堕天使の烙印　～間違った言い伝えで見捨てられた少女は魔王に拾われ魔物の国で生きていく～

　この世界には言い伝えがある。

“堕天使の羽の痣を持つ者、この地に生れ落ちた時、その周囲に大きな災いをもたらすであろう”

　羽の痣を持って生まれてしまったエレナリーゼ・フォントは、その事を隠しながらも両親と一緒に平穏な暮らしを送っていた。が、ある時不運の連続に襲われた。両親を亡くし、自身の秘密までも周りに知られてしまい、災いの子として街の人間から遠巻きにされるようになってしまう。
　そんなある日、エレナリーゼは魔王が街に攻め入って来る事態に巻き込まれた。
　エレナリーゼは、都合よく厄介払いができると考えた街の人間達から、魔王への生贄のごとく差し出され、街から追い出されてしまった。しかし冷徹そうな魔王の元へ行くと、実は災いとは真逆で幸福を招く存在だという衝撃の事実を教えられる。そして死の代わりに、その力を使って貧しい生活をしている魔物達の手助けをするよう命令されてしまい……
　逃げることのできないエレナリーゼは自身の力を使い、魔族の国を立て直すことを決意する。それに魔王と過ごして言ううちに、どうやら彼はただの冷徹な王というわけではないようだと思い始め……