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一年越しに叶える夢~AWAの世界にて~  作者: 高木橋ユウ
二章 旅の始まり《兄貴のいる国、中央国家パリドスでの騒動》
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指名依頼

ゲーム内ではだいたい三日ぐらいたってます。


「ふぅ……」


 来たな。今日は、そうだ。コーネルに戻るんだったな。

 もう少しここにいて、海のモンスターとかと戦ってみたかったんだけどなぁ。


「っと、グリス?」

「……」


 ん?反応がないな。どこ行った?まだ寝てるのか?机に置いといた食料にも手を出して無いみたいだし。


「がぅ……」


 お?ベットの下から声が……。


「そこにいるのかグリ、ス?」


 そこにいたのは、白い髪の、子供…?


「お前、誰だ…?」

「んがっ、んあ?あ~グレスか~?」

「え?マジで誰?」


 はっ!鑑定!



名前 グリス・ハーフ 状態:人化

種族:成龍Lv15 

HP1600 MP1600

筋力180 防御力180

俊敏76 知力180

運38

スキル

《言語理解》《魔力感知Lv12》《爪Lv16》《牙Lv9》

種族スキル

《龍眼》《飛翔Lv6》《龍魔法Lv2》

特殊スキル

《力》《智》《勇気》

称号

【成龍】【祖龍の血筋】【龍神の加護】【三つのチカラ】



 せ、成龍になってる……!しかも状態:人化って…。


「お前、グリスなのか?」

「んがぁ……」

「寝るなよ……。とりあえず出てこい」

「がぁ」


 って、お前全裸じゃねえか!どうすっかな。あー、とりあえず俺が着てる隠密の外套着せとくか?中は変わらず全裸だけど、それは今から買ってこよう。


「おい、これこれ、着とけ」

「ん?なんでだ?こんなのいらないぞ?」

「お前が裸だからだ」

「……いらない」

「ダメだ。着ておけ」

「やだ」

「着ろ」

「んんん!やだぁ!」


 こいつ…、子供具合が増してやがる…!


「じゃあ龍に戻れ」

「……どうやって戻るかわかんない」

「えぇぇ……」


 まじかこいつ。


「あー、そうかぁでもなぁ、外出るなら服を着ろよ。着ないならお前はここに置いていく」

「えー、ぶー。じゃあ着るぅ」

「よし」


 じゃあ、着るものを先に買って出発だな。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 服を買って着させる時にまたひと悶着あったが、無事出発することが出来た。

 そして発覚した事実が一つ。人化状態のグリスは女の子だった。衝撃である。あんなしゃべり方してたら男だと思うだろうがっ…。名前も男としか思えないし……。はぁ。


「どうしたグレス?なんでため息ついてんだ?」

「……なんでもねえよ。それよりも、なんで肩車?」

「眠い…」

「そうか……」


 答えになってないんだけどな。

 

《おや?》


 !?、ネロ!?


《はい。ネロですが。祖龍の系譜の龍とは珍しいですね。どこで?》


 えっと、卵から。


《卵ですか?》


 そう。コーネルにある卵屋ってところで貰ったんだ。


《そうでしたか》


 夕食の準備は終わったのか?


《あ、そうでした。買い忘れた物があったので行く前に一言言っておこうと思いまして》


 そうだったのか。気をつけて行ってこいよ。


《はい。それでは》


 おう。………行ったか?


「がう…、はぁ~ぅがう」

「おい、寝るな」

「がぅぅぅ……」

「おい、おいって」


 くそ、完全に寝やがった。頭に顔乗っけて寝てるから派手に動けないな。

 あ、でも転移魔法使えばいいのか。そうすれば一瞬だもんな。そうと決まれば、えーと、どうやってやればいいんだ?今気づいたけど俺、一人で魔法使ったこと無いんだよな。う~ん、別に急いでる訳でもないんだよなぁ。普通に歩いて行くか。魔法は今度ネロに教わろう。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「通ってよし!」

「うす」


 なぜか門で検問にあったけど、コーネルに入る事が出来た。

 グリスの身分証明する物がなかったけど、Sクラスってことで何とかなった。…Sクラスだからってそんな簡単にやっていいものなんだろうか。まあ、助かったんだけど。

 さて、組合に行くか。







「あ、支部長ー!来ましたよーー!!!」

「わかった!!!」


 少し間を置いてローガンの声が聞こえる。


「グレス様こちらへ」


 様て…、前はそんな呼び方じゃなかったじゃん。


「あれが…」「上の子誰?」「弱そう」「魔抜け…?」「Sクラスの…」「グレス様よ!」


 なんか色々言われてるし…。俺が来てない間に何があったし。






「おお!来ましたな!」

「ああ、まあな」

「どうぞ座って下され」

「おう。で、指名依頼の内容は?」


 まずはそこでしょ。


「ええ、そうでしたな。依頼内容ですが、『手合わせ願おう』というものでして」

「手合わせ…?誰と?」

「ウルですじゃ」

「誰?」

「この国の騎士団長ですじゃ」

「騎士団長…」


 なんで俺なんかと?


「どこで?」

「…城で?」

「何故疑問系?」

「どこでなんて聞いとらんかった」

「おい」

「ははは。申し訳ないのう」


 え?これ城に行けばいいのか?


「とりあえず受けるけど、城に行けばいいのか?」

「ええ、そうですな。とりあえず城に行って下され。こちらから話を通しておくからの」

「わかった」

「ところで…」

「ん?」

「その子供はいったい?」

「あ」


 そういえばグリスいたわ。ずっと寝てるから忘れてた。


「えっと、こいつはグリスって言って俺の、んー、親戚?かな?」

「親戚、ですかな?」

「ああ、そういうこと」


 卵から生まれたやつは孵したやつを親にするとかいう説明があったはずだし。


「じゃ、そういうことで」

「あ、ちょいとまっ━」


 城に行ってみようか。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「待てぇい!」「ここから先は王の城であるぞ!」

「「誰の許可で入ろうとしている!!」」

「うぇ、えっとー……」


 城の前にいた二人の兵が槍をクロスさせながらそう言う。

 城に入ろうとしたらこれだよ。まあ、当然なんだけど。


「一応Sクラスなんだけど……」

「名を名乗れぇい!」「貴様のようなSクラスは見たことないぞ!」

「グレス・ハーフだ」

「グレス?!」「ハーフだと?!」

「ぅぇ、そう言ってるだろ」


 いちいち声がでかいんだよなぁ。


「「失礼しました!!!」」


 今度は何?!


「どうぞ!」「お入りください!」


 姿勢を正しそう言う。


「えっと、いいのか?」

「問題ありません!」「王より許可がでております!」


 王様から?褒賞を後で貰いに来るって言ったやつのせいかな?今回は別件なんだけど…。まあ、遠慮なく入らせてもらいますか。あ、そうだ。


「なあ」

「はい!なんでしょうか?」

「騎士団長ってどこにいるかわかる?」

「団長ですか?」「団長なら今謁見の間にて王と話をしているはずです!」

「そうか。ありがとう」

「いえ!」「これも仕事です!」


 謁見の間か。俺が落ちたのもたぶん謁見の間だよな?あの穴どうなったのかな…。修理費位出した方が良かったかな?……それを褒賞にしてもらうか?う~ん、我ながらなかなかの考えのような……。







 豪華で巨大な扉の前まで来た。この先が謁見の間らしい。道中すれ違ったメイドさんに聞いた。

 よし、入るか。


「━して、彼の者に依頼を出したと聞いたが?」

「はっ。直近の報告からどれ程の腕前なのか気になり、勝手ながら依頼いたしました。そして先程ローガンより、こちらに向かったという報が届きました。じきに来るかと」

「…ふむ、そうか。……ん?」


 あ、王様俺に気づいた。


「どうかなさいましたか王よ」

「いや、なんでもないぞ」

「そうですか」


 ん?王様が手をちょいちょいと、こっちに来いってことか?じゃあ、気配を薄くして(恐らく)騎士団長の後ろに……、


「…っ!何奴!?」

「うわっとぉ!あぶねぇ」


 振り向き様に剣で払ってくる。マジでスレスレで避けられて良かった。でも、結構薄くしたのに気づくとは、流石だな?


「き、貴殿は…!」

「よっ!あんたが俺に指名依頼寄越した騎士団長だろ?来たぜ?」

「な、なんてことだ……。ここまでとは……」

「ん?」


 なんだこの反応?


「ま、負けた……!」

「へ?」


 え?今なんと?負けた?負けたって言ったの?今のどこでそうなった?!


「がぅ?」


 お前は今起きるんかい!え、え、これ依頼内容的にどうなるんだ?!




誤字脱字があった場合は報告してくれるとうれしいです。

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