プロローグ2
気がついた時に始めに目に入ってきたのは、白い天井だった。
「知らない天井だ……!」
驚いたのは自分の声。前より高くなっていたからだ。喉を触ろうと、腕を動かそうとしたが、腕は重く持ち上げることが出来なかったが、しばらく指を動かしたりしていると、だんだんと動くようになっていった。
そして、喉を触ってみると喉仏がなくなっていた。そこで、腕を目の前に持って来てよく見ると、肌が前より若干白くなり綺麗になっていた。そのまま腕を頭まで持って来て髪を触ってみるとこちらは、硬い髪では無く、滑らかに指を動かせるような柔らかい髪になっていた。
そんなことをしていると、スーっと扉が動き誰かが部屋に入ってきて……目があった。
「・・・!お、起きてる?」
コクコク(無言の首肯)
「おお‼やっとか!早く先生に連絡入れないと。君ちょっと待っててね」
コクコク
入ってきたのは男で、白衣を着ていた。そして先生と連絡…ここは病院か?何で病院で寝てたんだ?
白衣の男が帰って来たのはそれから一時間後だった。
一時間の間に、部屋を大分動くようになった足で歩きながら見てまわった。
この部屋は個室になっていて普通の病室と同じものが置いてあった。部屋を見てまわった後、最後に窓の外を見ようと思い歩き出した瞬間にスーっと扉が動いて、さっきの男ともう一人、同じく白衣を来た男が入ってきた。
「!君…もう歩けるのかい?」
?どうゆう意味だ?
「え…はい、普通に歩けますけど」
「これは驚いた。すごいですね!先生」
「ああ、確かにな。君自分の名前はわかるかな?」
「…神城結城です」
「ふむ…とりあえず座って話そう」
そこからの話は、どうして俺が病院で寝ていたのか、何があったのかの話だった。
一年前の今日、俺は事故に遭った。すぐに病院に運ばれたらしいが意識が戻らなかった。医者が両親に、もう意識が戻ることは無いだろうと言ったそうなのだが、両親は諦めなかった。どうにかする方法を考え様々なことをしてくれたそうだ。だが、それでもダメだった。
そんなことを続けて半年が過ぎた頃、ある病院から連絡が入った。その内容はVRAR技術をしようした方法ならなんとかなるかもしれないというものだった。ただ、この方法はまだ前例が無く実験的な部分があるのでしっかりと考えてから返事をくれという話だったらしい。両親は悩んだそうだ。けれど、『それでも可能性があるのなら』、この考えに至るまでさほど時間は掛からなかった。
「…っていうのが君がここにいる理由だ。君の両親が決断してから、すぐにここに運び込まれ実験というなの治療が施された。その結果、君は意識を取り戻すことができた。ただ君の体感だと寝て起きた程度だろうけどね」
「だが、この治療法は前列が無かった。つまり、治療した後に何がおこるかわからなかった。……結城君、君は自分の身体がどうなったのか把握しているかね?」
「いえ、わかりません。ただ少しだけ声が高くなっていることと、肌が綺麗になっていること、髪質が変わっていることは確認しています」
「そうか。では、君の身体に何があったのか説明しよう」
「まず、この治療法は脳を活性化させることで脳を目覚めさせそれにより意識を取り戻す、というものなんだけど、君の脳を活性化させたところ異常な反応をした部分があってそれのせいで、君の身体は、その…」
「女の身体になっている。つまり、性転換だ。君は女の子になってしまったんだ」
「そんな…」
一年間も寝てて起きたら女って…
「驚いてる所悪いんだけど、今のところ元に戻る可能性はゼロに近い」
「この先、いろいろあると思うが頑張ってくれ」
「はい……」
そこから先の話は今後のことについてだが両親も交えての話し合いになるからという理由で翌日することになった。
翌日、両親も交えて今後のことを話していたが、一週間ほどで退院できるそうだ。脳の活性化の影響で、ずっと寝たきりだったとは思えないほど、体が動いたからだ。戸籍などのことも話をしたが、病院側が色々と手をまわしてくれるらしい。これで話し合いは終わった。
そして一週間後、俺は退院した。
プロローグは一様終わり。次話からゲームの方に移っていく予定です。