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一年越しに叶える夢~AWAの世界にて~  作者: 高木橋ユウ
二章 旅の始まり《兄貴のいる国、中央国家パリドスでの騒動》
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逃げとリアルと牢屋

久し振りの投稿


 受付嬢さん行っちゃったしどうしよう…。あ!逃げるか!


《それはおすすめしませんがマスターが逃げたいのであればどうぞ》


 よし逃げよう。面倒くさいのは嫌だ。絶対白い龍を討伐してこいとか言われるし、さっさと逃げよう。


~~~~~~~~~


「本当なんですって!信じてくださいよ~!支部長~!本当にいたんですってば~!」

「う~んじゃがの~そんな名前のSクラスは聞いたこと無いしの~」

「支部長!上位龍の討伐はどうするんだ!?」

「ちょっと待っとれい。重要な話をしとるところじゃ」

「んなこと言っても、こっちも重要だろ!?」


 組合内は混沌としていた。突如現れたSクラスを名乗る人物、二体の上位龍、双方の情報が組合内を駆け巡っていた。

 そして、その組合に入ってくる男女が……。


「支部長~龍とってきましたよ~って、なんだこの状況…」

「なんか暑い……」


 入って来た二人はそれぞれ剣と杖を持っていた。そしてどちらもまだまだ子どもの範囲内の容姿をしている。


「ん?おお!おい皆!ルキとアルが帰って来たぞ!!」

「マジか!」「早っ!」「これで問題のひとつは解決だな!」

「お~ずいぶんと早かったのぅ~」

「あ、支部長それがさ、あの龍少し弱ってたんだよね。だからこんなに早く帰ってこれたんだ」

「む、そうか。まあよいよい面倒な依頼をやってくれたことに代わりはないわい。ゆっくり休めよ~」

「うぃーっす」

「おじいちゃんまたね」

「うむ」


 二人は上位龍の討伐が成功したことを支部長と言われる老人に報告し終わると直ぐに組合を出ていった。


「残るは南とSクラス保有者か……。うーむ、とりあえず南は放置じゃ。あそこに何かあってもこちらにくる被害はほぼない。Sクラス保有者は次ここに来たときはなにがなんでも引き留めるように。みな、わかったな?」

「「おう!」」


「さて、シェリル、奴さんどんな容姿をしていたか教えてくれるか?」

「もちろんです!えーと確かぁ……」

「……にしても『ハーフ』…か」

「ちょっと支部長、聞いてますか~?」

「聞いとるぞい。話を続けるんじゃ」


~~~~~~~~~


 組合から出てきたはいいけどこれからどうすっかな~。


《現リアルタイム23時24分です。ログアウトした方がよろしいのではないですか?》


 もうそんな時間か、うん、ログアウトしよう。

 じゃまたな。


《はい。マスター》


 ほいほい~。


~~~~~~~~~


「ふい~……」


 さて、寝るか。







『ピピッピピッ』

「ん~、ふぁ~……朝だ…な」

『おはようございます。マスター』

「は~い、おはよう~……て、ん?今の誰だ?」

『私です。賢者です』

「あ、賢者か~……なんでいんだ!?」


 少し寝ぼけてたのに完全に目が覚めたんだけど。


『ゲームとマスターのスマホは繋がっていますのでいつでもこちらにくることが出来ます』

「それってできることなのか?」

『私は他のAIとは出生から違いますからね。多少の無理は出来ます。のでこちらでもよろしくお願いいたします』

「ん~、まあいいか。朝飯作ってくる」

『行ってらっしゃいませ』

「ほいほい~」


 う~んなんか凄いことになってきたな。



「おはよー結城~」

「おはよう母さん。朝飯できてるよ。父さんは?」


 現時刻午前7時。

 今日の朝飯はご飯に味噌汁、それだけではダメだと思ったので玉子焼きである。


「いつもありがとね。お父さんはもうすぐ来ると思うわ」

「そうか」


 うむ、いつも通りだな。


「おはよ~」

「おはよう父さん。もう母さんは食べ始めてるよ」

「マジか、早くしないと」

「朝ぐらいゆっくりすればいいのに」

「すまんな~」

「いいよ。もう慣れた」


 今は俺が家の家事を全てやっているが、昔は違ったんだよなぁ…。俺が中学に入学してからだから…もう五年、いや、まだ五年なのか?


「あ、そうだ。結城、明日で夏休みも終わりだけど、大丈夫なのか?」

「何が?」

「何がって…はぁ」

「まあまあお父さん、この子昔からこういうところあったでしょ」

「?」


 何のことなんだ?


「まあよくわからないけど大丈夫だと思うよ。んで、飯食い終わったら片付けてきて」

「ごちそうさま、お父さん早く」

「ぬーん…いったい誰に似たんだ…」

「お父さん早く~仕事に遅れますよ~」

「はいはいわかりましたよ…」

「結城行ってくるね~」

「行ってらっしゃ~い」


 さて、ちゃっちゃと片付けてログインしよう。




《マスター》


 なんでしょーかっ。


《マスター?》


 はいはいなんでしょーか?


《えっとすみません》


 何が?


《いえその……》


 いや、うん。大丈夫だよ…たぶん。


 たとえここが牢屋の中でも。

 

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