イベント二日目 昼1
「グルァアア!!…グルッ!?」
「おーしおしおし、良いところにきたなぁ熊公…」
「ぐ…グル!…グル?グルアア!?」
森に入って少しすると、熊のようなモンスターが襲ってきた。ので、いい感じに捕まえる。
「いいか、ライラ。今からこいつを放すから、一人で戦ってみな。ああ、危なくなったら助けてやるから」
「は、はい!」
「よし、じゃあ行くぞぉ」
「ぐ、グル?!グルアァア!!」
突然拘束を解かれ驚く熊、がすぐに俺に向かって来たので軽く、《手加減》込みでも意識して軽く、顔面叩いてライラの方を向かせた。
「グルルアッ??!!ぐ、グルアアア!!」
「ひぃ…!」
「ビビるな!やれ!」
「は、はい!に、『二連突き』!」
ライラが槍を熊に向け、突きだしながら叫ぶとライラの腕がブレ、突きが二回繰り出される。
「グルッ!…グル?」
熊には二回とも当たったものの、全く効いていない様子。というか俺の一撃を受けてるせいか若干困惑してるまである。
「はえ?」
「グルアァ」
「ひぅっ…」
「…ライラ?続けて攻撃とかないの?」
「か、勝てないですよこんなの!全然効いてないじゃないですか!」
「グルゥゥ」
「いや、えぇ…?あー、か、勝てる勝てないじゃないぞ。今は勝てなくても、そのうち勝てるようになるためにやってんだからさ!」
「無理ですよ!今のアーツが私の最高火力なんですよ!?」
「はぁ?」「グルゥ?」
「どっちも今のが?みたいな顔しないでください!ていうかなんで熊まで?!」
「……よし、戻ろう。ライラにモンスター相手は早すぎたみたいだ」
「え」
「グル。グルゥ」
「あ、お前には死んでもらうけどな?」
「グルゥ?!ぐ、グル!グルゥ、グルルァア…」
《個体名:なし 種族:エンシェントフォレストベアーが絶対服従を誓いました》
ん?
《配下に加えますか? Yes or No》
マジで言ってる?あー、頭抱えてうずくまっちゃったや。どうすっかな…。これ以上増えるのもなぁ。
「グルゥ、グルゥ…。グルルル、グルアァ(お願い、する…。おれ、上手い獲物知ってる)」
お?こいつ喋れたのか。ふむ、上手い獲物か…。よし、じゃあ仲間にしてやろう。イエスだ。
《個体名:なし 種族:エンシェントフォレストベアーが配下に加わりました。名付けを行いますか? Yes or No》
うーん、じゃあ、簡単にクマ吉で。
《名付けが行われました。個体名:クマ吉の強化及び繋がりの強度が増しました》
うむ。
「じゃあよろしくな。クマ吉」
「グル…(よろしくお願いします…)」
「あの、グレスさん?どういう…?」
「ああ、こいつも仲間になったから、よろしくな」
「え、え?…よろしくお願い、します…?」
「グル(よろしく)」
サルマンと違ってすぐ喋れるようになる訳じゃないみたいだけど、元の片言っぽい感じじゃなくなっただけいいのかな。
「とりあえず戻ろうか」
「あ、はい…」
「グル(わかりました)」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「…ぬ。主、戻ったか。どうであった?…そこのそいつは?」
「こいつはクマ吉。さっき仲間になった。ライラはダメだ」
「ダメだったか…」
「だ、ダメじゃないですよ!相手が悪かっただけですよ!」
「どう思う?」
「グルル…(今まで受けた攻撃で一番弱かった)」
「そこまでか…」
「え、クマ吉さんの言ってることがわかるんですか…?」
「まあな。んで聞きたいんだけど、錬金術って何が出来るんだ?どういうことが出来る?」
槍は、イベント中にどうにか出来るとは思えないし…。錬金術でどうにか出来ないかな?
「…えと、基本等価交換です。交換先決定の式、送り出す魔力、交換元の素材の三点で誰にでも使える筈です」
「ほーん…?」
「錬金術のスキルレベルが上がると、より上位の式が覚えられて、送り出せるMPの量が増え、より上位の素材を使えるようになります」
「ふむ…」
「これくらいですけど…」
「……」
結構簡単だな。
「一回やってみてくんない?」
「出来ないです」
「は?」
「出来ないですよ。錬金術には専用の施設が必要なんです。式が覚えられて描けるなら違うんでしょうけど…私出来ないですし…」
「えぇ…」
マジかよ…。しょうがないか…。
《簡易錬金施設をポイントと交換しますか? Yes or No》
イエス。
《簡易錬金施設をポイントと交換しました。実体化しますか? Yes or No》
イエスだ。
「ポン、ドサッ」
一冊の本と白チョーク、石板が数枚、青色の液体の入った瓶と六属性と同じ色の結晶が入った瓶が一つずつ木製の箱に入った状態で出てきた。……施設?
「うわっ、て…なんですか?これ」
「たぶん簡易錬金施設。さ、やってみてくれ」
「え、え、あ、えぇ…?」
「出来るんだろ?施設があれば」
「そうですけど…」
「さあ」
「わ、わかりましたよ…えぇと…たぶんこれが式が描いてある本で、これが描くためのチョーク、そしてこっちは…素材か…じゃあ、これとこれとこれ、で、あとは式を……こう、して、こう」
本を片手に石板に魔方陣らしき物を描き、瓶の中から赤、青、黄の結晶を取りだし魔方陣の上にのせる。その後、もう一つの瓶に入っていた液体を魔方陣の上にドバドバ流し始めた。すると、魔方陣は光輝き、光が収まると、そこにはこぶし大の丸い爆弾が転がっていた。
「出来ました、けど…」
「今の工程、説明してくれないか…?」
「あ、はい。えと、最初に見ていたのは式が載っている本でして、そこから作りたい物の式を選んで描きました。今のは一番簡単なボムの式です。それで次にしたのは、元となる素材と送り出す用の液体魔力を式に入れました。この液体魔力の部分は自分のMPでも問題ありません。これで、式が間違ってなく、素材が等価になっていれば、式が光って交換出来ます。この一連が錬金術、です…」
「ふむ…ちょっとその本見せて」
「はい、どうぞ」
タイトルは錬金術のススメか。…内容は大半がライラの言う式で、他がざっくりとした説明と申し訳程度の式の説明。載っている式はほとんどが魔法を使うと出る魔方陣と似かよっている。…式だけ見ても式同士同じところを流用している部分は多い。というか細かい部分意外大体一緒だなこれ。この一緒の部分で等価交換が成り立ってるのか。申し訳程度の説明なのに肝心なところを押さえてくれてて助かる。…となると、ここを変えれば、と。
「ライラ、チョークと石板貸して」
「え、はい。…えと、何を?」
「錬金術やってみようかなって」
「そ、そんな…簡単に出来る物じゃないですよ?ちゃんと式描かないといけないですし、MPもバカ食いしますし…」
「行けると思う」
さて、これでどうかな?素材は…この結晶でいいか。
「い、一個だけですか?どんな物でも最低でも三個ないとダメなんですよ?」
「大丈夫だって、まあ見てな」
後は魔力だけど、組み込んだやつが正常に働くんなら…お、始まった。
「え、ええ?グレスさんMP支払いました?そんな素振り見えなかったんですけど…」
「MPは使ってない」
「え?!」
「そら、少し離れた方がいいかも知れんぞ?」
「え、あ」
光が異様にでかくなってきてる。そこまで変に変えたはずじゃないんだけどなぁ?
「ボンッ!」
「わっ…な、何が起きたんですか?!」
魔方陣の上にはこぶし大の爆弾のような何かが現れていた。
《錬金術のスキルを獲得しました》
《魔術式学のスキルを獲得しました》
《称号【異端者】を獲得しました》
《称号【異端者】は称号【超越者】に統合されます》
…どこが?
「で、出来た……?そんな…グレスさん!いったい何をしたんですか?!」
「あー、えっとな、式って言ってたやつあんだろ?あれがな、魔法使う時に出てくる魔方陣に似てたから、魔方陣の空気中の魔力を集めて使うっていう部分を式の方に組み込んでみたんだよ。そしたら、な…」
「そしたらって、式の改編って簡単な物じゃ無いはずですよ!それを、あんな簡単に…」
「まあいいじゃん。それでさ、あの爆弾みたいのなんだと思う?」
「知りませんよ。何の式を元にしたのかわからないんですから」
「いや普通に爆弾の式なんだけど」
「………あれが?」
ひとりでに動きだし、周囲を確認するかのように回る爆弾のような何か。
「あれが…」
「「…」」
「グル(怖い)」
「ぬぅ…。ここらでは感じたことの無い威圧感だ」
「え、そんなの出てんの?」
…らちがあかねえな。鑑定。
名前
種族:魔法生命体Lv1
HP10000 MP10000
筋力0 防御力0
俊敏8900 知力9200
運100
スキル
《自爆》《再生》《追尾》《ロックオン》
特殊スキル
《超爆発》
称号
【爆弾】
…。
「爆弾、だな…」
「鑑定、ですか?」
「ああ」
こいつ、どうしよう…。
誤字脱字があった場合報告してくれると助かります。では。




