旅のお供?と面倒事の話
さて、組合に行くと言ってもどこにあるかわからないんだよな。
《この道をまっすぐ進み大通りに出れば直ぐ見つけられるでしょう》
……。
《申し遅れました。私は【賢者】をサポートする存在です。お久しぶりですね?神城結城様》
俺を知ってるのか?
《おや?お忘れですか?》
忘れたもなにも知らないと思うけど?
《ふむ。この際どうでもいいでしょう。早く組合に向かいましょう》
う~んまあそうだな。さっさと行こう。
やっと着いたか……。はぁ、無駄に疲れた。
《本当に私のこと覚えていないのですか?》
お前なぁ……さっきから言ってるだろ知らないって。お前もどうでもいいって言ってたじゃねーか。
《では、『PRO』という名前に聞き覚えは?》
しつこいな、……PRO…PartnerRearOnnrainn…か?
《こちらは知っておいでですか》
だからなんだってんだ、あのゲームについては思い出したくないんだよ。
《そうですか》
………。
さて、組合に来たはいいが何をしようか。内装はあの街と変わらないし、味気ないな。
適当に依頼でも受けるか。
#南の草原に異変が起きている。誰か調査してくれ
報酬一万G
#最近東の森で見つかった遺跡を一緒に調査してくれないか?
注 東の森に龍出現につき報酬が上がっております
報酬二千G→七千G
#港街ガハルまでの護衛求む。ラティス商会
報酬二万G
余ってる依頼はこんくらいか。
《マスター》
マスター?
《はい。これからはマスターと呼びます。早速ですが依頼を受ける前に職業の変更を勧めます》
それは何でだ?
《これ以上職業:旅人は成長しません。ですので新しく追加された職業に就くことを勧めます》
追加された?
《はい。条件を満たしたため解放された職業がいくつかあります》
そうか。なら変えてもいいか。となれば…、受付の人に聞くか。
「すいません。転職する部屋って使っても大丈夫ですか?」
「どうぞ、ご自由にお使いください」
「ありがとうございます」
さっさと済ますか。
ガチャ
やっぱりこの部屋もあっちと変わらないんだな。んじゃあ早速…。
転職可能職
・冒険者、龍闘士、鑑定士、テイマー、魔法使い(回復、龍)、暗殺者
・**、無色の魔法使い、賢者
・ゴブリンスレイヤー
うわー結構増えてるかな?確か上から、通常職、ユニークだったかな?一番下のこれは?
《特殊職です。極限られた条件を満たした場合にのみ解放される職業です》
そうか。まあ選ぶ気はないが。
適当に……旅人と賢者を入れ替えればいいか。
《それが良いでしょう。それと、後でステータスの確認をしてください。色々と整理しておいたので》
お?わかった。
『ユニーク職業:賢者が選択されました』
あれ?何か習得したとかないのか。じゃあ、適当に依頼受けますか~。
ガチャ
ざわざわ
ん?なんかざわついてないか?
「おい!迷いの森に龍が出たってのは本当なのか?!」
「本当だよ!俺はこの目で見たんだ!白い龍が現れるのを!」
「それが本当だったら東に続いて二体目の上位龍になるぞ?」
「今、支部長を呼びに行ってますので少々お待ちください!」
あれ?この白い龍って俺じゃね?…見られてたのか!?
《あの冒険者の言い方から推測するに見られたのは龍の姿だけかと》
そうだといいんだけど…。
「今この街にいるSクラスは東の上位龍を討伐しに行ってるんだよな?」
「ああ、確かそうだったはずだ」
「ヤバイんじゃね?」
「ヤバイな~」
「どうすんだよ!」
「でも迷いの森だろ?だから大丈夫だと思うんだけど…」
「う~ん」
でも俺はここにいるんだし問題ないな。
《……》
どの依頼にしようか?さっきと依頼の数変わってないしな。
「あ、そこのあなた!」
「ん?」
受付嬢さんがこっちに向かって声をかけてくる。
「そこの白髪のあなたです!」
「あ、俺?」
「ですです!依頼を受けるのなら先にこちらでクラスを言ってからにしてください!」
「わかりました」
あっちの街ではそんなことしなかったんだけどな~。
「今上位龍が出てばたばたしてるからなんですけどね~。まず、名前を教えてください!ちなみに私はシェリルです!」
「は、はい…」
この人テンション高いな。
「えーと、グレス・ハーフです。クラスはSです」
「そうですか~Sですか~ってえぇぇぇぇ!ちょ、ちょっと、し…支部長~!大変ですよ~!」
うわっ、凄い勢いで奥に行ってしまった…。どうしよう……面倒くさいことにならないよな?
《ほぼ確実に面倒事になるでしょう。自業自得なのでは?》
……。言葉が出ない。
Q賢者さんはもっと軽い奴だったのにどうしてこうなったんだ?
Aお前がこっちのが面白いってやったんだろいい加減にしろ
…はい
はいじゃないが
グスン




