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一年越しに叶える夢~AWAの世界にて~  作者: 高木橋ユウ
二章 旅の始まり《兄貴のいる国、中央国家パリドスでの騒動》
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今と昔と精霊と

すみません間違えました。


「グ・ラ・ンー!」

「グランじゃねぇ!」

「じゃあ結城」

「本名はもっとダメだろ!?グレスだよグレス!」

「もう、な~んで名前変えてるの?グレスって女の子のアバターでやる時の名前でしょ~」

「うっせ、今は女なんだよ」

「こういうリアルなゲームで女の子のアバターにするとは思わなかったな~」


 そういうことじゃないんだけどな…、まあいいか。


「まー、ポッポ君追っ払ってくれて助かったよ~」

「本当によかったのか?あれで」

「いいのいいの。うちのギルドあたしに頼りすぎなんだもん。少しはあたしがいなくても戦えるようになってもらわないと。あ、そだ。グレスステータス見してー」

「?別にいいけど…どした突然」

「いやね?あの子さっきは剣二本使ってたでしょ?」

「あれって双剣じゃないのか?」

「違う違う。あれは片手剣を二本装備してただけだから」

「それを双剣って言うんじゃないか?」

「う~んと、そうなんだけど、スキルが違うんだよ。双剣は《双剣術》、片手剣は《剣術》なんだ」

「?なるほど?」

「わかってないなこりゃ…まあいいや。それでね、あの子はいつもは盾と剣を使ってるんだよ。ステータス的には防御力と俊敏を重点的に上げてるの。つまり回避できる盾だねぇ」


 それって需要あるのか?普通にタンクでいいじゃん。ん?それと俺のステータス見ることに関係あんのか?


「なにやってんだって皆に言われてたけど、それで生き残ってるからね…。で、鎧込みで結構な防御力があったあの子を一撃で仕留めたステータスはどんな感じか気になってねー」

「なるほど。別に隠してる訳じゃないしいいぞ」


 そういうことだったか。まあ兄貴達にも見せてるし問題ないよな?


「あ、じゃあお前のも見せろよ。俺他の人のステータスって見たことないんだよ」

「いいよ~。こっちも見せてもらうんだし」

「じゃあ、はい、俺のステータス」

「ありがと、こっちはあたしのステータスねー」


名前 響鬼

種族:鬼人族Lv120  職業:双剣士Lv52 (副職:曲芸士Lv38)

HP12000 MP6000

筋力8000 防御力4500

俊敏9000 知力3000

運600

StP0

スキル

《剣術Lv50》━《双剣術Lv52》《両手利きLv100》《軽業Lv50》━《曲芸Lv38》《回避》

《身体強化Lv100》

《鑑定Lv72》《気配操作》《威圧》《咆哮》《解体》

種族スキル

《黒鬼化》《鬼火》

特殊スキル

《化けの皮》

称号

【黒鬼】【剣鬼】【ギルドマスター】【迷宮攻略者】【進化者】【変装者】


 ……俺よりレベル高いのになんか弱くね?称号も少ないし…。


「な、なにこのステータス……!」


 そりゃあ驚くよな。自分よりレベル低いのにステータス強いんだから……。


「ど、どどど、どうやったらこんなステータスになるの?!そ、それにこの称号の数……!」

「あ~、響矢達がきたら説明するよ」

「わかった。けど、ちゃんと説明してね?」

「おう」


 知り合いに会ったときとか毎回これやんのか……?あ、でも知り合いなんてほぼいないしなぁ…。大丈夫かあ?大丈夫だといいなぁ…。


「へい、そこの二人」

「?」

「誰だよあんた?」


 声をかけてきたのは仮面をつけた男、たぶん男だ。仮面つけてるせいで声が籠ってるし、身体の線を隠すような装備してるからわかんね。


「もしかして結城と響か?」

「てことはお前…」

「響矢?!」

「おお!やっぱりか!言ってた特徴とぴったりだっから、声をかけたんだよ。あ、俺はこっちではリゾットだ」

「リゾット…ぷ」

「リゾット……ぷくく」

「笑うんじゃねえよ!わりと気に入ってんだからさあ!」

「いや、すまん」

「いや、ごめ…ぷぷ」


 リゾットて……あー、なんか食いたくなってきた。こんど作ってみるか。


「えーと、こっちが響鬼で、お前は?いつもの?」

「いや、今回は…」

「今回はグレスなんだって~ぷぷぷ」

「お前なぁ…」

「グレスってお前、女にしたのか?」

「……、そうだよ…悪いか」

「いや、そうじゃねえけど、驚いたなぁ、こんなリアルなゲームで女選ぶとは…」


 お前もか…、ああ!くそ!ここで言えないのがなんとも!リアルにこいつらと会って全部言っちまいてぇなぁ!


「……あーリゾット、その仮面は?」

「あ!これは訳あって外せないんだ。悪いな」

「そうか」

「そーなんだ。琴姉は?まだ来てないんだけど」

「しらん」

「そっかー」


 仮面、かっこいいな。龍のお面はでかいし、あんまり主張しないのがほしい。


「ふふっだーれだっ」


 急に目の前が真っ暗になった。うーん、でもまあ、この状況でこんな事をするやつは一人しかいないだろ。


「こほへぇ」


 琴音と言おうとしたら口を塞がれてしまった。誰だって言うから答えようとしたのに…。


「ああー!もしかして琴姉?!」

「しぃー!本名出てるから。こっちではベルって呼んで」

「じゃあベル姉!」

「…まあそれでいいわ」

「よろしくなベル。俺はリゾットだ」

「ほろほろはらしてふれふぁいか」

「ああ、ごめん。忘れてたわ」


 まじかこいつ。


「ぷはぁ。俺はグレスだ。決してグランではない」

「グランって?」

「知らないならいい。忘れてくれ」

「わかったわ」


 これで皆揃ったな。


「ベルちゃん、この人達が言っていたお友達なの?」

「ええ、そうよ」

「ねえねえ、ベル姉誰と喋ってるの?」

「あ、ごめんね。今精霊と話してたの」

「え!どこどこ?!精霊どこ?」

「普通の人には見えないわよ」


 その精霊とやらがばっちり見えてるんだが?身長は十センチ位か?


「なぁグレス。お前わかるか?俺はぼんやりとそこにいるなぁ、ぐらいしかわかんないんだけど」

「わかるぞ」


 ハッキリクッキリと。


「え、すごいな」


 あ、こっち見た。

 ジーっとこっち見てやがる。そんで目を合わせてやったらサッと目を反らした。コイツ…。


「ベルちゃんベルちゃん!」

「なになにどうしたの?」

「龍がこっち見てるよ!怖い!」

「龍?」


 琴音ことベルはキョロキョロと周りを見渡す。


「龍なんてどこにもいないよ?」

「いるいる!そこにいるもん!」

「ベル姉、たぶんそれグレスのことだと思うよ?」

「え?」


 え?それ言っちゃう?まあ、後から言うつもりだったからいいけど。


「がおー」

「ピュッ!」


 手を上げて威嚇したらさらに怯えてしまった。どうしよう。


「え!?ちょっと?!」

「あっすまん」

「グレス~龍ってどういうことなんだ?」

「グレスは精霊見えるんだよね?どうして?」

「ちょっとグレス、この子怯えちゃってるんだけどどうしてくれんのよ」

「えっとー……」



 それから洗いざらい全部話した。なんで龍なのか、なんで見えるのか、精霊ちゃんにも謝罪した、ステータスも見せたし、称号のことも話した。そしたら解放してくれた。


 これからはもっと龍の気配を薄められるように頑張ろうと思った。


「ベルちゃんのお友達だから許してあげる」

「アリガトウゴザイマス」


 助かった。この子を始まりとして他の精霊に俺が怖いやつだって広まらなくてよかった。そのせいで龍の印象が悪くなったら嫌だしな。


「さて、これからどうしよっか?」

「とりあえず近くのダンジョンにでも行く?」

「「う~ん…」」

「じゃあ家来る?」

「「「えっ?」」」


 家?こいつ家もってんの?てかこのゲーム家まで買えるのかよ。


「行きたい行きたい!ベル姉のお家!」

「俺も行ってみたいな」

「俺も行きたい」

「ふふふ、わかったわ。近くにあるし早速いこうか」

「てことはベルはコーネルに住んでるってことか?」

「そうよ。元々はリンリルに居たんだけどここが気に入っちゃってね」


 リンリル?後でネロに聞こう。


「へぇ~、あそこには何回か行ってるけど緑が多くて良いところだったと思うけど、ここのどこが気に入ったんだ?」

「ここは色んな種族の人がいて面白いのよ。向こうは森人族がほとんどでつまんなかったのよ。まあでも、この子とは向こうで出会ったんだけどね」

「えへへ」


 森人族がいっぱいってことはその場所が森人族の初期地点なのかな?


「あ、ここを曲がったら直ぐよ」

「お」


 結構教会に近い所にあるんだな。


「さ、入って。ここが私の家よ」


 曲がった先にあったのは、少し開けた場所に建っている小さな一戸建て住宅だった。


響鬼のステータスはかなり強い部類です。グレスが異常なだけです。

リゾットはある事をやっているため顔を出せません。その内ばれるので気長にお待ちください。

精霊ちゃんには名前もあるし、種族名もあります。

ベルは今まで稼いだお金のほとんどをこの家につぎ込んでいます。

ついでに言いますが、誤字脱字があった場合報告してくれると嬉しいです。

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