後悔はしてない
紾は走り去った杉野千を追いかけたが、休日の道端は通行人でいつも以上に混んでいた
しかも、雨で殆どの人が傘を差しているせいで、通りの幅が狭くなってしまい、全力疾走どころか歩くのも一苦労だった
そんな人との間をすり抜け、なんとか杉野千を見失わないように目を凝らすが、まだ小さい男の子が紾の目の前で転んでしまう
蔡茌 紾
「大丈夫か」
性分的にほっとけず、すぐさま男の子に駆けつけ手を差し伸ばす。男の子は「えへへ、転んじゃった」と元気に笑いながら手を掴み起き上がると、そのまま両親達の元へと向かった
無事、男の子が両親達に追いついたのを確認して、安心したのも束の間、紾は本来の目的を思い出した
蔡茌 紾
「…しまった」
完全に見失ってしまい、どうしたものかと頭を悩ませる
蔡茌 紾
「そう言えば、曳汐や世瀬も置いて来たんだよな…はぁ」
そこまでしたのに、杉野千には追いつけなかった自分が情けない
このまま立ち止まっていても、仕方ないので紾は、とりあえず杉野千が走って行った場所まで歩いてみる
が、その先は道が三つに分かれており、彼女がどちらに進んだのか分からなかった
蔡茌 紾
「…杉野千なら何処に行く…」
黎ヰ
「左は無しじゃね?行き止まりだし」
蔡茌 紾
「そうか、なら右か正面か……?!」
自然と答えてしまった自分に驚き、紾はすぐさま声がした方を向いた
そこには、当たり前のように黎ヰが居て、目が合うなりニヤリと意地悪な笑みを浮かべた
黎ヰ
「で?何してんの、紾ちゃん」
蔡茌 紾
「いや、えっと…それが…」
いきなり黎ヰが現れた事にも驚いていたが、それよりも自分の状況をどう説明したものかと頭を悩ませる
歯切れが悪い上に、顔から悲壮感が滲み出ている紾に対し、黎ヰは彼の袖をハサミで摘んだ
黎ヰ
「ちょっと、付き合いな」
蔡茌 紾
「は?えっ」
抵抗される前に黎ヰは、そのままハサミで左側へ引っ張って行く
先程、黎ヰが言った通り、直ぐに壁が見え行き止まりになっていたが、潰れた店の屋根の下にボロいベンチが置いてあった
ベンチまで誘導された紾は、仕方なく座ると手に持っていた、傘をじっと見つめた
杉野千を追いかける際、傘が開いたままだと、通行人の邪魔になってしまうので閉じたのだが、結局は追いつけなかった…そんな虚しさだけが心に残ってしまう
黎ヰ
「水も滴るなんとやらだなぁ」
蔡茌 紾
「そんなんじゃないさ」
いつもの黎ヰの軽口にも、紾はため息混じりに答えた
黎ヰ
(こりゃ相当キテんなぁ。曳汐関係だと思ったが、別件か?となれば…さっき呟いてた名前か)
完全に俯いてしまった紾に、黎ヰは思い出したかのように、ポケットに入れていた缶ジュースを二つ出した
黎ヰ
「一息つけな。杉野千って子、探してんだろ」
蔡茌 紾
「どうしてそれを!」
黎ヰ
「紾ちゃんの独り言から得た情報」
言いながら、黎ヰはいつの間に開けたのか、缶ジュースを飲みながら、空いて居ない方を、驚いて顔を上げた紾へと差し出す
反射的に受け取ってしまった紾だったが、黎ヰに言われた通り、一息つけようと缶を開ける
一口飲むと、甘ったるいバニラとメロンサイダーの味が広がった。内心、お茶やコーヒーを想像していただけに、予想していなかった甘さに顔が歪んでしまう
そう言えば、最近似たような事があったなと思い出し、その時は、寝起きに差し出された沈殿したココアと、苦瓜味のお茶だった
苦い思い出がよぎり、ふと肩の力が抜けるのを感じた
蔡茌 紾
「昔の…後輩に会ったんだ」
気づけば紾は、そんな風に話し出していた
蔡茌 紾
「その子は、交番勤務の時の後輩で……俺と夜勤だった時に怪我を負った。俺は怪我をした仲間よりも、逃走した犯人を優先させてしまった。その結果、彼女は川に落ちて…その後、警察官を退職したんだ……」
黎ヰ
「……」
蔡茌 紾
「杉野千は自分が退職した後、俺が別の部署に移動になったのを、自分のせいだって思い悩んでた。その誤解を解く為に、俺は当時の事件を……彼女が知らなくても良かった事実を話して、思い出させてしまった…」
黎ヰ
「そして紾ちゃんは、その子に責められ罵詈雑言を浴びせられたと」
蔡茌 紾
「いっそう、そうなら良かったんだけどな…」
黎ヰの言う通り、杉野千が責め立ててくれれば、どんなに楽だっただろうかと思った
でも、実際は6年間ずっと気にかけてくれていた上に、何も悪くない自分を責めていた。彼女はきっと今も、自分を責めてるのだろう…そう思うと、どうしようもなく胸が痛んだ
黎ヰ
「良くねーよ、バーカ」
蔡茌 紾
「え…」
黎ヰ
「責められたいってのは結局、紾ちゃんの中にある罪悪感に、理由を付けたいだけじゃねーの?自虐心を正当化させた方が楽だもんなぁ〜……なぁ、もしその子と話すとして、紾ちゃんはどんな言葉を掛けてやるつもりだったんだ?」
蔡茌 紾
「それは…」
思わず、言い淀んでしまう。追いかける事ばかり考え、傷ついた杉野千に、掛ける言葉なんて考えてなかったからだ
黎ヰ
「ん〜、紾ちゃんならきっと…"君は何も悪くない。全部俺が悪い、だから気に病む必要はない"とかか?」
蔡茌 紾
「?!」
黎ヰの口から発せられたのは、まるで紾が杉野千に掛けた言葉のようだった
間抜けめいた顔に、黎ヰは目を細め、彼にしては珍しく優しく微笑んだ
黎ヰ
「ちゃんとその子の話、聞いてやんな」
蔡茌 紾
「杉野千の…話を…」
黎ヰ
「そっ、自分が望む言葉じゃなくて、相手が伝えようとしてる言葉を聞く」
そう言われて、さっきまで話していた筈なのに、杉野千が伝えたかった言葉が、何一つ思い出せなかった
黎ヰ
「彼女は何も悪くない。そう言い切れる自信があるなら、彼女が言う紾ちゃんも悪くないに、自信持たせてやんな」
黎ヰのアドバイスは、まるで見てきたかのようだった
蔡茌 紾
「そう…だな。俺は彼女の話を、聞いてなかったんだ…最初に会った時、杉野千は嬉しそうだった。ずっと笑ってて…そんな彼女に、俺は…」
本当に勝手だが、杉野千にちゃんと会って話したい。そして俺も、もう一度伝えたい事がある
黎ヰ
「この世に居ない訳じゃないんだろぉ?」
紾の言い草を間に受けてしまえば、黎ヰが少し大袈裟に思うのも仕方ないだろう
蔡茌 紾
「もちろん、生きてくれてるよ。でも、いつ会えるか分からない…」
見失ってしまった事が悔やまれるが、皮肉にも見失わなければ黎ヰに会う事もなかった。きっと、さっきまでの自分が掛ける言葉は、自分勝手で余計に、彼女を苦しめていただろう…
暗い気持ちを振り払うように、紾は無理矢理顔を上にし、薄暗い雨雲を見上げた
蔡茌 紾
「いや、違うな。いつ会えても良いようにしないとな」
そう思うと、雨雲の遥か上に、太陽が輝いているような気がした
蔡茌 紾
「黎ヰ、相談に乗ってくれてありがとう。少し意外だったけど、聞いてくれて嬉しかったよ」
そう言った紾の顔は、まだ少し無理をしている様だった。その証拠に笑顔がぎこちない。それでも、必死に前を向こうとしてるのだろう…
そんな紾を黎ヰは、少し気まずそうに見ながら、口を開いた
黎ヰ
「綺麗に締めたところ悪りぃんだけど、俺多分その子の行き先、分かるわ」
蔡茌 紾
「何だって?!」
数秒前に諦めた事を、あっさりとひっくり返され紾は、文字通り驚いた
黎ヰ
「紾ちゃん、その子と店ん中入ってただろ」
蔡茌 紾
「どうして、分かるんだ。いや、待て…もしかして…」
黎ヰは杉野千との話も、飲み込みが早かった。そして見てきたかの様な的確なアドバイス…
ふと、紾の中で、最初から見られていたのではと、疑惑が浮かんだ
黎ヰ
「いやいや、いくら俺でも仲間のプライベート覗き見しねぇよ?」
蔡茌 紾
「そうだよな、疑ってすまなーー」
黎ヰ
「俺が見たのは、雨の中人混みを避けて走る子と、それを追いかけながらも、目の前で子供が横転したのを、ほっとけず助けてた紾ちゃん」
蔡茌 紾
「う…見てたのか…」
改めて客観的に言われると、自分の行動が凄く恥ずかしくなり、思い出すほど顔が赤くなっていく
黎ヰ
「職業柄、そういった行動は直ぐに目に付くからなぁ〜。で、よく見たら紾ちゃんだし」
蔡茌 紾
「…本当にすまない、反省してるよ。でも、見ていたなら杉野千がどっちに行ったか、分かるんだよな」
黎ヰ
「いや?仮に見てたとして、時間経ち過ぎだろ。いま何処に居るかは不透明確実」
さも当然の様に自信満々に言われても、はっきり言って困った
蔡茌 紾
「…分かるように言ってくれないか」
黎ヰ
「一瞬見たが、杉野千って子は傘どころか鞄すら持ってなかった。で、追いかけてる紾ちゃんは、傘しか持ってない。そして二人は追いかけっこの前には、店に居た…」
蔡茌 紾
「あっ」
何かに気づいたのか、紾から発せられた間抜けた一音に、黎ヰはニヤリと笑う
黎ヰ
「つまりはお互い、店の中に荷物置いて来たんじゃねーの」
蔡茌 紾
「すっかり、忘れてた」
もうこれは、馬鹿とか間抜けてるとかの次元ではなく、唯ひたすらに愚かだと思った
黎ヰ
「店に戻れば、自ずとその子も自分の荷物を取りに戻ってくる、だろ?」
蔡茌 紾
「あぁ。その通りだ」
荷物を置いたままで出てきてから、随分と時間も経っていた。喫茶店の子達も、きっと迷惑してるだろう
黎ヰ
「んじゃ、夕方に」
黎ヰは、座ったまま片手を挙げると、軽く振った
紾は立ち上がり、もう一つ重大な事を思い出して、気まずそうに黎ヰを見た
蔡茌 紾
「実は…曳汐を、置いてきてしまったんだ…もう一人もいるけど」
流石に、二人共あのまま居るとは考えにくいが、放ったらかしにしてしまい、かなり申し訳ない気持ちになる
黎ヰ
「ん?曳汐?…あぁ…大丈夫だと思うが、一応連絡入れとく。もう一人は、自分で入れときな」
その一人に関して、黎ヰは心当たりがあったが、今は突っ込まない事にした
蔡茌 紾
「すまない。お願いするよ」
本来なら、自分ですべきなのは分かっていたが、曳汐とは、どうにも距離感が掴めずにいる
世瀬については、後で理由を話して謝っておかなければならないだろう…どんな理由があれ、全てを話してしまったんだから
紾は、そのまま黎ヰと別れると、喫茶店『はんなり』へと引き返した
そんな紾の後ろ姿を見ながら、黎ヰは少し渋い顔をした
黎ヰ
(やっぱ、曳汐となんかあったか)
曳汐から窃盗犯を、紾と共に捕まえ、その後警察に厄介払いされたと、連絡が入った時から嫌な予感はしてた
黎ヰが一番最初に、怪我は無いかと聞いた時に彼女は、自分の片手がナイフを握った事で切れたと言っていた
黎ヰ
(曳汐なりの、最善の行動だったろうが、紾ちゃん的には納得出来ないだろうなぁ)
紾に会う前黎ヰは、部下達が厄介払いされた交番所へと赴き、無理矢理に窃盗犯についての情報を聞き出した
窃盗犯は未成年で、身柄を少年課へと引き渡した。曳汐が投げ飛ばした際の怪我も大事なかった
だが、窃盗犯が盗んだ中身のほとんどが、女性物の衣類や化粧道具など、まるで一人分の旅支度だったらしい…
黎ヰ
(この辺りで起きた事件となると、少し気にかけた方がいいだろうなぁ)
数週間、異常調査部が生存時の行方を追っている、照井ユミもこの辺りで疾走している
そして、探し出した時期と同時に、停電により辺り一体の防犯カメラの映像が全て削除された
黎ヰ
(その矢先に、不可解な窃盗事件か…直結はしてないだろうが、妙に騒つくなぁ)
これは、いわゆる黎ヰの勘だった。確証も証拠もないが、嫌な予感がする
その正体は、この間の事件と関わったアリババかもしれないし、まだ見ぬ別の誰かかもしれない…
黎ヰ
「何か潜んでる気がすんだよなぁ〜」
黎ヰの独り言は、雨音と共に虚しく消えていった
ーーー ーーー ーーー ーーー
喫茶店『はんなり』
外側の扉には"本日定休日"と、可愛いポップな張り紙が貼られているのにも構わず、本日何回目かの外部の者の手によって、扉は音を立てて開かれた
カラン カラン
杉野千 杏果
「すみませーん。私の鞄ーーげっ、せ、せんひゃい」
蔡茌 紾
「気持ちは分かるけど、その反応はないんじゃないか」
まさか、紾が居るとは思わなかった杉野千は、驚きのあまり噛んでしまう
そんな二人を少し離れた場所で見る、はんなり店員、荒兎と畔は杉野千が来た事に喜んだ
荒兎
「あの人の言う通り来たね!良かったわ。仲直りできるかな」
一足先に店に戻った紾は、詳しい所は省いた事情を説明し、杉野千が来るまで待たせて貰っていた
畔
「そうでないと困る」
荒兎
「ふふっ、畔ずっと心配してたもんね。本当に三角関係だったら、どうしようって」
畔
「私じゃない、言ってたのは荒兎だろ」
不機嫌そうに、そっぽを向いた畔を笑いながら荒兎は、お盆にマグカップを乗せて、紾達の方へと近づいた
荒兎
「さぁさぁ、お二人共座って下さい。」
蔡茌 紾
「いや、そこまで迷惑をかける訳には…」
荒兎
「それを言えば、私だってお財布の件でご迷惑をお掛けしたじゃないですか。私が言うのもなんですけど、気にしないで下さい!おあいこですから」
言いながら、荒兎はテーブルの上にマグカップを置いていく
そう言われてしまうと、容易に断る事も出来ず二人は、ぎこちないながらも席につく
荒兎
「これは試作じゃなくて、畔が作ってくれた賄いメニューです。余り物の野菜で作ったミルクスープなんですよ。冷えた体には最適ですよ」
勧められるがままに、杉野千と紾はマグカップに口をつけた
荒兎の言うとおり、一口飲んだスープは雨で冷え切った体を、内側から温めてくれた
細かく切られてた野菜と、優しい味のミルクスープに二人は、ほっとした表情を浮かべた
荒兎
「では、ごゆっくりして下さいね」
さっき迄とは違う二人に気を遣い、荒兎は話を聞かないよう、厨房へと下がっていく
…
……
気まずい空気が流れる中、杉野千は、ゆっくりと口を開いた
杉野千 杏果
「…私、実は言うと、警察を辞めちゃったの、後悔してないんです」
蔡茌 紾
「あぁ」
紾は、相槌を打つと、黙って彼女の言葉に耳を傾けた
杉野千 杏果
「だから、もし先輩が鑑識に移動した事で、やりたかった事から、かけ離れちゃったんじゃって……でも、先輩には警察官辞めて欲しくないんです。我儘だって、分かってるけど…」
杉野千は、俯き両手を握りしめた。自分がどんなに身勝手な事を言っているのかが、分かっているからだろう…
そんな彼女に紾は、分からない事があった。どうして、自分をそこまで思ってくれているのか…
杉野千と過ごしたのは、僅か1ヶ月余り。確かに、教育係として接する場面は多かったが、どちらかと言うと、世瀬の方がしっかりと教えていた
蔡茌 紾
(その他に、特別何かした訳でもないし、むしろ彼女を守れなかった。なのに、杉野千は真実を知った後も、ずっと俺の事を考えてくれている…どうしてなんだ…)
杉野千の気持ちが分からず、紾は頭を悩ませる中、彼女の言葉が沈黙を破った
杉野千 杏果
「先輩が交番に居る時、人の出入りが多いんです。何となくその事に気がついて、どうしてだろうって…理由は直ぐに分かりました。先輩が優しくて丁寧だから、皆んな甘えたくなるんです」
蔡茌 紾
「そう言えば、よく世瀬に厳しさも必要だって怒られたな…懐かしいよ」
かつての思い出に浸る中、杉野千は首を左右に振る
杉野千 杏果
「先輩は、時間も場所も関係なく、どんな些細な事でも話を聞いてた…内容とか人とか気にしないで、ちゃんと目の前の人と向き合ってた。私は…そんな蔡茌先輩の背中を見て、警察ってこうあるべきだって思えた。だから、先輩は私の憧れなんです」
少し恥ずかしそうに、笑う彼女を見た紾は、ようやくさっきの疑問が解けた気がした
蔡茌 紾
(俺に警察という職の影を、重ねてくれてたのか)
杉野千 杏果
「警察官以外の仕事してる先輩の姿が、想像出来ないって言うか…」
杉野千は知っていた。いつだって、紾の周りは笑顔で溢れており、彼を見た人々の表情は、とても安心していたのを…それは、世瀬を筆頭に他の警察にはないものだった
それもあってか、彼女から見た紾は、交番内では少し浮いていたりもした。でも、どれだけ悩んだとしても、目の前の人に必ず手を差し伸べてしまう…
杉野千 杏果
「今日会って、やっぱり思いました。私、警察官の先輩のファンなんだって」
素直で真っ直ぐな言葉を、少し恥ずかしく思いながらも紾は、受け止める
蔡茌 紾
「ありがとう。そこまで思ってくれて、嬉しいよ。だからこそ安心してくれ、訓練士として過ごした過去も、刑事課として過ごしている今も、俺にとっては貴重で大切な日々なんだ……だから俺も、後悔はしてないよ」
上手く伝わっているか分からないながらも、紾は精一杯の思いを打ち明けた
杉野千の顔を見てみると、彼女は目を見開き、口をポカンと開けている
蔡茌 紾
「杉野千?」
何か変な事を言ってしまっただろうかと、紾が焦る中…杉野千は呼び掛けには答えず、暫く何かに驚いたような、顔をしていた