者、アレン!


コロシアムは歓声に包まれた。

――すごい!

――信じられない!


兄弟は叫んだ。

――師匠!


観覧席で騎士たちは驚愕した。

――あの技は…


アリスは微笑んだ。

――あの青年…ますます興味深い。


アレンは刀を収め、

静かに闘技場を去った。

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