イベント二日目 朝
ドゴォォオオーン!!!
「ん…」
バガアアアン!!!
「んん…」
ギャリギャリギャリィィィ!!!
「んんん…」
ドガガガガガ!!!!!
「……うるさい」
なんだ?何が起こってんだ?
「あ!サルマンさん!起きました!」
「ぬ、主!敵襲だ!」
敵襲~?え~と、五人、かぁ?
「ふ、あぁああぁぁ………」
おいおい、まだ日も上ってないじゃないか。
「おい!寝起きのやつがいるぞ!狙え!」
「おっしゃあ!ポイント寄越せオラアァ!」
「…」
「ふべっ!?」
パアアアン!とね寝起きだから手加減出来なかったよ。消し飛んじゃった。
「な!?」
「寝てる間を狙うとはいい作戦じゃないか…だけどな、俺は睡眠を邪魔されるのが嫌いなんだよ……殺すぞ?」
「ひっ?!」
「ひ、怯むな!やれ!」
「死ね」
とりあえず一番近い盾持ちのタンクっぽいやつを盾ごと消し飛ばす。次にその奥にいる指示を出していた長剣持ちを黒剣で細切れにする。次にすぐ近くにいた長杖持ちの頭を握り潰し、最後にいち早く逃げ出してた手ぶらのやつを首を掴んで絞め殺す。
所用時間体感二秒。
「……す、すごい」
「流石であるな」
「寝る。適当に起こして」
「あ、はい」
はぁぁぁぁ……。二秒の為に寝ないとか……くそだな。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……。グレスさん。グレスさん。朝になりましたよ」
「……」
…朝か。
「…ん?あれ、サルマンは?」
「朝食を取りに行くと先程森にいきましたよ」
「ああ…」
大丈夫かな…。量がエグいだろうし。まあ、自分で食うもんは自分で取らんとな。
「あの、グレスさん」
「ん、何?」
「昨日のあれってどうやったんですか?」
「昨日…?」
「連続でズバババってやったあれですよ」
…え?あれって昨日のことなの?
「…まあ普通にやった結果だな」
いつも以上に普通に動いただけだ。少し枷が外れてた気がしなくもないけど…あんま覚えてないしいいか。
「ふ、普通に?」
「そう普通に」
「バケモノステータス…」
「はは」
よく言われます。
「そういや、昨日?の連中ってその後攻めてきた?」
「いえ、その後はサルマンさんと二人で警戒してたんですけど結局現れませんでした」
二人で警戒…。
「ずっと見張りやってたのか?」
「あ、いえいえ。一時間おきに交代でですよ」
「そうか」
少し罪悪感あるな…。今夜は俺も見張りやろう。
「それにしても、鮮やかな手際でしたねぇ~」
「そうか?」
「そうですよ!私もあれくらい出来たら自分で素材調達とか出来るのになぁ…」
「素材調達?」
「あ、えーと…。実は私、メインの職業が錬金術師でして…調合に必要な素材を自分で用意出来たらいいのになぁって」
「パーティー組んでるんだろ?別にいいんじゃないか?」
「そ、そうかも知れないんですけど…パーティー組んでくれてる子なんですけど、もっと良いところでプレイ出来るだろうに私に付き合ってくれてて…それで…」
「ふむ…」
一人で全部出来るようになればその子はもっと楽しくゲームが出来るんじゃないか、と…。
「ていっ」
「いたっ、な、何するんですか!」
「俺が言うのもなんだと思うけど。…全部一人でやろうとすんな。その先に待ってることは結構悲しいことだったりするぞ。一人で出来ないんだったら他のやつに任せてやれ。そのパーティーを組んでる子も、ライラと一緒にやりたいからそうしてるんだろ。それともライラはそいつのことが嫌いなのか?」
「そんなこと…」
「じゃあいいじゃねえか。どうしてもって言うなら、まあある程度の動き方を教えてやるよ」
「…はい、はい…ありがとうございます…」
「…ぬ、主。女を泣かすとは…」
「あ、サルマン?!誤解だからな?!俺は悪くないから!」
「ふぐっ、えぐ…サルマンさーん!」
サルマンに抱きついて泣き始めちゃった…。
「主…」
「だから誤解だって!信じてくれよ!俺一応お前の主なんだけど?!」
「サルマンさん。これはうれし涙なので気にしないでください…」
「…そういうことなら」
「…」
納得いかねえ。なんでこいつ俺の言葉は信じねえでライラの方は信じるんだよ。おかしくねえか?
「主、今後は気をつけるのだぞ?」
「なんで俺が…、ったく、わーったよ。はぁ…変なこと言うんじゃなかった…」
「いえ、ありがとうございました。でも、戦い方は教えてください!完全におんぶにだっこな状態なので!」
「えぇ…。あー、まあ、わかった。副職業は?」
「い、一応槍術師です」
「…槍?…持ってなくね?」
「あはは、実はサルマンさんに会う前にモンスターに折られてしまいまして…」
「…ん?それなのにサルマンに攻撃したのか?」
「えへへ。ポイントが欲しかったので…」
「えぇ……。何か欲しい物でもあるの…?」
「ま、魔剣が欲しくて…」
目標高いなぁ…。大方パーティー組んでる子にプレゼントでもしたいんだろうけど…。
「…あれ?それじゃ昨日森に入った時って丸腰…?」
「…入った後に気づいてすぐ戻ろうとしたんですけど、モンスターに追いかけられたり道に迷ったりでさんざんだったんですよ」
「…予備の槍とかないの?」
「ないです。基本戦わないので…。あ、でも色々な爆弾があるのでサポートはできますよ!」
完全にサポート特化じゃん。戦う気あるんだよな?
「そ、その爆弾って攻撃力とか…」
「全然ないです。足止めとか、囮とか、そういうのしかないです」
「……スキルは?」
「槍術は持ってますよ」
「ん~……」
槍、槍かぁ…。イータがいればなぁ…。所有権的なのは俺にあるはずだし呼べたりしないかなぁ…。
「はぁ…」
「どうかしました?」
「いや、なんでもない。でも槍ないんじゃなぁ…」
「あ…」
「錬金術で作れたりしない?」
「む、無理ですよ。そんなマンガみたいな」
「ダメか」
てかマンガみたいて…。魔法でどうにか出来るかな?こう、クリエイトランス的な感じで…ダメか?イメージも必要か…じゃあ、土で出来た固い槍『クリエイトランス』…出来たな。恐らく土製の突くことに特化した槍が出来た。
「ほれ」
魔法結構万能だな。これで剣とか色々作れそうだ。
「え、え、これどこから?」
「作った。飯食ったらポイント取りに行くぞ」
「…は、はい」
「…主」
「なんだサルマン?早く獲ってきたモンスター出してくれ」
「それなのだが…美味いやつらが粗方消えていてな。これ以上獲ると今後に影響が出そうだったのだ」
「つまり?」
「収穫なしだ」
「マジか」
「えええええ!!!」
「ぬ、無闇に大声を出さない方がよいぞ。不味いモンスターはまだそれなりにいるからな」
…もしかしてモンスターの味で獲物選んでる?
「で、でもご飯食べないと…」
「まあ一食分抜いたって変わんないだろ。行くぞ」
「あ、朝のご飯って重要なんですよ!?」
「でも無いものは食えないだろ」
「そ、そうですけど…」
「諦めろ。まあ、道中で食える物あったら採って食えばいだろ」
「…はい」
なんだかなぁ…。周りのやつがどんどん食い物に固執するやつらになってきてる気がするなぁ…。
「あ、サルマン任せたぞ」
「うむ。いい肉を期待しているぞ」
肉とりに行くわけじゃないんだけど…、まあ、最悪プレイヤーを半殺しにして食料吐いてもらうかぁ。
「よし、じゃあ行くぞ」
「はい…」
ご、誤字脱字があった場合報告してくれると助かります。では…。




