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招雷  作者: あかさたな
3/3

少女の爆ぜる拳

ジンくんの視点から1回変わります。

いつ戻るのかは分かりません。


能力は基本的に、類語、対義語が存在するようにしています。

私はウタ。寝て起きたら小6の自分になっていた。

起きる直前、懐かしい先生から"戦い"について話されたけど、結局よくわかっていない。

どうやら最後の1人には願いを叶える権利が得られるとか何とか。

能力を使って戦えと言われたはいいものの、

私が言われた能力は"灼熱"。

よくわかんないし、継承しようかとも思ったけど、死にたくないので生きてるだけ。

まず継承出来る相手がいないけどね。


どうやら私は屋上にいるみたい。

高所恐怖症なのですごく怖いけど、今のところ誰も来そうにないから、下の校舎に飛び込んでいくのは怖いからとりあえずここにいる。


突然の爆撃音とともに、ウタの目の前から衝撃波に飛ばされ、男が飛び出してきた。


誰かと思えば、彼は小6の同級生ケンくんだ。

実はケンのこと、あまり嫌いじゃなかった。

それはさておき、大丈夫なのだろうか。

「おーい、大丈夫ー??」


帰ってきたのは言葉ではなかった。

ケンはウタに気づくと、すぐさま手に持っていたガラスの破片を投げつけた。


私は甘く考えすぎていた。本当に戦っているんだ。

じゃあ私も応えてあげなくちゃいけない。


そう言って指を軽快に鳴らしたウタの拳には、赤く燃え上がる炎が宿っていた。


空手黒帯の私に戦いを挑むなんて落ちぶれたようだ。炎は熱いけど、自分の害ではないことを感じる。死にたくない。ケンには悪いけど、一思いにやられてくれ。


咄嗟に腕で受け止めたケン。彼の能力"硬質化"は、言葉の通り、体の硬度を変えることが出来る。

しかし、炎の前では無情にも、その硬さを生かすことは出来なかった。


「ああっちぃいいいい!!!」


体が固くなっても、私の灼熱はどんどん燃やし尽くす。ましてや屋上には水なんてない。ケンもここまでだな。


ケンは炎に苦しみたくない一心で屋上の柵に手をかけた。


後味は悪いけど、とりあえず一件落着だ。


油断していたウタは、ケンが飛び出してきた穴から来た別の敵に気づくことは出来なかった。


「しねぇぇええ!!」


突然の雄叫びに一瞬驚いたものの、体が温まっているウタは即座に回し蹴りを放つことが出来た。

2人は4メートルほど吹き飛んで、向かい合う形になった。


足が痛む。気が緩んでいたせいで、力が上手く伝わらなかった。あいつはユウトだ。手が変な色になっていて、とても禍々しい。能力ひとつでここまで変わってしまうのか。


ユウトは能力"魔人"を所持しており、体を一時的に人間を越えさせることが出来る。戦闘能力が高いウタと張り合えるのはこの能力が大きい。


ユウトは辺りを見渡したあと、背中から翼を生やし、ウタに猛進してきた。


この速度は受けきれない。走って逃げられるのか?


必死に逃げるウタは、穴に飛び込んだ。

ユウトは飛行の勢いのまま、どこかへ飛び去って行った。


あんなの戦いにならない。とてもじゃないけど、私の能力では勝てない。足もあまり好調とは言えないし、近くの教室で休むとしよう。


6年2組のドアを開けると、そこにはすすり泣く女の子がいた。彼女はリンといい、"情熱"という能力を持つ。


私はリンと仲が良かった。最近は会っていなかったが、その仲はなくなっていなかった。


「ありがとう。ウタと話すと落ち着くよ。」


可憐な笑顔だった。最後の1人なんてごめんだ。

私はリンと生き残る。


しばらく話しているうちに、リンの能力について知ることが出来た。どうやらリンは、興奮、激昴している相手に強くなれる能力らしい。

こんな可愛い子に興奮しない人間はいないはずだ。

きっと役立つと思う。


「行こう!!」


2人は手を繋いで、希望の眼差しを向け合い、扉を開いた。でも、扉を開いた先は、信じられないほどの寒さで包まれていた。窓ガラスのように澄んだ氷が廊下を凍てつかせていた。


2人なら大丈夫。きっと上手くいく。


そう信じて心にやどった熱と共に、凍てつく道を歩き始めた。

このバトルのルール

・最後の1人が願いを叶えることが出来る。

・能力の継承(自分が能力を渡したいと思った相手に能力を渡すことが出来る。その際、継承側は死ぬ)を触れている相手に行うことが出来る。


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