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一年越しに叶える夢~AWAの世界にて~  作者: 高木橋ユウ
二章 旅の始まり《兄貴のいる国、中央国家パリドスでの騒動》
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うまくいかないあれやこれ


 炎龍を倒した直後のアース達の会話。


「なぁ、誰か付与魔法使ったよな」

「確かに」

「シルクが使ったのか?」

「使ってない。そもそもあんな高価なスクロールは買えない」

「じゃあ誰が」

「……あそこにいるだろ。一人可能性のある奴が」


 ピッツが指を指した方向に皆顔を向ける。そこにいたのはグレスだ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 んー、付与魔法強いな。そこそこ苦戦してた炎龍相手に一瞬で決着が着いちまった。……そういえば兄貴達ってレベル百越えてるんだよな?なのになんでレベルが下の炎龍に苦戦してたんだ?


《それは相手が龍、上位龍だったからです。基本的に龍はそのレベルよりも三十は上のステータスを持っていると考えた方がいいです》


 つまりはレベル一でレベル三十のステータスがあるってことか?


《はい》


 チートかよ。


《マスターが言えた立場じゃありませんよ》


 えー。


「おーいグレスーちょっとこっちこーい」

「ん?」


 炎龍倒してから少し話しあってたみたいだったけど終わったのかな?


「なんだー?」

「付与魔法使ったのはお前か?」

「そうだけど、何?」

「どこで付与魔法のスクロールを手に入れた!?」

「スクロールじゃないよ」

「え?」

「この前読んだ本で習得したんだ。たぶんだけど」


 スキルのところに《全魔法》ってあったからもしかして、と思ってネロに聞いただけだけど。


「な、何?それは本当か?」

「うん」

「俺達でも習得できるものなのか?」

「出来ると思うよ。俺が使った後に鑑定結果が変わって誰でも一度は使えるって説明になってたから」


 名前は魔法大全のまま変わってなかったから大丈夫なはず。


「おお、なら!」

「ああ、本は返すよ。元々そっちの物だし。それよりもどうする?俺はもう少ししたらログアウトしようと思うんだけど」

「あーどうする皆。これ以上先の階層に行くとなるともう少し準備してからの方がいいと思うんだけど」

「いえ、これ以上は進まなくていいでしょう。行くならその本で付与魔法を覚えてからの方がいいかと」

「それに今回で手に入れた竜の素材を売って装備を強化したいし」

「その方がいい」

「だ、そうだ。こっから地上までは階段付近にある転移結晶でいけるからここで解散だな」

「兄貴、それに皆。今回は誘ってくれてありがとな」

「気にすんなって」

「そっスよ~久しぶりに会えて嬉しかったッスからね~」

「またね」

「まあまあ、おもしろかったな。それじゃあまた」

「おう。元気でな」


《マスター。何故お兄様方と一緒にいかないのですか?》


 ん?いやちょっと暴れ足りなくてさ、ずっと見てるだけだったろ?だから一階層分だけ下に行こうかなって。


《そうですか。では今日の夕食は私に任せてくれませんか?》


 え、どうした急に。


《これからは買い物など食事の用意等は私がやりますよ。そのための体です》


 いや、助かるけどさ。いいの?


《はい。問題ありません》


 そうか。じゃあ任せるよ。


《かしこまりました》


 かしこまりましたって……。まぁいいか。行こう。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 二十階層でフロアボスの炎龍を倒した一行はグレスを残し解散した。

 そしてグレスは二十一階層へ続く階段を降りていた。

 二十一階層への階段の踊り場には大きな結晶が埋め込まれており、これがアースの言っていた転移結晶である。


 二十一階層もこれまでの階層と変わらず土の壁でできているが、モンスターのレベルが九十を越えている。だが、それでもグレスが拳を振るえば塵になっていた。

 まあそれも当然である。現在のグレスのレベルは百、本来龍のステータスはレベル+三十のステータスになりグレスは龍人。必然的にそのステータスも影響を受けている。さらに称号の効果でさらにステータスが上がっているのでレベル差があるとほぼ勝つことはできないのだ。

 しかも中身はプレイヤー、リアルの技術も加えるとステータスだけでは覆せない壁といえるようなものができているのだ。


「やっぱり一発か……。どんなに力抜いてもかするだけでそこが消し飛ぶしな……」


 それもそのはず、龍は身体中に魔力が流れ、それが無意識てきに身体強化の魔法を使っているのだから。それをどうにかするには意図的に魔力を抑え込むか、魔力を放出し空にするかの二つしか方法はない。


「全然スッキリしない……」


 完全にヤバイ奴発言である。


「こう…力を抜くとは別のことをすれば……例えば…………、魔力?………やってみるか」


 瞬間。周囲に濃密な魔力の波が広がる。

 その影響で洞窟の土壁がひび割れ土煙が舞う。


「体が重い…。これならいけるか?」


 そして、この階層にいた竜、亜竜はその濃密に龍の気配のする魔力に恐れをなし、ある者は気絶し、ある者はその魔力から逃げるように動き、またある者はショック死した。


 その後グレスがこの階層をみてまわったがモンスターと遭遇することはなかった。仕方なく地上に戻りギャラルガで宿をとりログアウトしていった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「はぁ」


 なんでモンスターが急にいなくなったんだ?……そういえば魔力(MP)全部吐き出した辺りから急にモンスターの気配無くなってたような…俺のせいなのか?うーん……。


「おや、結城様戻っていたのですね」

「ああ、まあね」

「随分と早いお帰りですが何かあったんですか?」

「いやね、途中からモンスターがいなくってさ。仕方ないから戻ってきた」

「結城様が何かしたんじゃ無いですか?」

「んーやったのは魔力を全部吐き出すくらいかな~」

「それが原因ですね」

「え?」

「龍の魔力ですので下手すれば触れただけで死にます」

「えぇぇ!」

「以後気をつけてください」

「はい」


 そうなると他にどうにかして力の調節を……、うーん。


「結城様、夕食の準備はまだできていないのでしばらくお待ちください」

「ああわかった」

「待っている間に掲示板でも見てみてはどうですか?」

「あー考えとく」

「わかりました。それでは夕食ができしだいお呼びします」


 そう言ってネロは部屋を出ていった。


 掲示板か……。昔からそういうのはガッツリ見たりしなかったんだよな……。明日の用意が特にあるわけじゃないし、掲示板見てみるか。


次回は掲示板回になるかも?

作者がそういうの書いたこと無いから至らぬ点もあると思いますが、『これがAWAの掲示板なんだ』と思っていただけると嬉しいです。それではまた。

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