表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

【挿絵】無限ループな世界の中で[世界]【歌川】

■ヒロイン3[三千院さんぜんいん 世界せかい] クラスメイトの文学少女。

挿絵(By みてみん)

イラストは天雷様に描いていただいたものです


 黄昏時。二人きりの教室は静かだった。この世界には俺と彼女しかいないんじゃないかってくらいに。

 緩やかに流れる時間の中、世界さんは、読んでいた分厚い本から目を離した。


「あの……一条君。私を助けてくれませんか?」


「え? 助ける?」


「実は私、今日と言う時間に閉じ込められてしまったんです。私が確認しているだけでも、今日が既に614回ループしています。今は615回目です」


「世界さんが……時間ループの被害者?」


 全然信じられなかった。あんた、今日の現国の抜き打ちテストにめっちゃ抗議してたじゃん。しかも真っ先に!


「あ。その顔、嘘だと思ってますね? ですが、私は今から起こることも分かります。今から一分経つと何が起こるか、一条君に予想できますか?」


「いや、まったく分からないよ。何が起こるんだ?」


「今から一分経つと、その時――――六時になります」


 くそッ。尋ねた俺が馬鹿みたいだ!


「そこから更に時間が経つとどうなるか分かりますか。夜になるんです。だからとりあえず今は帰ります」


 世界さんはそうして立ち上がる。


 めちゃくちゃ怖かった。

 なにが怖いって、この電波なやり取りが俺と彼女の初めての会話ってことだ。


「ではさようなら、一条君、また明日です」


 あ! 今「また明日」って言った! おもいっきり言った! ループ設定忘れてる!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ