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一年越しに叶える夢~AWAの世界にて~  作者: 高木橋ユウ
二章 旅の始まり《兄貴のいる国、中央国家パリドスでの騒動》
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出会い


 とりあえず、この空洞から外に出ないといけないんだが、出口が見当たらない。どこか外に通じている場所があるなら、そこから風が来たりするはずなんだがそれもない。


「出口が見当たりませんね」

「そうだな。どうする?」

「んー…」


 いっそ壁をぶち破って、いやでも、どこやれば外に出られるかなんてわかんないしなぁ…。


「あ、ここ見覚えがありますね」

「そうなのか?出口とかわかるか?」

「ええまあ、えーと、確かこの辺りに……あ、ありました」


 壁の一部がへこんでガコっという音がきこえて、その後ズズズとすぐ近くの壁が動いた。

 すごいなこりゃ。なんでこんな物があるんだ?


「さあ、行きましょう。ここを行けば恐らくですが外です」

「お、ああ」


 ラルナはなんでこんなところのことを知ってるんだ?後で聞いてみるか…。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 何事もなく外に出ることが出来た。

 外は何処かの遺跡のようで、石造りの建造物が草木に侵食されている。


「…ここも変わりましたね」

「…」


 この遺跡見たいのを変わったって言うことはこうなる前を知ってるからなんだろうか。そうすると、こいつはずいぶん昔の人間ってことになるな。まあ、今はいいか。そんなことより…、


「ここが何処かわかるなら、人がいそうな場所とか知らないのか?」

「わかりませんよ。僕が知るこの場所とは随分違いますから」

「そうだよな」


 さて、どうしたもんか。俺の出来る事で広範囲を探すことが出来るのは、魔法位か?んーだとしてもどうすりゃいいんだ?召喚魔法でワンチャン空飛べる奴が出るのを祈るか?…ん、空飛べる?あれ、俺って空飛べるんじゃ……。いままで試さなかったから出来るかわかんないけど、飛翔のスキルあるし、風魔法とかで飛んでもいいし、風魔法を補助に回して飛翔で飛んでもいいんだよな。よし、やってみるか。翼を出、


「あ、待ってください」


 …出さない。しまっておく。


「なんだ。どうした?」

「ここら辺、足跡が多いです。頻繁に誰かが来ているようです」

「…それで?」

「足跡を追えば人がいる場所に行けると思いますよ?」

「…わかった。そうしよう」


 んー、飛ぶのは今度だな。それにしても、よく足跡を見つけられたな。俺には全然わからん。

 足跡は遺跡中にあるみたいで、同じところを何度か行ったり来たりした。最終的に森に続いていた足跡を追っている。


「…そういえば、ラルナ」

「なんですか?」

「ラルナとリールのステータスって別々なのか?」

「ええ、一応は」

「そうか…。……なあ、今って覇王じゃないんだろ?そのことについて、なんか思うところとかないのか?」

「そうですね……、特にはないです。強いて言えば、次の覇王がいい王であると良いな。ぐらいです。え?ああ、あの遺跡は僕がこっちに最後にいた場所なんですよ。だから知ってるんです」


 リールがなんで遺跡について知っていたのか聞いたのか。てか声に出す必要ないだろ。


「え?ああ、はい。そうですよ?」

「ん?」

「へ?いやいやいや、ええ、はい、はい、え、いやいやいや!」


 な、なんだ突然?こわっ…。少し距離とろ…。


「はぁ…グレス」

「…な、なんだ」

「あなた、この体がリールの物であると最初からわかっていましたよね?」

「そりゃまあ、当然だろ?」

「なぜ言ってくれなかったんですか?」

「え、気づいてなかったのか?」

「ええ、まあ…ついさっき気づきました」


 うっそだろお前…。俺でも最初この体になったときにすぐ気づいたのに…。


「僕が気づかずに体をさわったりしたら危なかったじゃないですか。すぐ言ってくださいよ。このことリールに言って怒られたんですよ?」

「いや普通すぐ気づくだろ」

「…あまり違和感がなかったので……」

「はぁ…。とりあえずいいから、ちゃんと足跡追ってくれよな」

「わ、わかってますよ」


 本当にわかってんのかな…。……にしても、違和感がなかった、か。これも混ざっちまった影響か?んー、元に戻せる方法があるとして、完璧に戻せるか不安になってきたな。人間、馴れない身長や体重の体は思い通りに動かせないはずだし、その点ラルナは自然に動けていた。マジで不味いかもしれん。どうすっかなぁ…。


「あれ」

「ん、どうした?」

「足跡が途切れました。どうします?」

「足跡が?」


 変だな。この辺はまだまだ森だぞ?変な魔力の流れとかもないし、どうしたんだ?えーと、気配気配…。うん、変な気配もないな。……ん?あーいや、これか?んー…、これだな。周りと同化してて分かりにくいけど、動いてるし、魔力も他と違う。こいつだ。


「ラルナ」

「なんですか?」

「あそこにいる」


 ラルナが立っている位地に一番近い木の上を指差す。


「あ、やっぱり上にいたんですね」

「わかってたのか?」

「何となくですよ。足跡が少し抉れていたので、もしかしたら、と」

「へぇ…」


 俺らが話してても上にいるやつは降りてこないな。


「なあ、そこのあんた。道を教えてくれないか?」

「…余所者……。……着いて、こい」


 ふむ。女の人の声だな。まあ、それはいいとして、着いてこいって、どこに連れていくつもりなんだ?


「とりあえず着いて行きましょう。行けばあの子の住む村があるかもですよ」

「それもそうだな…」


 行ってみるしかないかぁ~。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 木の上を行く女の子についていってたどり着いたのは、古い家が一軒建っている広場だった。


「…。少し、待つ」


 ふむ。木の上から降りてきたからわかったけど、どこかの部族みたいな服着てんな。んー、髪は茶色だから、普通、かな?


「あの家の中にも誰かいますね」

「あー、そうだな」


 確かにいるな。たぶんその人を呼びに行ったんだと思うけど。


「どんな人でしょうね」

「さあな。とりあえず、ここがどこなのかと、街はどこにあるかは聞きたいな」

「それですけど、僕があそこに行く前のここら辺の地名位は覚えてますよ?」

「は?そういうことはもっと早く言えよ」

「すみません」

「はぁ、で?どんななんだ?」

「この島がネメレスト、さっきの遺跡がウェインですね」

「…まてまてまて、ここって島の中なのか?他に街あるよな?」

「あると思いますよ?僕がいた頃も港街はありましたし、ここそんなに大陸から離れてないはずですし」

「そ、そうか。よかった…」


 ……お?出てきたな。一緒にいるのは、白髪の…老人、か?


「おや?あの人は…」

「爺、この人達」

「そうか。この方達が…。はじめまして、私の名前はら「ラウス」…なんだって?」

「あなたの名前はラウス・アスターではないですか?」

「なぜ、知っているんだ?」


 知り合いか?でも、ラルナは昔の人間だろ?この人エルフなのか?けど、耳は長くないんだよな。


「僕です。僕。ラルナです。覚えていませんか?」

「ラルナ…?」

「あはは、覚えていませんか。まあ仕方ないですか。あなたはまだ小さかったですし」

「ということは…も、もしや…覇王様、ですか?!」

「覇王?」

「元だから別に気にしなくていいと思うぞ」

「元?!あなたともあろう方がどこの馬の骨ともわからぬ輩に席を取られたのですか?!」

「いえ、とある事故で偶然、ですね」


 こっち見んな。


「爺、覇王って何」

「覇王とは、この方の場合の覇王は武力のみで君臨したことを指すな」

「へぇー、お前ってそんなに強かったんだな」


 強い感じなんていっさいしないけど。


「覇王様、この無礼者は誰ですか」

「覇王様はやめてください。僕のことはラルナと。で、この人はですね。僕を、まあ一応助けてくれた、恩人です」


 恩人て、そんなんじゃないだろ。つかどっちかって言うとリールが恩人だろ。あいつに言われなかったら転移陣弄らなかったからな?感謝するならそっちだ。


「恩人ですか…」

「爺」

「あ、そうだったな。お二人は街を探しているそうですね」

「ええ」「ああ」

「残念ながら、この島に街はありません」

「え」

「本当ですか?」

「はい。数十年前に大陸に帰っていきまして…」


 おいおいマジか。どうすんだこれ。そろそろいい時間なんだけど?


「そろそろ日も暮れるので本日は家にお泊まりください」

「…。泊まる、いい」

「…どうする?」

「お言葉に甘えましょう。ラウス、お願いします」

「わかりました。では、こちらに」


 うーん…。無事帰れっかなぁ?





誤字脱字があった場合報告してくれると助かります。

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