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百年過ごした剣士はスローライフに憧れる  作者: うずら
ゆったり生きる、それが大事
5/12

5メイド奮闘記

全くお嬢様はいつも困らせてくれるなー……


親子喧嘩など日常茶飯事のこのご家庭、ラウドラシル家に仕えて早三年になりました。どうもカルネラです。実は本名をカルネ・ラドロシーと言います。ノリと勢いでカルネラと呼ばれることが多く、もうそれで定着しています。諦めましたー……


さってとー……今日も今日とて絶賛家出中のお嬢様を護衛兼警護するのは監視中なのですがー……なんだろう?

お嬢様が誰も当てにせずにまっすぐ森に向かったときは驚いたけど、その後森に入ってからというものかすかに圧迫感を感じる……気がする。感覚的すぎるからあんまり当てには出来ないなー……。それにしても



「お嬢様は度胸の塊だなー……。それとも恐れを知らないのか、後先考えていないだけか……」



なんにせよ、ろくに使えもしない剣をひっさげてどんどん森の中を進んでいる。一応周囲を警戒しているようだけど、視覚ばかりに頼っているようじゃ警戒網も穴だらけだ。現に私には全然気づいていない

屋敷で掃除しているよりはお嬢様を見守っている方がおもしろいけど、ばれないように警護するのはいささか辛気くさいですねー……

いっそのこと姿を現して一緒に遊びたいなー……。おっと一応仕事中でした


ある程度見逃すよう言われてはいますがー……あれはどうしようかなー……



「グオオオ!!」


「は!灰色熊!?き、きしゃー!!」



本来はもっと森の奥の方にいるはずの灰色熊にこんなところで遭遇してしまうとは……。お嬢様も運が悪い……


制約の多い貴族の娘としての生活から囁かな息抜きも必要だろうと、お嬢様のわがまま、とりわけ勝手な行動はある程度見逃すというのがラウドラシル家のやり方です。しかし、若干甘やかしすぎな感じは否めない。ここらで少しお灸を据えるという意味で、ぎりぎりまで様子を見ることにしよう。お嬢様にはもう少ししっかりしてほしい……というのは建前で、慌てふためくお嬢様を堪能しよう


ふふふのふ……あれは威嚇のつもりなのでしょうか?


さてと、そろそろ助けないとバクリといかれそうだ。そう思って行動に移そうとしたその時、直感的に気配をさらに消した。全神経を集中させて身を潜めることに専念した。なにかがやってきた。そのなにかが私の体に足踏みをさせた


嫌な予感が的中したかな……。気配が読めない。いったいあれがなんなのか分からない。ただ人の姿をした別のなにかだと直感した。だからこそ警戒レベルが跳ね上がる。悪意や敵意といったものは感じない、だけど得体が知れない……。しかもこちらに気づいているようで怖い……

それでも



「お嬢様が怖がっていないということは危険がないということ……だね」



お嬢様の人を見る目は神懸かっている。その者が善か悪かを見抜けるのだ。その目だけはラウドラシル家の者全員が認めているほどである。なので少し様子を見ることにする


ああ!?お嬢様がぶっ飛ばされ……あの熊を蹴り飛ばすの!?

わー……圧倒的だなー……。上手いなー…あんなきれいに受け流すなんて。当たったらふつうに死ぬだろうに、あんな澄まし顔で……。

あー…迂闊にもほどがあるなー、うちのお嬢様は



お嬢様としてのこのこ男の家に上がり込むのはちょっと将来が心配ですねー……



でも、見る限り悪い人ではなさそうだから大丈夫そうかなー

おやおや?もしかして私の分なのかな?お呼ばれしても良さそうだし、もう私も上がり込もう。ご馳走になろう


──────────


「それで?のこのこと戻って来たのか」


「おやおや?なぜか怒られそうな流れに……」


「怒ってはおらん………が、呆れておるだけだ……」



絶対怒ってるよこの人……だって私正座させられてるんだもの…


お嬢様をショータローさん宅におきざ……任せて、私はお屋敷に戻ってきた。お嬢様に帰宅する意志がなかったために無理に連れ帰ることもないなと今日は引き上げたわけなのだけど



「素性も知れぬ男の家に置き去りにしてきたなど、ご主人様にどう説明するのだ?奥方にどう説明するのだ?」


「………ですが、お嬢様の様子を見る限りあの男性に危険はないかとー……。お嬢様の見る目は本物じゃないですか……」



「はぁー………。お前は親心というものが分かっとらん……。たとえそうだとしても、子供のことが心配なのだ」



わざとらしいほどに長くため息をつくのは私への当てつけ?私は別に親不孝をしているつもりはないのに



「とにかく…!お前の言うことは確かに一理ある。よって今晩はその男にお嬢様を預けよう。ただし!カルネラよ、明日の朝一番に様子を見に行け…!」


「……えー」



「文句を言うな!それでもメイドなのか!?………全くお前はいつになったら」


「ああもう長い話になるならノーサンキューなんですがー……」



「貴様……!………もうよい。しっかり務めは果たせ。よいな?」


「………はい。ところで朝一番って何時頃ですか?」



「三時頃だ」


「それ夜なんじゃ……」



「阿呆かお前は。お嬢様の恐るべき行動力を侮るな。………なんだその顔は?なにか不満があるのか?カルネラ?」


「………ありません。ありませんともー………エリスさんの仰せのままにー………」



椅子に座ってえらそうにするメイド長様の言うことには逆らえない平メイドの私は過剰労働に身を捧げるのであった……。寝る時間どれくらいあるかなー……


────────────


そもそもの話、お嬢様がさっさと帰ればいい話なんですよねー、引きずってでも連れて帰ろうかな…?………さすがに可哀想ですね。あの子も日々がんばっているし、少々の寝不足ぐらいにはなりましょう。ああ、眠い……


さてとーとりあえずお嬢様にさえ気づかれなければいいや。軽い気持ちで監視しよう


ショータローという男の家を見下ろす。森の中にぽっかりと広場ができており、その中央に立派な一軒家が建てられている。最近引っ越してきたらしいけど、今まで気づかなかったとは。エリスさんも知らなかったようだし



「うー……ちょっとばかし寒いなー……。風も強いしー……」



経験則だが、高い所は風が強い。お嬢様を追跡、監視するためによく木に登っていたからもう慣れはしたけれど……


しばらくすると朝日が昇ってきた。その直後お嬢様が家から出てきた。凄まじい行動力だなーほんと


やけに大荷物を抱えているところを見ると、どうやらショータローさんの私物をパクったようである。強盗じゃないですか、お嬢様……


お嬢様がのろのろと道沿いに歩いていると、軍隊鶏の群に遭遇した。数秒の間お互いに睨み合っていたが、こいつならいけると軍隊鶏達は判断したらしく一斉に襲いかかった。狙いはお嬢様の持つ食料だろう

すぐに放せばいいものを……食料の奪い合いに発展し、四苦八苦の末ボロボロのお嬢様が転がっていた。なんて面白可笑しい人なんだろう。早起きしたかいがあったなー。このままではさすがに可哀想なので、自分がくるまっていた毛布をそっとかけてあげた



おっといけない、ちょっと寝てました

さらにしばらく経ったかな?いつの間にかお嬢様にかけておいた毛布がどこかに消えていた。…………訳ではなくてお嬢様が倒れていた位置が変わっていた。

あんなに寝相悪かったかな?というより広々と寝ているのかな?神経が太すぎる………



すると、若干不機嫌な雰囲気のショータローさんが家から出てきた。すぐに倒れているお嬢様を見つけ、寝ているだけだと分かって非常に呆れていた


────────────

やはりお嬢様を観察するのはおもしろい。もう気づかれずに監視するのはやめよう。近くで見守ろう。こうして奇妙な居候生活を始めたのだが、その過程でやはりショータローさんは悪い人ではないとわかった。お嬢様もよく懐いているし、楽しそうにしている。もはや家出というより友達のお兄さんの家に遊びに来ているようであった。しばらくはこういう息の抜き方もいいだろう


…………はい、調子に乗りました。さすがにお嬢様のわがままを見逃しすぎたようで、エリスさんが乗り込んできた。やばい…!これはまずい…!



「カルネラ…?何をしている…?」



あー…これはお説教コースだなー……


────────────

お屋敷に戻った後、お嬢様は旦那様と奥様に、私はエリスさんに、それぞれお説教コースが待ち受けていた



「申し訳ありませんでした……。遊びすぎました……」



「この阿呆が!お嬢様のささやかな息抜きのためにわがままを見逃しているのだ…!それを程良いタイミングで戒めるのがお前の役目だろう!仕事を忘れて遊ぶなど何をしておるか!」


「はい……申し訳ありませんでした……」



エリスさんにめちゃくちゃ怒られた。怖い顔で凄まれて、身が縮こまる気がした



「……………もうよい。それよりもだ!あのショータローとかいう男はいったい何者じゃ!?」



「正しくはショウタロウと発音するようですが…………え?もう許してくれるんですか?」


「阿呆、お前は減給じゃ…!」



「ぐえー……………」


「うら若き乙女がなんちゅう声を出すんじゃ…!?」



「…………そういうエリスさんこそ、若い見た目とは裏腹に年寄り臭い言葉遣いになってますよ。……素が出てます」


「………と、とにかくだ!いったい何者なのだ!?」



「何者、と言われましてもただ者ではない男の子としか」


「ただ者ではない時点でもっと探らんか!……あの男はまずいぞ!纏っている気配が異常すぎる!わしの生涯の中でもあれほどの化け物に出会ったのは二、三度あったかどうかじゃ!」



「そんなに、ですか…?相当な実力者だとは思ってましたが………」


「それはお前が実力を測り損ねているのじゃ!……お嬢様の目とお前の意見、そして実際に会って感じたことから、あの者は邪悪な存在ではないと判断した。……あの者を敵に回すようなことにならなくて心からほっとしておる」



私の中で無敵認定をしているエリスさんがここまで怯えるなんて、いったいショウタロウさんは何者なのだろうか?



「また素に戻ってますよ」


「……………んんっ!そこでお前に頼みたいことが………嫌な顔をするでない!……お前にはあの男の素性を探ってきて欲しい。出来るだけ情報を集めるのだ。それに最近引っ越してきたのであれば新たに住民登録を行う必要もあるからな」



「……はい、分かりました。では、早速行ってきます。………でも、どうせなら戻る前に済ましてしまえばよかったのに」


「そのつもりではあったがあの男を見て一度引き返すことにしたのだ。このことは慎重に進めたいのだ。それに親交を深めたお前が相手なら口を滑らしやすいだろう。あと、行くのは明日の朝でよい。今からお前にはここ数日間仕事をさぼった報いを受けてもらう」



「はい…?え?いや、報いなら減給という形ですでに受けたじゃないですか?」


「阿呆が…!ここ数日の間お前に代わって仕事を引き受けた他のメイド達に謝罪して回ってこい…!そして、メイド達を代表してメロンからペナルティを受けてこい!」


「ええ!?そんなー……」



うあー……しかもメロンからかぁ……。なにかと突っかかってくるあの子はいったいどんなことを求めてくるのか……。やだなー……


うだうだしているとエリスさんから早く行けと脅されたので渋々広い屋敷中を歩き回ってメイドさん達に謝っていった。笑って許してくれる人もいれば、小言を言われたり、素っ気なくされたりと自分のこの屋敷での立ち位置をありありと思い知らされた。これだけでも十分に罰だと思う……


さてと、最後はメロンのところですねー……



「やっと来たわね、カルネ!」


「カルネラで良いと言ってるじゃないですか……。どうして屋敷で初めて名前を間違えたあなたが頑なに本名で呼ぶんですか?」


「ニ、ニックネームで呼んだら仲が良いみたいに思われるじゃない!」



え?じゃあ私のことをカルネと呼ぶ人達は私のことを快く思っていないということ?知りたくなかったなー、その情報………



「ま、他人にどう思われようと関係ないですけどねー。それで何をすればいいんですか?」


「た、他人て……今までさんざん面倒見てきてあげたのに………。まず!謝りなさいよ!バカルネ!」



バカルネはやだな……。それに何で若干ヘコんでるのかなーこの人……。本当に面倒くさいなー



「…………えー……このたびは多大なご迷惑をおかけしましてまことにすみませんでした」



同時に深々と頭を下げる。とにかく第一の課題はこれでクリアだ



「ふふん!反省しなさいよね!」



「お礼も言っておきなさいよカルネラ。メロンが一番あなたの代わりに頑張ってたんだから」



「え?そうなんですか?」



「な!?バカ、ミスリー何言ってんの!?ち、違うわよ!エリスさんに言われて仕方なくやったんだから!勘違いしないでよね!」



別にツンデレなんて求めてないので素直になってくれればいいのに……

メロンさんのところに行くと、彼女と一番仲の良いミスリーさんも一緒にいた。二人は私より先輩のメイドで、私が屋敷でメイドとして働き始めたときに大変お世話になった人達である。ミスリーさんは優しくて、メロンさんは面倒くさい



「メロンさん、ありがとうございます」


「……べ、別にあんたの為なんかじゃ……」



「別にツンもデレも求めてないです。顔赤らめるのもやめてください」


「う、うっさいわね!誰がツンデレよ!……まあ、いいわ!じゃあ早速ペナルティを与えるわ!」



「………お手柔らかにお願いします」


「ふん!いっつもなめた態度とるあんたにはいつか痛い目に遭わせてやろうと思ってたのよね!ふっふっふ!あんたにはこれを付けて今日一日働いてもらうわ!」



そう言って取り出したのはネコの耳がついたカチューシャとふさふさのしっぽであった

あー……あー…悪ふざけだなー……



「この猫人族なりきりセットよ!」


「……いやー、こんなの付けても滑るだけですよー?しかもやる側とやらせた側両方が滑りますよ……」


「きっと似合うと思うわよ?」


「正気ですか?ミスリーさん?……こういうの付けてる子はなんだかイタい感じがしますけどね」


「ええ、そうね……。自分のことが可愛いとか勘違いしていてあざとくふわふわした可愛い物を付けたがってバカな男に媚びを売りたがる子のためのなりきりセットだもの。カルネラにぴったりね…!」


「………あれ?メロンさんもしかしてキレてますか?」



少なくとも私はそんなキャラじゃないです。だから付けさせられるんでしょうね……


とりあえず言われるがままに装着したのだが、なんというか……恥ずかしい……



「にゃーにゃーにゃー……?(普通に恥ずかしいですってあれなんかにゃーとしかしゃべれなくなったんですが……?)」


「アハハハハハハ!」


「ふふ、カルネラ可愛いわよ」


「にゃーにゃー(マジですか……)」


「ウェルトル・トライクールとかいうアホな魔術師が作った十八の無駄魔道具の一つ!『猫と成るセット』よ!エリスさんに渡されたのよ!これで少々懲らしめてやれってね!」


「にゃー。にゃーにゃー。にゃー?にゃーにゃー?にゃー?(あの人何考えてるんですかね。もしかしてこういう趣味なんでしょうかね……。そろそろはずして良いですか?もう十分堪能したで……あれ?はずれない?)」



「ごめん、何言ってるかぜんぜん分かんないわ!アッハハハハハ!!」


「……ふふふ!」


「あ、それ明日まではずれないようになってるから」


「にゃー(マジですか……)」


──────────


エリスさんを怒らせると本当にいろいろな意味で怖い……。昨日はさんざんいじめられたので、翌朝はずせるようになったらすぐにこの魔道具を破壊した。これで少しは世界が平和になったことだろう。ウェルトル・トライクール………いずれ倒すべき敵ですね


とにかくしばらくみんなと距離をとりたくなったため、朝一番にショウタロウさんの家に向かった。朝食の席でみんなと顔を合わせるのも嫌で、今日は朝食抜きである。おなか空いたなー……


ショウタロウの家で住民登録に必要なことを終えて、ついでに朝食代わりにお菓子をたくさん食べてさっさと帰宅した。今日はこの仕事が終われば休んでも良いと言われている。しかも明日は休日である。エリスさんもなんだかんだ優しい


エリスさんに言われたとおり少しばかり探ってはみたが、正直ショウタロウは悪い人のようには思えないので適当に終わらした。出身地についていろいろしゃべってはいたが長すぎてあんまり聞いていなかった。とりあえず遠いところとだけは分かった


ただ、二つほど気になることがあった。同い年の割にはやけに大人びていること、そして種族が本当に人間なのかどうかである。かつて各地で起こった亜人戦争により、圧倒的多数の人間達が亜人を追い込んでしまった。今や亜人はそれぞれ同族同士で寄り集まって集落を作ってこの世界のどこかに住んでいる。ときおり世界に足を向ける者もいるが、今の世界は亜人にとって住みやすいとは言いにくい。しかし、戦争ももう昔の話であり、昔ほど亜人差別が強烈ではないことも確かである。ここアルソウも、少ないが亜人も住んでいる。もしくは見た目が人間と変わらなければ、人間と偽って生きている場合もある。ショウタロウもそうなのかもしれない。隠れ里がどうのこうのと言っていたが、もしかすると出身地についてあれやこれや話していたのは種族問題が絡んでいるかもしれない。だとすればあまり深くつっこんであげたくはない……



とにかく思ったことも含めて知り得た情報はすべてエリスさんへと報告した



「本人は人間だと言っていましたが、もしかすると違うかもしれないです。どちらにせよ危険がない現状はそっとしておく方がいいと思います。もし本当に人間ではなかったら、あまり詮索するのも良くない気がします」


「………人間ではなかった方が危ないだろう。亜人の中には人間を強烈に憎んでいる者達もおるのだから」


「まあ……そうですが…デリケートな問題なのであまり焦らない方がいいと思いまして」


「ふむ……そうだな…。まずは信頼関係を築くことが先決か……。いずれまた私も出向くことになるかもしれんな。ご苦労だった」



とにかくこれでひとまず仕事は終わりだ。疲れたー……


それにしてもますますショウタロウのことが分からなくなった。でも、大事なのはショウタロウが善い人で、面白いということである。今はそれで良いかなー


今日はもうだらだらしよう。そう思って自室に入ると、窓に一枚の紙切れが挟み込まれていた。紙には『気をつけて』とただ一言、そして犬のイラストが描かれていた


──────────


翌日、私はまたショウタロウの家に来ていた。今日は普通に遊びに来た………だけではない。もちろん遊びに来てはいるが、あわよくばショウタロウの事を知ることが出来ればいいなと思っている。それに……もしかすると今日はやっかいなことが起きるかもしれない。ならばショウタロウの近くにいた方が安全だろうという目論見もあった。とりあえず、まずはエリスさんがおびえるほどのショウタロウが持つ力の一端でも見れたらいいなー


そう思って面倒くさがるショウタロウを引き連れて森へと入る。それはもうー、のこのことー……

はい、案の定釣られました。襲われるかなーとは思っていたが、白昼堂々と、しかも人狼が来るとは思っていなかった。私も有名になったものだなー………なんて考えている場合じゃない。ヤバい…!この人狼けっこう強い…!



「悪いな、カルネ・ラドロシー……。お前に恨みはないが……死んで貰う…!」



やはりここはチャンスだと思おう。ショウタロウの本気を見られるチャンスかもしれないのだから

次回タイトル『人狼急襲』

投稿日は未定です

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