2話. ピチピチで美人なメイドさんがほしい (切実)
本日2話目です。
赤ん坊だからする事なくてなんとなぁーく過ごしてたらいつの間にか1年もたってたよ。
気づかないうちに言葉もわかるようになっていて、私の名前はルーシー・フォン・ウィリアム......らしい。
そういえば、この世界?というより地域?には四季っぽいのがあるんだけど、日本みたいにハッキリとしたのじゃないから分かりにくい。
確か、極東のにある島国では日本みたいな四季がある......らしい。
ってか日本みたいなじゃなくて日本じゃね?って思ってる。だって、「春はUME《梅》、MOMO《桃》、SAKURA《桜》が咲いていてきれい」だの、「秋はTANABATA《七夕》やMATURI《祭り》を祝う」だのを侍女達が話しているのを聞いた。
季節にずれがあるけど昔の暦だとあってるから、たぶん日本だ。いや、絶対日本だ。
日本があるってことは、たい焼きや大判焼きもある可能性が高い。
────将来絶対日本に行ってやる。
1歳になって二足歩行で歩くことができたのだが、いくつか問題がある。まだ家族を見た事がないのだ。
いつ見ても、メイド服を着たおばさんが世話をするだけで、一回も家族がここへ来たことがないのだ。
─────別に会わなくてもいいから、せめて若くて綺麗な人のメイド服姿にしてほしい。
じゃなくて......家族の仲がわるいのでは?という問題だ。
なぜこれが問題なのかというと、もしこの国に私の好物がなかったら......私はそれを作らなくてはいけない|(使命)
仲が悪かったら、資金を出して貰えないのだ!
これは大問題だと思う。
もうひとつの問題は、髪がのびるのが異常なほど速いのだ。ひと月で2,3センチというレベルではないのだ。1日に2,3センチのびるのだ。
────異常すぎるだろぉぉぉぉおう
本当に邪魔なのだ。
たどたどしいが話せるようにはなったので侍女に聞いてみた事がある。曰く「髪がのびるのが速ければ速いほど魔力が高い」とか「お嬢様は国でトップになれそうな位魔力が高いですね」とか言っていた。
好物を作るのに楽できるのはいいけど本当に鬱陶しい。
まぁ、爪じゃないだけましだけどね。
そんなこんなで、魔法がこの世界にある事や私の魔力が高い事が知れたので、家の図書室にある魔法の書を夜中に盗みだし、内緒で魔法の練習をする事にした。
上手く盗み出せたのはいいのだが.......文字が日本語である。中に書いてある文字がではないのだ。タイトルからすでに日本語なのだ。
ツッコム気もなくなり、そのまま読み進めてみる。どうやら、すごいひとは想像しただけで魔法を発動できるらしい。
とりあえず試してみる事にした。
魔法には、火、水、風、土、光、闇、空間 の属性があり、火が使える人は水が苦手など、法則があるらしい。光や闇が使える人はとても希少で、空間が使える人は今までで2人しかいなかったらしい。
「全部の属性が使えたら嬉しいなぁ」とか考えながら外に出るために風を使って空を飛んで人気のない場所へ行くことにした。
呪文があるらしいが、厨二臭いのでやりたくないので無詠唱に挑戦してみる。足元に大人の下半身sizeの竜巻を作るイメージだ。台風や竜巻は上昇気流を発生させるため、それを利用して空を飛ぼうと考えている。
───ふわっ
上手くできたみたいだ。
私は、そのまま外へ出て森へと向かった。
今日はもう無理かも