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ONLINE side 中編

 そして、ついに2人の一緒の行動も2日目に突入です。まず、訪れたのは…、

「なんか厳かなところですね。まるで教会みたい…」

と姫が驚くくらい昨日とは違った厳かな場所でした。

 その姫に対し、智子、うれしそうにこう答えます。

「それはそうだよ!!ここは、姫のいうところの教会、日本だと、神社、かな、宗教施設だよ!!名前は…、赤坂氷川神社、というんだよ!!」

そう、ここは赤坂にある赤坂氷川神社でした。

 でも、なんでここに来たのか、姫、不思議に思えたのか、智子に対しこう尋ねます。

「でも、なんでここに来たの?」

 すると、智子、意外なことを言いました。

「えっ、それは…、う~んと…、名所だから?」

と答えをはぐらかした…というよりも、智子、実は…、

(う~、なんでここを選んだんだよ~。私、姫のことを考えただけでドキドキしちゃうよ~)

と気が動転しちゃうほどこの場所を選んだことを後悔しているようでした。

 とはいえ、ここは神社です。2人は本殿で、

パンパン

と参拝をしました。もちろん、参拝のやり方を知らない姫は智子からそのレクチャーを受けて参拝をしたのですが、そのときも、姫、

(智子と一緒の時間が続きますように!!)

と純粋に祈ったのです。その一方で智子のほうはというと、

(う~、姫と一緒にいたいけど、そう考えるだけでドキドキしちゃうよ…)

と祈るどころではなかったようです。

 ですが、姫もタブレットに映るまわりの様子からあることを悟ったのか、

「ところで、なんで、この場所、女の子だらけなの?」

と智子に姫は尋ねます。

 すると、智子、恥ずかしそうにこう答えました。

「だって…、ここの神社を祭っているのは…(じゅわ~)」

なんと、智子、顔が真っ赤になってしまいました。だって…。

 それでも意味のわからない姫、智子にさらに尋ねます。

「それより、なんで、智子、顔がまっかなの?」

 この姫からの質問攻撃に、智子、社務所に売ってあるお守りを2つ買ってきては、

「実は…、この神社…、これで有名なの…」

と言ってそのお守りを姫に見せます。で、そこに書いてあったのは…、

「縁結び…、恋愛成就…」

そうです、ここ、赤坂氷川神社は縁結ぶの神様で有名な神社だったのです。これには、姫、

(えっ、縁結び!!それも、恋愛…)

そう思った瞬間、ドキドキという心臓の鼓動とともに姫も顔を真っ赤にしてしまいました。だって…、

(れ、恋愛って、わ、私には早すぎる…。だ、誰も智子のことなんかじゃないから!!)

と、姫、智子のことをすぐに思いだしては恥ずかしくなったのですから…。

 まぁ、2人とも顔が真っ赤にしながらも、智子、姫にこう話します。

「なんか、私たち、間違えて縁結びの神社に来てしまったね…」

これには姫も、

「たしかにそうかもね…」

とこちらも照れながらそう答えてしまいました。

 なんか気まずい雰囲気…、でしたが、そこは、姫、すぐに気を取り戻すと、

「でも、まだ1日は始まったばかりです。なら、次に行きましょう!!」

と言うと智子も、

「た、たしかに、姫の言う通り!!次の東京の名所に行くよ!!」

と元気よくそう叫びました。

 でも、2人の想いは少しおかしな状況になっていました。だって…、

(な、なにに赤くなっているわけ!?智子とはいつも一緒にいたいけど、そんなんじゃないんだから!!でも、この心のときめきってなに!?)

と姫は、このとき、自分の想いい困惑すれば、智子も、

(な、なんでこの場所を選んだの!?私にはそんな気がないのにどうして!?このときめきの意味を教えて!?)

とこちらも自分の想いに困惑していました…。


 そして、次に訪れたのは…、

「うわ~、街が小さく見える!!」

と姫が驚くくらいの場所、そこは…、

「どう、スカイツリーからの景色は?」

と、智子、胸を張って言います。そうです、ここは東京スカイツリー。ここから見える景色には、姫、

「いつも城の塔の上から街を見下ろすことがあるけど、ここからの景色が1番だね!!」

と感嘆の声をあげていました。

 と、ここで、姫、なにかを見つけましたよ。姫、智子に対しこう言いました。

「ところで、あの赤い塔ってなに?」

そうです。姫の目の前にはあの赤い塔が見えたのです。だって…、

「この東京の地に2つの塔ってどういうことでしょうか…」

どうやら姫にとってみれば1つの街に2つの塔があることが不思議に思っているようであした。

 そんな姫に対し智子はこう答えてくれました。

 「あの塔はね、東京タワーっていうんだよ!!」

そう、姫が気になっている赤い塔、それは東京タワーでした。

 ですが、智子、続けてこんなことを言いました。

「その東京タワーなんだけど、実はこのスカイツリーが立てられる前からあったんだよ!!」

そうです、この東京タワーはスカイツリーが立てられる前からあったのです。

 そんな智子の言葉を聞いて、姫、あることを考えます。

(このスカイツリーより前から存在しているあの塔(東京タワー)、それって姉妹みたいなものだよね!!)

なんと、姫、2つの塔を姉妹のようなものと思うようになったのです。

 そして、姫、智子に対してこう話しました。

「このスカイツリーと東京タワーってまるで姉妹だね!!」

この姫の言葉に智子は、

「えっ、それってどういうこと?」

と姫に尋ねます。

 すると、姫、その理由を言います。

「だって、古くから東京をみてきた東京タワーが姉で新しくできたのが妹のスカイツリー!!凸凹だけど姉妹みたいでしょ!!」

たしかに東京にある2つの塔を姉妹とみることができるかもしれません。姉の東京タワーと妹のスカイツリー、なので、智子も、

「なるほど…」

と納得してしまいました。

 ですが、この姫の言葉の続きは意外なものでした。

「まるで私たちのように!!」

この姫の言葉、姫の、

(あのとき感じたときめきって2つの塔みたいに姉妹みたいなものであるはず!!)

という思い込みによるものでした。ただ、それにより、智子、絶句します。

「えっ!!」

だって、智子にとってみれば姫の言葉を聞いてこう思ったのですから。

(姫は、私たちのこと、姉妹だと思っているの!?私のあのときのときめきは姉妹関係だからっていうの!?)

智子にとって赤坂氷川神社で感じたあのときめきをただの姉妹に似たものとは思いたくなかったのです。ところが、そのことを智子は言いませんでした。だって、お互いにときめいていることなんて知らないのですから、そのときめきを智子は姫に伝えたくなかった、知られたくなかったのですから…。

 しかし、そう納得した姫も納得していない智子もこの想いだけは一緒でした。

((私たちは姉妹みたいなもの…。でも、そう考えるだけで頭のなかがもやもやする…))


 そして、最後に訪れたのは…、

「うわ~、外が光っていてきれい!!まさかゴンドラからこんな夜景が見れるなんてすごい!!」

と、タブレット越しとはいえ、きれいな夜景に姫もご満悦。そう、ここはパレットタウンの大観覧車。ここで2人だけでゴンドラに乗って夜の空中散歩をしていたのです。

 ですが、この2人だけというシチュエーションが智子にとってある想いに突き動かされます。

(私、こんなもやもやするような思いなんて、姉妹なんて、いや!!それに、この2人だけのシチュエーション、私のなかにある想いを突き動かされるよ!!)

そう、智子はスカイツリーのときに感じた姉妹という言葉、それによるもやもやしたような思いがいやになった、そのために智子はあることをしようとしていたのです。

 そして、智子は姫に対しこう告げました。

「姫、私たち、今、2人だけだよね…」

これには、姫、突然の智子の言葉に、

「た、たしかにそうだけど…」

とおどおどしましたが、智子、ここであることを口にします。

「姫、この狭い空間に2人だけ、どう思いますか?」

 すると、智子、タブレットを1回転させてまわりに誰もいないことを姫に確認させます。すると、

「た、たしかにそうですね…」

と少し焦るかのように、いや、

(たった2人だけ…、それだけを考えただけでなんかドキドキしてくるよ…)

と、姫、自分のなかにあるドキドキの気持ちが止まらないのか、

「そ、それがどうしたのですか?私たちは姉妹みたいなものです」

と姉妹という言葉をもう1度だしてきましたが、智子、ついに我慢できなかったようで、

(私は姫とずっといたい!!ずっといたいんだ!!)

という想いでいっぱいになり、姫に対しこう告げたのでした。

「私は姫とずっと一緒にいたい!!だから、姉妹なんて言わないで!!」

この智子なりの告白に、姫、

(そ、そんなことを言われたら、私、嘘がつけなくなるよ…)

とついに腹を決めたのか、姫も智子にこう告げました。

「私だって智子と一緒にいたい!!ずっと一緒にいたい!!」

その言葉とともに2人は画面越しにキスをしました。それは2人にとって自分たちの想いを確認するものになりました。


 ですが、時間というのはすぐにくるものでした。智子が自分の家に戻ると姫はこう考えるようになりました。

(私も智子と同じくずっと一緒にいたい、その気持ち。でも、私は王国のトップ。それを忘れちゃいけない…)

そうです。姫は自分の王国をまとめるトップなのです。王様も王妃様もすべてがいない、たった1人しか城に残っていないなかで姫は自分の王国を守っていかないといけないのです。

 ただ、そのことについては智子は知りませんでした。智子はただ姫とのこのデートの想い出に浸っているのか、

(また次の日も姫に会える!!このタブレットさえあれば姫と一緒に会える!!)

と、このタブレットを介していつでも姫と会える、そう思っていました。

 そして、ついにお別れのときがきました。姫は智子に対して、

「それじゃ、また会おうね…」

と気さくに、それでいてもう会うことなんてない、そのような思いでそう告げると智子も、

「またね。また絶対にいつも会えるから!!」

と、いつでも会える、そんな楽観的なことを言いつつもお別れをしました。

 姫にとって自分は王国のトップである、その王国を守らないといけない、そんな責任感をもつ姫に対し智子は、絶対にまた会える、そんな期待を持っていました。そして、その想いが交差するなか、2人はついに別れてしまったのです…。

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