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一年越しに叶える夢~AWAの世界にて~  作者: 高木橋ユウ
二章 旅の始まり《兄貴のいる国、中央国家パリドスでの騒動》
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帰り道は手伝いから


 二人に着いて洞窟を歩いていくと、外に出ることができた。ザ・森って所だな。


「ここを抜けて行けば神殿に着くので、そこから帰れますよ」

「ありがとうございます。ところで、あなたたちは帰らないのですか?」

「私は、ここに用があるから…」

「僕もです」

「そうですか」


 さっき言ってた説得がうんぬんが関係してるのかな。まあ、関わらん方がいいか。男女が二人でいる訳だし。


 ━シュッ……パシッ。


「…?」

「あ!」

「…」


 矢か。えーと、あそこか。ほいっと。


 ━シュッ!…ドス。…ドサッ…。


「ギィィ…」

「当たったか」


 ゴブリンか。俺を気にせず射ってきたってことは強いのかな?強いんだったら、少しここで暴れようかな?……いや、止めとくか。早く帰ろう。


「す、凄い…あのゴブリンの攻撃をあんな風に…」

「へぇ…」

「すみません。この森にいるモンスターって強いですか?」

「強いですよ」

「そうなんですね。ありがとうございます。それじゃあこれで」


 やっぱり強いのか…。……ダメダメ。少しくらい暴れたいとか、そういうのいいから。早くかえっ!?


「おっと、失礼しました。これに気づくとは、すごいですね」

「鑑定…」


 しかも、今までされてきたことのない、全てを見られるかのような感覚。全部見られたかも。まあ、いいんだけど…。突然のコレはビビるよ。止めてくれよ……。何だかんだ言ってキレそうなんだよ?あの運営はよぉ……俺がなにしたってんだよ全く……。神の声を聞いたからか?それはそっちが悪いだろ、ちゃんと管理しろよ…。仕事を放棄するなって…。デュラハンのイベント壊したか?壊れるようなシナリオ作ってんじゃねえよ…もっとしっかりした物作れよ…俺にぶつかってんじゃねえ…。こいつらは…、あの時だって…、あの時……あの時…?ん?…まあ、いいや…。少しスッキリしたし、帰ろう。…あれ? 


「どうしたんですか?」


 ラルナは魔力じゃない何かを立ち上がらせてるし、リールは数歩後退りしてる。


「…急に威圧感が増したので、僕らと一戦交える気かと思いました」

「え、あ、すいません。すぐ行きますので…」

「…ま、待ってくれ!」

「ん、なんですか?」

「グレス殿、私の用の手伝いをしてはくれないだろうか?!」

「手伝い、ですか?」


 急に口調変わったし、大事な用なのか?でも、帰りたいなぁ…。


「すぐ終わる用ですか?」

「いや…」

「…内容は?」

「ここのモンスターを私が一体討伐するというものなんだが…」

「…」


 時間かかりそうなやつだな。でも説得うんぬんは関係無さそう。


「さっき言ってた説得って言うのは?」

「そ、それは…」

「僕を説得するって話ですよ」

「…どういう事ですか?」

「…ラルナは、【覇王】っていう人らしいんだけど、運営に【覇王】を説得してイベントに参加させろって、ここに飛ばされたんだ」

「それで、僕は彼女がここのモンスターを一体でも討伐出来たら参加してあげるって言ったんですよ」

「…なるほど」


 この人が覇王なんだな。強そうには見えないけど。


「じゃあ、あそこ、あそこに俺がさっき矢を当てたゴブリンがいるんで、止めさしてください。それで解決です。では」


 ゴブリンの気配は消えたわけじゃなかったから、まだ生きてるはず。死んでたら…そんときは頑張ってくれ。


「ちょ、ま、待ってくれ!」


 これでもダメか。剣を抜刀して近づいて肩を触ろうとしているリールの首筋に当てる。


「っ!」

「いいじゃないですか。あそこにいるゴブリンを殺せば、あなたが殺したことになる。あなたが、殺したんだ。そうすれば条件は達成するはずです。これ以上俺が何かする必要ありますか?俺は早く帰りたいんですよ」

「…。………」


 ……泣きそうな顔になってしまった。言い過ぎただろうか?でも、これくらい言わないと、手伝いそうになる…。それはダメだ。この子がここのゴブリンを一人で殺せるようになるまでどれくらいかかるかわからないからな。


「…そんな風に討伐されても、条件達成とは見なしませんよ?」

「………………。ハァ……、わかりました。わかりましたよ。言い過ぎましたね。手伝ってあげますよ」


 俺この人嫌いだわ。


「す、すまん。いや、すみません…」

「もういいですよ。口調も楽な方でいいです。それで、覇王さん。条件はリールが単独でここのモンスターを討伐すること。でいいんですよね?」

「…ええ。それでいきましょう」

「ではリール。少し見させてもらいますよ」


 鑑定っと。



名前 リール

種族:人族Lv132  職業:飛剣師Lv120 (副職:分解師Lv30)

HP13000 MP8000

筋力7900 防御力7200

俊敏6000 知力5000

運300

スキル

《剣術Lv100》《分解Lv30》《飛剣Lv30》《身体強化Lv93》

《姿勢制御》《解体》

種族スキル

《無限の可能性》

称号

【始まりの飛剣師】【犠牲者】


《分解》

物を分解するスキル。

レベルに応じてより複雑な物を分解できるようになる。


《飛剣》

剣を飛ばすスキル。

レベルに応じて操作性、スピード、飛距離が大きくなる。


《無限の可能性》

自身が持つスキル、称号によりまだ誰も見たことがない新たな種に進化することができるようになる。


【始まりの飛剣師】

剣を分解し、飛ばす、そんな馬鹿げたことに挑戦し、見事成し遂げた者。


【犠牲者】

犠牲者。

それ以上でもそれ以下でもない。ただ巻き込まれただけ。



 …なるほど。


「リール。この剣は分解出来ますか?」

「こ、この黒い剣か?やってみる」


 黒剣に魔力が流れていくが、弾かれている感じがあるな。…分解は魔力を使ったもの。なら魔力操作覚えさせればもう少しやれること増えるかな?


「無理だ。固すぎる」

「そうですか。こいつが分解出来るなら変な修業しなくてもすぐだったんですけどね」

「しゅ、修業?」

「ええ。リールが自分で持ってる剣で分解してみてくれませんか?」

「わかった」


 腰にある鞘から剣が抜かれ、すぐに刀身がバラバラになる。持ち手だけ残るのか。んーけど、魔力的には繋がってはいるのか。ふむ。


「それはどれくらいの威力が出るんですか?」

「えと、欠片一個一個はかすり傷が出来る程度だ。でも、これ全部で攻撃した時は防ぎようがないから、そこそこの威力はある。はずだ…」

「そうですか」


 使い馴れた剣なら一瞬でばらすことができてそこそこの威力。素の剣術のレベルも百だし弱くはない。剣で戦い少し分解してそれで牽制。これでいけるかもな。


「全部じゃなく、少しだけ分解することはできますか?」

「あ、ああ」

「じゃあ、やってみますか。覇王さん。ここら辺にゴブリンがよく出る場所ありますか?」

「…だいたいどこも同じくらいですよ。あと、その覇王さんて言うの止めてくれませんか?」

「嫌です」

「…」


 だいたい同じくらいか。じゃあ適当に歩いてても遭遇出来るかな。さっきみたいに簡単に見つかるといいんだけど。


「行きましょうか。さっさと終わらせてしまいましょう」

「あ、わかった」

(はぁ…こんな人が強いって世の中可笑しいですねぇ…)

「聞こえてますよ覇王さん。あなたも着いてきてください。あとでいちゃもんつけられると今度こそキレそうなので」

「わかってますよ」


 溜め息つきたいのはこっちなんだよなぁ…。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 ダメだった。良いところまでいったけどダメだった。なぜただのゴブリンに負けるのか。これがわからない。ここらのゴブリンは変に強い訳じゃなく、気配を消すのと身のこなしが多少外より上手いだけだ。ギルグのところにいたゴブリンと比べると弱い。


「う、うぅうぅぅ…」

「敗因は剣術と飛剣の併用が下手すぎたことですか…」


 うん。その通り。剣術は素人目で見てもうまかった。けど飛剣を使った牽制とかがダメダメだった。剣術だけはすごい。飛剣も単体なら強いんだろう。ってか今までどうやって戦ってきたんだよ…。


「今までどうやって戦ってきたんですか?」

「飛剣で攻撃してある程度疲弊させてから剣術でズバッと…」

「あー…」


 なるほどなぁ…。


「まあ、これから出来るようにしてください」

「わ、わかった」

「死にながら覚えましょうか」

「それは嫌だな…」

「どういうことです?」

「ここでは死んでもあの洞窟で復活出来るんですよ」

「へぇ…」


 じゃあ、強いモンスターとぶつけても大丈夫そうだな?それにさっき助けなくてもよかったのか。


「なんか嫌な予感が…」

「では行きましょうか」

「ど、どこへ?」

「気配が一番強いところです」

「え?!」


 何だかんだ言って早くおわるかもなぁ…。





誤字脱字があった場合報告してくれると助かります。では。

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