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蛙に相合傘[怜雨]【此処何処】
■ヒロイン9[蛙歌草 怜雨] ■雨の音を聞くことが好き。将来の夢は天気予報士。
朝から一転して、午後は冗談じゃないくらいの量の雨が降り注いでいる。
念には念をと妹に持たされた折り畳み傘を開いていると、手ぶらで平然と玄関を出ようとする生徒を目撃した。
一瞬にして濡れてた。
彼女の右腕を強引に掴み、屋根がある玄関前まで引き戻す。
「ちょ、何してんのお前!」
「大丈夫……。私、雨好きだから」
会話がいまいちかみ合ってない。
「あーもう、ほら持ってけこの傘。俺はいらねえから」
「……それじゃあ、ダメ。貴方が風邪を引いてしまう」
彼女は何やら思案するような仕草をした後、
「傘は貴方が差して、私は貴方を差せばいい」
「俺をっ!?」
絵面がシュールすぎる!
「ダメなら、相合傘、がいい……」
「……分かったよ」
しぶしぶ俺は了解して、彼女の隣に立つ。
「君の名前、なんて――」
と、彼女に訊こうと見下ろした時、俺は気づいてしまった。
雨で濡れた制服、体のライン、透け――、
「やっべぇ……」
「何が大変なの? 狭い? やっぱり私、貴方を……」
「差さなくていいから!」
結果、彼女が俺の後ろに隠れるという謎の配置で相合傘を決行した。逆に人に見られていた気がする。




