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     プロローグ☆設計図の夢


「レイ、聞こえるかい?」

誰かが呼んでいた。

レイは気がつくと、真っ白な空間にいた。

「誰?」

「私はエニグマ」

「エニグマ?」

「世界の謎」

これは夢なんだろうな、とレイは思った。

それにしては意識がいやにはっきりしている。

「エニグマ、どこにいるの?」

「レイの近くに」

しかし、声以外気配はなかった。

レイはエニグマとはどんな存在なんだろう?と思った。

「私に何の用?」

「設計図を探してほしい」

「設計図?何の設計図?」

「謎の設計図」

「謎の設計図?」

不思議なことをいうと思った。

レイは、不意に寒気を覚えて身震いした。

「必ず見つかる」

声が遠ざかった。

「待って、エニグマ」

レイは一人きりになった。

ぼんやりと薄明かりがレイを包み、冷たい朝が訪れた。

息が白い。

少し苦しくてもがく。

電子音がひっきりなしに鳴っている。

英文字のアルファベットが目前に流れる。

赤から緑へ色が変わる。

レイの呼吸が少しずつ速くなる。

心臓の鼓動がどくどくいっている。

「まさか、私、脱出ポットの中にいるの?」

記憶が一気に戻ってきた。

宇宙船の事故で、乗組員は一人ずつ脱出ポットに乗って宇宙空間へ射出されたはずだ。

救助されるまで、脱出ポットの中でコールドスリープ状態であるはずだ。

しかしレイは、救助が来たとは思わなかった。

私は独りだ。

その予感は的中して、脱出ポットの蓋が開いたとき、レイのそばには誰もいなかった。

「宇宙船の中だわ。私の脱出ポットは射出されなかったんだ・・・」

航行不能の宇宙船の中はかろうじて生存に必要な条件は揃っていた。

レイは、状況を把握しておこうと思い、宇宙船の中を歩き回った。

「どうしてコールドスリープから蘇生させるようになったのかしら?」

疑問がわいた。

外から脱出ポットの操作を誰かがしないと開かないはずなのだ。

「エニグマ?・・・まさか、ね」

ぶるりと身震いする。

「あっ!この脱出ポットの中にも誰かいる!」

空の脱出ポットの群れの中に、人が入っているのを見つけて、レイは歓喜の声をあげた。

私は独りじゃない!

慌てて蘇生装置を起動させる。

結局、レイ以外には二人しか残っていなかった。

それでもその、アランとイーサンがいてくれて、レイは心強さを覚えた。


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