帰還A
今回?は二つあります。
こっちはリール視点です。まあ途中からですが。
「いやー、誰かに殺されるのは数百年ぶりでした」
「もう一回死んどくか?」
「…止めておきます」
「そうか」
ふむ。一応動けないようにはしとくか?
「ラルナ…、その…」
「ああ、リール。気にしないでください。あなたたちが外に出たいのであれば、出てもらって構いません。僕も、後数万年程ここにいれば出れると思うので」
「そ、そんなにかかるのか?!」
「…今すぐ出ればいいじゃねえか」
「外に繋がっている転移陣は僕に反応しませんし、ここは僕を外に出さない為にあるので僕に対しての封じ込めが完璧なんですよ」
へぇ…。
「そのためか、僕が外に出るためには、魂がすり減って小さくならないといけないんです」
「それが、数万年かかるってことなのか?」
「ええ。ですからリール。変に悩む必要はありません」
「でもお前、数万年たって外に出たとしても、それってお前じゃないだろ」
「…何を」
「ただの人間が数万年正気でいられるわけないだろ。外に出た後の希望があるならまだしも、お前は既に過去の人間のはずだ。そもそもここは、死んでも死なない場所だし。本当に外に出られるのか?」
外に出さない為の空間。こいつを外に出したくない理由があるんだろうな。まあ知らんが。
「外には、出られますよ。いつかですけどね」
「…ぐ、グレス!何か方法はないのか?!」
「あ?あー…」
別に、ないわけじゃないけど、出来る確証はないし、それに、
「お前は外に出たいのか?」
「…、出れるのであれば、出たいですけど…。ここで後数万年も一人で待つのはちょっと…」
「そうか」
じゃ、試すだけ試すかぁ……。
「言ってた転移陣に行くぞ」
「お、おお」
「……行きますか…」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
転移陣があるという場所にきた。
神殿だな。その中央に魔方陣が書いてある。
「あ、あれか?」
「ええ。あれです」
「あれか」
とりあえず、俺が使う転移の魔方陣を出して、と。んーと?こことここが一緒でここが違うのか。そうするとこの違う部分をいじればいいか…。……お、魔力で線動かせるな。よし。
《魔方陣学のスキルを獲得しました》
ん?ああ、出来たか。
「うし。おいラルナ。ここに立ってみろ」
「え、もう出来たのか?!」
「たぶんな。そいつがのって発動すんならいいし。出来なければ、まあ最悪死ぬけど、大丈夫だろ」
「え」
「…い、良いよ良いよ。死ぬのにはなれてるし、外に出られるかも知れないならね」
「そうか。じゃあ早く行け」
微妙に怖じ気づいてるからけつを蹴って魔方陣の上に乗せる。
「うわっ、ちょっ、何する━━」
消えたな。
「リールも乗れ」
「え?!私もか?!」
背中を押す。こっちも消える。そんで、俺も乗ってと。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
━━ここは…。空洞?
「無事着いた、のか?」
「ああ、なんとかなったっぽい」
近くにはグレスがいる。ラルナはどこだ?
「っと」
…ん?グレスが立ちくらみのようなものを起こしている?
「大丈夫か?」
「ああ。ところで、あいつは?」
「私が気づいた時にはいなかった」
「ふむ」
どこに行ったんだ?出口らしきものは見当たらないし、埃が積もっているから動いたら絶対わかるはずなんだが…。
「やっべ」
「ん、なんだ?どうしたんだ?」
「い、いやぁ…別に…」
まさか、ラルナだけこっちにこれてない、のか?
「リール…」
「な、なんだ?まさか、やっぱりラルナはこっちにこれてないのか?!」
「い、いや、これてはいるんだ。ただ…」
「ただ、なんだ?」
「…その、えーと、リールの中に入っちゃったみたいで…」
「は?…え?………え?嘘でしょ?」
「…」
「…ええぇぇえええええぇぇぇぇ!!!!!!????」
ほ、本当に私の中に入ってしまったのか?!
「ど、どどど、ど、どうして?!」
「たぶんだけど、転移の間隔が短すぎたからだと思う…」
「そ、そんな……」
ラルナは、どうなるんだ?
《EXクエスト・【覇王】を説得しようの特殊達成条件『説得放棄』『実力行使』『他者介入』の内『実力行使』『他者介入』の達成を確認》
《加えて最重要危険生物【覇王】の消失を確認》
《EXクエスト・【覇王】を説得しようが特殊クリアされました。通常クリア報酬並びに特殊クリア報酬をお贈りします》
《通常クリア報酬 特殊スキル《王との繋がり》を獲得しました》
《特殊クリア報酬 特殊スキル《箱庭》を獲得しました》
《【覇王】の消失と融合により称号【混じり者】【月神の加護】 スキル《武芸百般》《気力操作》 特殊スキル《ラルナ》を獲得しました》
……え?
「…なんだ?今の?」
「ぐ、グレスにも聞こえたのか?!」
「ああ。クエストクリアがどうのこうのって。リールにも聞こえたのか?」
「…あ、ああ」
特殊スキル…。これが使えれば……。
「…どうした?」
「…報酬は貰えたのか?」
「あー、達成貢献報酬?だかで箱庭への鍵ってのを貰った」
「スキルは?」
「スキルはなかったと思うぞ?…もしかして、あいつをどうにかできるスキルが貰えたのか?」
「ああ。だけど、使い方がわからないんだ」
「ならステータス見ればいいじゃねえか」
「そう、だな」
…ステータス。
ステータス
名前 リール
種族:人族Lv134 職業:飛剣師Lv125 (副職:分解師Lv32)
HP13000 MP8000
筋力7900 防御力7200
俊敏6200 知力5000
運300
StP40
スキル
《飛剣術Lv135》《分解Lv32》《身体強化Lv100》
《姿勢制御》《解体》《武芸百般》《気力操作》
種族スキル
《無限の可能性》
特殊スキル
《王との繋がり》《箱庭》《ラルナ》
称号
【始まりの飛剣師】【犠牲者】【混じり者】【月神の加護】
《武芸百般》
武術に対して高い理解を得るスキル。
《気力操作》
気を操ることができるようになるスキル。
《王との繋がり》
特定の“王”との繋がりを持ったことの証明となるスキル。
《箱庭》
箱庭に自由に出入り出来るスキル。
《ラルナ》
“ラルナ”と呼ばれた人物を呼び出すスキル。
【混じり者】
何かと混ざった者に贈られる称号。
【月神の加護】
月神に気に入られた者に贈られる称号。
鑑定のスキルがないから情報は最低限だな。外に出られたんだし、鑑定のスキルは取ろう…。
それにしても、やっぱりというかなんというか、使い方が書いてあるわけないか。どうしよう…。でも、大抵のスキルは言えば使えるって、掲示板に書いてあったな。……よし。やってみよう。ラルナと私のためだ。
「《ラルナ》」
スキルを使う。その意志を持って言った瞬間、私の意識は何処かに沈み、一瞬の浮遊感の後、誰かの中にいた。ここは…、何処だ?自分の意志では動けないが、これは、誰の視点だ?
『ん?ああ、グレス。僕は無事に外に出られたのですか?』
『…!…お前、ラルナ、か…?』
何?!ラルナ?!そ、そこにいるのか?!…いや、グレスはこっちを見てる。この視点がラルナの物なのか?いったいどういうことだ?
『え?そうですけど、何か?』
『お前、……いや、待てよ……。………、…。お前、自分の内側に話しかけてみろ』
内側………。そうか。私にラルナから話しかけさせようとしているのか……って、まてまて、そうなるとここは何処になるんだ?ラルナの心の中?んー???
『何を言ってるんですか?内側?』
『いいから早く』
『わ、わかりましたよ…。えーと…』
『声に出す必要はない』
『わかってますよ!』
あーあー、聞こえるかな?
「き、聞こえるぞ!ラルナ!」
え?この声って、リール?どういうこと?
「私にも状況はわからない。ただ、誤転移で私とラルナが混ざってしまったらしい」
混ざったって、本当かい?
「ああ!私がスキルを使ったらこんな事になったんだ。ラルナのステータスに何か変化はないか?」
……。ああ、なるほど。そういうことですか。リール、すぐ元に戻しますね。
「ま、待ってくれ!ラルナは大丈夫なのか?」
ええ。大丈夫です。ではいきますよ。
「お、ああ」
《リール》……。おや?
「な、なんともないぞ?」
おかしいですね。
「…し、しょうがない。しばらくはこのままで行こう」
いいんですか?
「ああ。ラルナが無事なら、とりあえずそれでいい」
そうですか…。では、そう言いますね。
「頼む」
『えーと、中にリールがいました』
『そうか。無事なのか?』
『ええ。それで、元に戻るにはしばらくかかるかもしれないので、このままで行くことになりました』
『…わかった。とりあえず、ここを出よう。後、しばらくはお前らといることにする』
え?なんで?早く帰りたかったんじゃ…。
『何故ですか?』
『…一緒にいれば、元に戻す方法がわかった時にすぐ出来るだろ』
…。
『そうですか。わかりました。では行きましょうか』
『おう』
…。これから、どうなるんだろうか?
誤字脱字があった場合報告してくれると助かります。




