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一年越しに叶える夢~AWAの世界にて~  作者: 高木橋ユウ
一章 ゲームの始まりと修行
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修行と言う名の地獄 その2

 修行三週目初日、この日から修行の場所を東の森から西の森に変えて行った。今日からはここで補助系のスキルレベルを上げていく。


 まず最初にやったことは魔力を感じ、操ることからだ。俺は魔力を見ることができたからすぐにできたが、普通の人なら一~二時間は掛かるらしい。これにより《魔力感知》《魔力操作》のスキルを修得した。


「君は本当にすごいね。私は一時間ほど掛かったんだけど…」


 近くで見ていたキャストがぼやく。


「まあいいか。じゃあまず龍魔法を使ってみて。やり方は多分わかると思うけど」

「んーと、こうか?」


 全身を流れる魔力のスピードを上げる。すると力がみなぎってくるように感じる。


《龍魔法のレベルが上がりました》《無詠唱のスキルを獲得しました》


 お、あってたっぽい。ついでに無詠唱も。


「それは龍魔法の基本の身体強化の魔法だね」

「なんでそんなことしってんの?」

「調べた」

「あ、そう」

「次に魔力を最高速度で流して動く」

「最高速度にして、うご…ぐへ!」


 走ろうとしたら盛大に転んだ。それで身体強化の魔法が解けたみたいだ。それに加え全身が痛い。


「ははは、最初はそんな感じだよ。全身が痛いのは魔力で無理矢理全力で動かしたからだよ。その痛みを回復魔法で治しながら動き続ける。MPがゴリゴリ削れるけど気にせずに続けてね。それで二つのスキルを同時にれべリングできるから」

「お、おう」


 この方法でレベルを上げていったら三日目にはどちらも20を越えていた。そして同時にこの方法で強化したままモンスターと戦い格闘術と体術のレベルも上げていった。そのかいあって組合のクラスはAまで上がった。


「まさかこんなに早くAクラスまで上がるとは思わなかったよ。この感じなら来週までかからないかな?」

「じゃあさ、来週までにSクラスまで上がれたらいろいろ教えてくれよ」

「例えば?」

「この世界の国とか」

「君が言うゼロって奴に聞いてないのかい?」

「あいつの情報って古いらしくて当てにならないんだよな~」

「そうなんだ。じゃあ、今書いてる手記に情報書いとくから、修行が終わった時に上げるね」

「お、ありがと」

「まあ、どっちみち修行が終わったら渡そうと思ってたからね。気にしないで」


 二つのスキルレベルもそれなりに上がってきたから、次のスキルだな。


「じゃあ、龍鱗!発動してみて」


 そう言われて、腕に龍鱗がでるようにイメージしながら魔力を集める。すると、両腕に白い鱗が現れた。


「できたみたいだね。多分龍鱗は防御とかに使うものだと思うから、モンスターの攻撃を受けてみたら?」

「そうだな」


 モンスターかここら辺だと人型系が多いからな。そいつらで試そう。


 そうして森の中を進む。すると前方に少し開けた場所が見えてきた。なにやら声も聞こえるな。


「ギギッ!ココラデヤスムゾ!」

「キュウケイダ!」


 木の影に隠れて見てみると、そこには三人の緑色の肌をした人がいた。あれは、確かゴブリンだったか?よくゲームの雑魚敵として出てくるけど、この森のゴブリンは普通に強い。しっかりとした服を来ているし、石で作っ斧や少し錆び付いた鉄の剣を持っている。レベルはだいたい30~40。キャストの話だとこの森のゴブリンが異様に強いらしい。他の地域で出現するゴブリンは本当に雑魚敵なんだそうな。


「キョウノジュンカイモイジョウナシダナ」

「ハヤクカエッテキングにホウコクシヨウ」


 ちなみになぜ会話の内容がわかるのかだが、モンスター言語のスキルのおかげだ。てゆーかキング?今キングって言ったか?


「モウスグドウホウノカズモセンヲコエルトオッシャッテイタ」

「オオ!デハモウスグニンゲンノマチヘノシンリャクカイシスルノカ!」

「ソウラシイ」


 あー、キャストに報告しよう。

 サッとその場を離れ元きた道を進む。



「あ、グレス~どうしたんだい?そんなにあわてて?」

「いやさ、この先でゴブリンの話を聞いてさ。そのなかにキングって言ってたからヤバイかな~と思って報告に戻ってきた」

「キングか~。ゴブリンのキングっていうとゴブリンキングのことかな~。まあでも、グレス君ってただのゴブリンならほぼ一撃で倒せるよね?」

「ああ、うん」

「なら問題ないと思うから、ゴブリンキング討伐してきて」

「え、えぇぇ!」 


~~~~~~~~~


十五日目、

今日から修行の場所を変更して行った。東の森のモンスターはすでに相手にならないからね。それにしても魔力が見えるとあそこまで早く感覚をつかむことができるとは…。彼女は青いのが動いてるのが見えると言っていたな。魔力の色が青いのだろう。私も見てみたいな。


・・・


十八日目、

今日彼女にこの手記を渡すことを約束してしまった。実は渡す予定などなかったのだが……。まあこの際この手記に書いてある情報が彼女の役にたってくれることを願おう。……それにしてもやはりあの戦闘中に成長していく感じどこかで見たことがあるような………?……………………は!いや、でも考え過ぎかな。あの人は自分で男だって言ってたしな~。今度聞いてみようかな。


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