出発と厄介な出会い
目が覚めると机に頭をぶつけていた。どうやら意識を失っていたのは数分程のようだ。
「意識がなくなるって先に言って欲しかった」
《以後気をつけます》
「それならいいよ……って今の誰?!」
《……》
「むしかい!はあ、まあいいや。進化できてるかの確認をしよう」
ステータス
名前 グレス・ハーフ
種族:白龍人Lv100
職業:旅人Lv50Max (副職:龍神の巫女Lv100)
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う~ん、進化はできてるけどrockが外れただけで他の項目に変化ないな。まあその内なんかあるでしょ。さっさとこの街出て兄貴のいる国に行こう。そろそろスマホ確認する度にメールが届いてるのがうざい。
さてと、キャストが北の森からいけって言ってたから来てみたけど、ここってモンスターが強すぎるから近ずくなって組合で言ってた気がするんだよな~。手帳に何か書いてあるかな?…………ふむふむ、なるほど?強いには強いけど個体数が少ないし今の俺なら問題無いから。ってコトだな。
なら問題無い!買っておく必要のあるものもすでに用意したし早速行ってみよう。
歩き初めて早三時間弱「ワオーン!」とか「ギジャーー!」とか「キャーーーーーーーーー!」とか遠くから聞こえてくる。…キャーーーーーーーーー?もしかして人が襲われてるのか?!
声が聞こえた方向に走り出す。然程離れていなかったのかすぐに声のした場所に来ることが出来た。
「グルルルルル」
「くっ!」
そこには熊のようなモンスターとすでに倒れている冒険者風の男女が三人、そして熊の前にボロボロになりながらも立ち続ける男が一人、その後ろで気を失って倒れている女の子が一人いた。そして観察しているうちに、ボロボロの男が倒れた。熊は倒れた男には目もくれず、真っ先に女の子方へ進みだした。
おいおいマジかよ!めんどくせえなぁ!こうなったらいちかばちか“あれ”やって見るか。
「すぅー、はぁー、よし、龍化!」
これは龍魔法だ。俺の中にある龍の血になんかすると龍になれるらしく、今、それを使った。それと同時位に気配操作で俺の気配をそこらじゅうに撒き散らす。そして姿をさらす。
「ナ?!」
少し離れた木の陰から見ていたので変身?は熊に見られてないし、急に出てきてびっくりしているようだ。いや、びっくりしているというより恐れているの方が正しいのかな?
「ナゼコノヨウナトコロニリュウガ!」
「おい、熊」
「ヒェッ!ナ、ナンデゴザイマショウカ?」
「この人族から手を引け」
「ソ、ソレハムリニゴザイマス」
「何故?」
「ソ、ソレハワタシガミツケタエモノデアリ、ミッカブリノショクジダカラデアリマス!」
「ふむ、そうかならば食事が出来れば手を引くのだな?」
「ハ、ハイ、マア」
「ならこれをやろう」
アイテムボックスに入っていた巨大イノシシビックストロボアを熊の前に出す。
「オ、オオ!コレダケアレバシバラクハモチソウダ!ジンゾクナンテチイサイエモノヲネラハナクテモスム!アリガトウゴザイマス!ハクリュウサマ!」
そう言って熊はイノシシを引きずって帰って行った。あのイノシシ修行中に狩った奴で一番でかいからな。
「ふう、疲れた」
龍化を解く。これはかなりの魔力もといMPを使うな。切り札としてとっておこう。それよりも周りの奴らの手当が必要かな。回復魔法をかけて行く。一番下のヒールでも結構回復するな。
しばらくして、みんな起きた。
「はっ!あの熊は?!」
「大丈夫だ。もういねえよ」
「あんたいったい…?」
「あ?俺?俺はお前らの傷を治した者だ」
「傷?」
「そういえば、戦いの傷がない」
「もう大丈夫みたいだな。じゃあな」
「お、おい!名前位教えてくれ!」
無言で立ち去る。悪い気はしたけど鑑定で見させて貰ったからどういう人達なのかわかってる。正直人助けしてる暇はねえしこれ以上関わりたくねえ。なんだよ姫と騎士って、めんどくさそうだなぁ~。
はあ、どれもこれも兄貴のせいだな。うん。会って一発ぶん殴ろう。
俺は先を急いだ。




