イベント一日目 昼1
さーて、手頃なモンスターいないかな?…ん?
「ワウォオン!」
「グルルゥ…」
「ガウガウ!」
「ガアアアァ!!!」
はえぇー、でっかいトカゲだなぁー。敵対してるのは、狼みたいなモンスターか。三対一なのに勝てるのか?
「ゴオオォアァアア!!」
おお!火ぃ吹いた!竜魔法か、これで一体が焼け死んで、一体が重症だな。これは狼の方が負けるかな?
「ぐ、グルゥァア……!」
「ガアアア!!!」
「キャゥン!」
あ、逃げた。まあ、そうだよな。うん。それが一番だよな。トカゲは後を追わないし、狼の方が喧嘩吹っ掛けたのかな?
あ、トカゲに気づかれたか?すげーこっち見てんだけど。後ろになんかいるのか?…いない。やっぱ俺を見てんな。襲って来ないし、殺さなくてもいいか。さっさと離れよ。
《個体名:なし 種族:サラマンドラが降服しました》
ん?
《配下に加えますか? Yes or No》
え?急に何?サラマンドラ?蜥蜴?精霊?え、え?
《配下に加えますか? Yes or No》
え、じゃあ、い、イエスで…。
《個体名:なし 種族:サラマンドラが配下に加わりました。名付けを行いますか? Yes or No》
名前?んー、こいつどっちだ?……。イエス、で…。名前はサルマンだ。
《名付けが行われました。個体名:サルマンの強化及び繋がりの強度が増しました》
……?どういうこと?…とりあえず、
「よ、よろしくな…」
「よろしく頼む。我が主よ。…ぬ?」
「え?」
普通に人の言葉喋ってねえか?
「我に名前をくれたのか?」
「え、あ、ああ…。ダメだったか?」
「ダメなことなどない。名前を貰ったのだ。我は一生着いていくぞ」
「お、おう…そうか」
「して、主よ」
「な、なんだ?」
「いつ王になるのだ?」
「は?王?…俺が?」
「ああ。龍神の加護を受けているし、道も進んでいる。ならば王になるであろう?」
道?……あ、【王道】の称号のことか?それで王になれるのか?んー……。
「俺は、王になるつもりはないんだけど」
「ぬ、そうなのか。珍しいな。だが、まあそれもよし。我はそんな主でも着いていくぞ」
「お、おう…」
……一旦テントに戻るか。
「なあ、サルマンってどれくらい強いんだ?」
「この辺りのモンスターならば大抵のやつには勝てるぞ」
それってどれくらいなんだ?…まあ、テント位は守れるよな?
「主はどれくらい強いのだ?」
「大抵のモンスターは一撃だ」
「一撃!?それは、凄いな。強いとは感じていたが予想以上だ」
「そうか…」
「あまり嬉しそうではないな。何故だ?」
「全部一撃だから、他のやつらと違って強敵を協力して倒す達成感なんて感じたことないし。俺にとっての強敵は並のやつにはたぶん勝てない。差があって面白くない」
「ふむ…」
「少しずつ成長してここまで来たならまあ、ちょっとした達成感もあったのかも知れないけど、一足飛びに来ちゃったからさ…」
もっとこう…死闘なんかをしてくぐり抜けて強くなりたかったな…。ちゃんと戦えてるのは、ギルグとやるときだけだ。
「まあ、過ぎたことだからいいんだけどさ。…お、着いたぞサルマン。ここが俺の…んー、この島での拠点?だ」
俺がいない間に荒らされてなくてよかった。
「ほう。ここが…」
「ああ、しばらくはここを守ってくれると助かる」
「主は何処へ?」
「ちょっと散策をな」
スキルのレベル上げより先に地形をもう少し詳しく知っといた方がいいだろうし。まあ、ついででスキルのレベル上げもするか?
「じゃ、任せた」
「うむ、承った」
んー、さっき燃やした辺りに行ってみるか。
あー、結構燃え広がったなー。でも、鎮火されてるな。自然に消えたって言うより誰かが消したっぽい。木を切り倒したりして消してる感じだ。てかなんかいい感じに広場になってんな。テントがないのが不思議な位だ。
さて、次はどこ行こうかな?……ん?
「……こだよここ。いい感じに広がっててさ。って…」
「誰かいますね」
「マジか…」
二人か。手前のやつがハルバード、後ろにいるのが弓持ちか。
「……だから行けばわかるって言ってんだろ!」
「「ハイハイ」」
「おい、誰かいるぞ」
「はあ?!」
今度は四人。手前のやつが大斧、後ろの三人は右から杖、短剣、長剣。
「誰だお前!ここは俺が先に見つけたんだぞ!」
「何言ってんだ。ここは俺が見つけたんだ」
「俺だ!」
「俺だ」
「俺だ!!」
「俺だ」
こいつら…俺を挟んで騒がないでほしい。
「んがぁあぁあああ!燃えてるとこ切って消したのは俺だぞ!?」
「知らん」
そうだったのか。
「つかお前は誰だよ!お前だよお前!白髪ぁ!」
「白髪…」
確かに特徴的だけどそんな言い方しなくてもいいじゃないか…。
「…とりあえず落ち着けよ。大斧、ハルバード」
「大斧っ!?」「ハルバード…」
「あはは、ハルバードだってさ。落ち着きなよ」
「…おう」
「そうだぜ落ち着けよ。大斧さん?」
「くそっ」
うむ。一旦落ち着いたようだな。
「ここにテント張りたいんだろ?」
「ああ!」「そうだな」
「だったら一緒に張ればいいじゃないか」
「「…」」
「いやなら一戦やりあったらどうだ?」
「「…」」
「どっちにするんだ?俺は早く行きたいんだが、なんなら俺がお前らを全滅させてやろうか?」
「ああ!?やれるもんならやってみろや!!」
「…はぁ」
一瞬で大斧との距離を詰めて、顔面にいっぱ…止めとこ。他のやつらがかわいそうだ。すんどめだな。ぶわって風が起きたけど、まあ、音速越えてなくてよかったな大斧。
「で、どうすんだ?」
「…っち。おい!そっちはどうなんだ?」
「こっちはどっちでもいい」
「そうかよ。…どうする?」
「「まかせる」」
「好きにしろ」
「じゃあ!しょうがねえから、一緒に張るぞ!」
「わかった。…ありがとう」
「そうかよ!おい白髪!」
「ん、なんだ?」
「…ありがとよ」
何に?
…まあいいか。さっさと離れよ。次はどこ行こうかな。このまま行って海見とくか?……よしそうしよう。
「どこに行くんですか?」
「海」
「おいおい、止めとけよ白髪。海は危ないぜ?」
「そうか。まあご忠告ありがとう」
そんなの関係なく行くんだけどな。
「じゃあな」
海にいるモンスターは強いかな?
んー、そろそろ海かな?潮のにおいがしてきた。砂浜とかあるといいなー。
「……ァ!」
「…!……!」
「………!」
お?なんか聞こえるな?誰かいる、けど…戦ってそう。少し急ぐか。
……お、見えた。カニみたいなモンスターと三人が戦ってんのか。長剣と、大盾にハンマー、槍か。槍持ちは気絶してるな。
「!リーダー新手だ!」
「何っ?!くっ、フェイを連れて逃げろ!」
「リーダーは!?」
「俺はこいつらを片付けていく!」
俺も敵認定か。まあ、しょうがないな。さっきのあいつらが特殊だっただけだ。
「逃げなくていい。カニは貰う」
跳んでカニの頭に《手加減》込みの一撃を叩き込む。
「何を…な!?」
消し飛びはしなかったけど、頭の殻?甲殻?が陥没して死んだ。
《手加減のスキルレベルがアップしました》
《手加減のスキルレベルがアップしました》
《手加減のスキルレベルがアップしました》
……一回でそんなに上がるの?そんなに俺の拳はヤバイの?
はぁ、まあ、俺の拳についてはもう、いいや。うん。《手加減》のスキルがあればそのうちなんとかなるだろ。
「……、とりあえず、礼を言おう。助かった」
「ん、ああ、別に気にしなくていい。そっちの槍持ちは大丈夫か?」
「ベス、どうだ?」
「とりあえず大丈夫だ。ポーションを使っておいたから、直に目を覚ますと思う」
「そうか…」
「大丈夫なのか。じゃ、これで」
「我々を殺さないのか?」
「ああ、だって俺海見に来ただけだし」
海は結構綺麗だ。海の底が近いところが透けて見える程度には綺麗だ。うん、満足。帰ろう。
「せ、せめて名前だけでも…」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
サルマンが待つ拠点まで戻って来た。行きとは違うルートで帰って来たからあの集団とは会わなかったけど、また今度様子を見に行こう。
「戻ったか。我が主」
「おう。で、その下敷きになってるやつは誰だ?」
サルマンの腹の下からは人間の腕が苦しそうに動いているのが見えていた。
誤字脱字があった場合報告してくれると助かります。では。




