続・リアルの話
さて、ぶじ学校内に入ることはできたけど、さっきよりも周りの視線が凄い。
話し掛けてみたい。けど、恥ずかしい的な感じの雰囲気が蔓延してる気がする。
「ちょっとあなた」
こんな状況でも気にせず話し掛けてくるやつとは……。
あーこいつか。なら気にしないわ。
「なんすか。生徒会長」
「え、私を知ってるの?」
「そりゃあもちろん。ここの生徒ですから」
知らねぇ訳無いだろ幼馴染みだぞ。
「それじゃこれで」
「あ、ちょっと」
今は正体をばらさない。後でだ。ふふふ……。
『結城様。今の方は?』
「ん、俺の幼馴染みで生徒会長の涼宮琴音だ。一年経っても何も変わってなかったな」
『結城様の幼馴染み……』
他にもいるけどね。幼馴染み。
この後はクラスに行ってるか。別に職員室によれなんて言われてないしな。
「ここか」
確か窓際の一番後ろだったかな。ずっといないから目立つ所に置きたくなかったんだろ。きっと。
それにしても、夏休み明け初日だからって誰もいないのは凄いな。
「む」
何故机の上に花瓶が……。しかも生けられてる花がまだ元気だな。…………俺はまだ死んで無いけど!?
少し腹立つけどロッカーの上に置いておこう。
………始業式まで時間あるし寝るか。
「ネロ。少し寝るから誰か来たら起こして」
「わかりました」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「結城様。起きてください。団体です」
「んむぅ……。ふぁ~……。団体、とは」
教室に入るための二つのドアに人が一杯…。
「こわっ」
「こっちのセリフじゃボケ!誰だお前!?」
「黙れ猿。うるさいぞ」
「猿って言うな!って、なんでそのあだ名知ってるんだ?!」
「キーキーわめくな。先生が来たら説明してくれるだろ。とりあえず中入ったら?」
ったく。一年経っても変わらねえな猿山は。
『結城様よろしいのですか?』
『大丈夫。先生がどうにかしてくれる。はずっ!』
『どこからくる自身ですかそれ……』
隣の花島も若干引きぎみだけどね……。
「そんなに引くな花島」
「ひっ、な、なんでわた、私のな、なな名前を知ってるんですか?」
「おいおい、びびりりすぎだろ」
「ピュゥ……」
あ、気絶した。
「ネロ、先生来たら起こしてあげて」
「……わかりました」
先生がくるまで静かにしていよう。
「おいー。みんなおはよ~」
やっと来たか。先生も変わってないな。
「ん?おお~神城。職員室に連絡なかったから休みかと思ったぞ」
「職員室連絡いるなら前もって言っておいて欲しいんですけど!」
「お?すまん。忘れてた。許して?」
「嫌です」
「えー」
「せ、先生!神城って神城結城のことですか?!」
「おう、そうだ。神城から説明されて無いのか?」
『されてないです!!!』
「ジー」
目を反らす。
「あー、おいこら。神城こっち来い」
「嫌です」
「来い」
「……はい」
「よし。説明してやれ」
くっそめんどくせぇ……。鏡先生許すマジ。
「あー、神城結城です。初めましての人も一人いるけどお久し振りです。ぶじ……じゃ無いけど復帰しました。髪は気にしないでください、只の後遺症なので。……こんなんでいいっすかね?」
「まあいいか。皆聞きたいことがあるだろうけど、そろそろ始業式だ。後で質問タイムを設けるからその時にやってくれ」
質問タイムとか……。今日は帰るの遅くなりそうだな~。
一時間後無事始業式終了。
校長先生のありがたーい話を半分寝ながら聞いてたら始業式終わってた。…この後は質問地獄が待っているのか………。はぁ。
覚悟を決めろ。……よし。
「はーいじゃあ始業式終わったんでホームルーム初めるぞー。と言っても明日の予定の確認と課題の回収だ~。学級委員よろしくー」
「「はい」」
課題、貰って無いな。
「あ、神城の分はないから飛ばしていいぞー」
「あ、はーい」
学級委員は猪木勇士と佐伯加奈の二人か……。
「終わったかー。んじゃ明日の予定だけどな、夏休み前に配ったプリント通りだ。明日からは普通に授業がある。神城は後で職員室よれ渡す物がある」
「はーい」
「そんじゃお楽しみの質問タイムだ。神城は前来い」
「うへぇ……」
地獄の質問タイム、だが!覚悟は出来ている!!ドンと来いや!
「質問があるやつは手上げろぉ。適当に指名すっから~」
先生が指名するのかよ。つってもあんまり手上がらないな。
「ん~じゃあ、笹野」
「うい。じゃあ神城、お前いつ目え覚めたんだ?」
「夏休み前日」
「ピッタリ一年寝てんのかよ…」
「そうだよ」
自分でもびっくりさ。
「じゃ次、お、じゃあ神木」
「あ、はい」
お、初めましての人だ。
「私は神木苗という者です。えと、去年の夏休み明けからここに転校して来ました。なのであなたの事は何一つ知らないので自己紹介してくれませんか?」
質問か?それ。先生いいんすか?チラッ。
「グッ」
グッって指たててんじゃねえよいいのかよおい。
「あー、先生もそれはOKみたいなんで自己紹介やります」
仕方ない。
「神城結城、去年の夏休み前日交通事故に会い仮死状態へ。一ヶ月前の夏休み前日に目が覚めた。誕生日は五月の双子座。なので今は十八です。髪が白いのは事故った後の治療のせい。あ、あと元男の女です」
「えっ?」
「女です」キリッ
『ええぇぇぇ~~~!!?』
おーおー驚いてるねぇクラス全体が。って先生まで驚いてる!?
「そ、その体で女の子なんですか?!」
神木が俺の胸を見ている…。ついでにズボン。制服は男用だからね。
「そうだ。胸はない。確かめるか?」
「い、いえ。いいです」
「そうか」
「ん、んーでは次だな」
ばっ!っと一斉に手が上がったな。
「ん~面倒だな……、順次質問していいぞ」
「んじゃ俺!お前元々男だよな?」
「そうだな」
「本当に女になってんのか?」
「揉むか?」
「い、いや。それはいい……」
「じゃあ次は私!━━」
この後も色々質問された。一回だけ女子に胸を揉まれ一様下も確認された。これで本当に女であることが証明されたのである。あ、後小型ネロについても質問されたな。バトルは受け付けてるかって。ネロに確認を取った所問題無いそうで、放課後に一戦することになった。……武装も何もないのに戦えるの?て言うか早く帰ってAWAしたいんだが?
「んじゃ、これで終わりだな~。よしお前ら、時間まで好きにしていいぞ~」
ぞろぞろぞろ、と周りに集まって来たね皆。
「なんだ?」
「バトル!やるんだろ?」
「あ~」
マジでやるんですか?
「ここでやっても大丈夫なのか?」
「先生やっても良いっすよね!」
「んーまあいいか。良いぞ~」
「よしっ決まり!」
「あーどうやるんだ?」
「あれ、やったこと無いのか?」
「ああ。こいつは今日初めて見た」
「?まあいいか。スマホ持ってるよな?専用のアプリ入れれば直ぐだから」
そこからは簡単。スマホに専用アプリを入れて、近くの机を合わせて少し広いスペースを作って、アプリを起動。起動したスマホ二台を離して置きその上にプラモ…ネロと佐々木(対戦を申し込んできたやつ)の機体をおいて戦闘開始の合図をする…と。
「合図ってのは?」
「なんでも良いんだけど大体はバトル、で始めてるな」
「じゃあそれで」
「よし。いくぞ」
「「バトル!」」
瞬間、スマホの画面が輝きスマホとスマホを繋ぐように四角いフィールドが展開された。
HAHA、気づいたらプラモバトルが始まっていたよ。
……すいません。書きたくなったんです許してください。
ちなみに先生は女性で、名前は鏡茜です。




