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二位の葛藤


「ルティア、あなたは天才だわ。 シェール家の誇りよ」


「本当? お母様嬉しい?」


「ええ、ねえ、あなた」


「うん、お父さんもルティアには期待しているよ」


ルティア・シェール。 彼女は生まれながらにして天才と言われた。


魔力の数値は当時の剣技歳の優勝者に引けを取らず、どんな武器でも簡単に扱うことができたからだ。


「私、もっともっと上手くなるね!」


自分よりも凄い魔導師などいないと思っていた。 全てにおいて、自分が天才だとそう思っていた。


「ルティア、今日はワグナリア家へ行くから、着替えなさい」


「うん!」


ある日、ルティアは界隈でも力をつけてきていたワグナリア家に招待された。


そして、移動中の馬車の中で、ルティアは自分と同い年の女の子がいることを母親から聞いた。


「とても魔法を使うのが上手みたいだから、ルティアも負けないようにね」


「わかったわ、お母様」


「そろそろ着くから、ルティア準備しなさい」


ゆっくりと馬車は動きを止め、三人を数十人の使用人達が迎えた。


「ようこそ、ワグナリア家へ。 私はリズベット・ワグナリアと申します」


銀髪の少女はゆっくりとスカートを持ち上げてお辞儀した。


「・・・・・・・・」


「ごめんなさいね、ルティアは人見知りなの」


「いえ、気にしてませんから。 こちらへどうぞ」


リズベットについていくと、広く掃除の行き届いている客室へと通された。


「お待ちしていました、私がワグナリア家当主 ジェラルド・ワグナリアです」


「今回はお招きいただきありがとうございます」


「お父様、私はもう行っていいかしら、魔法の練習がしたいわ」


「良いよ、後は私がご案内するから」


「ルティア、あなたも行ってきなさい」


「・・・・・・・・うん」


嫌々ながら、ルティアはリズベットへと続き、部屋を出て行った。


「ね、ねえ」


「何」


「わ、私と魔法の見せ合いをしない? 私ね、水魔法が得意なの」


「・・・・・・・・私とじゃ勝負にならないわよ」


「なっ! そ、そんなのやってみないとわからないじゃない!」


「良いわ、嫌でも納得させてあげるから」







「ここなら、思いっきり魔法が使えるわよ」

ルティアとリズベットは屋敷から少し離れた森林へとやってきた。

獣たちの縄張り争いが行われていた場所なのか、周りの木や岩には、獣の爪痕が生々しく残されている。





「この岩を破壊できた方が勝ちでいい?」


「これを?」


二人の背丈よりもはるかに大きい岩はどこから転がってきたのか、何者かに置かれたかのように、存在感を表していた。


「わ、わかった。 すぅー・・・・・・・・水よ、岩を壊しなさい!」


初歩の水魔法がルティアの手から飛んでいくが、ぴちゃっと音を立てただけで、傷も付かない。




「それじゃあ、私ね。 グラビティ・バースト」


その瞬間、バキバキと音を立てて、岩は粉々に潰れた。


上から何かに押しつぶさせるようにして、そこには砕けた岩の残骸が残された。


「だから言ったのに・・・・・・・・私は本気になれば、街一つくらい破壊できるの」


「・・・・・・・・・・・・・」


そして、ルティアの心にもバキバキと音を立てて何かが崩れる音がし、その場に膝をついた。












「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・随分と昔の夢を見たわね」


ルティアはベットから体を起こし、顔を洗うため洗面所へと向かう。

蛇口を捻ると勢いよく水が飛び出した。

ルティアはそれをボ―っと見つめる。


「(あの時に、私は自分が最強だ、自分は天才だという気持ちを捨てたつもりだったのに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あんな夢を見るってことはそういう気持ちがまだあるのかしら)」


ルティアは顔を洗い、タオルで水気を取ってから、キッチンへと向かうと、ルームメイトのアミカが朝食の支度を始めている最中だった。


「おはよう、アミカ」


「おはようございます、ルティアさん、今日はいつもよりも遅かったですね、体調でも悪いんですか?」


ルティアはいつもは朝練のために早起きをして、練習を終えてから、アミカの分の朝食を作っていたのだが、今日ばかりは寝過ごしてしまったようだ。

それも、あのトラウマじみた夢の影響なのだろう。


「そんなことないわ、ありがとう。 少しだけ昔のことを思い出したというだけだから」


「そうですか・・・・・・もし、なにかあったら言ってくださいね、いつでも助けますから」


「ありがとう、アミカ」


本来であればありがたく感じるであろうアミカの優しさが、今のルティアには傷口をえぐられるように思えた。


何気ない優しさで人を癒したり、心地よい気持ちにすることができるような人間には自分にはなれない。


アミカと同じように、誰かに対して優しい気持ちになることができるのならば、今の自分はここまで情けない人間にはなっていないだろう。


かつては一番になることを目指していたというのに、今ではリズベットには勝てない、と二番目という、ランキング二位という地位を受け入れつつある自分がいる。


ルティアはそんな自分が許せなくなる時がある、今日のようにうなされるような夢を見たりした日などは、昔のことが頭から離れずに、一日中憂鬱になるのだ。


それを考えると、アミカやサラのような明るさを持っているのは正直うらやましい。


そんなことを考えつつ、席に座り、アミカの作った朝食を少量ずつ皿に小分けしていく。


「ルティアさん、一つ聞いてもいいですか」


「なに?」


「ルティアさんとサラさんは、ハヤトさんを巡って対立しているって聞いたんですけどン、本当なんですか?」


「ゴホッ、ゴホッ!!!!!」


「あっ、えっと! お、お水です!!!!!!!!!」


「・・・・・・・・・・・・・・な、なんでそんな噂が立ってるの? 私、ハヤトとそんなに親しそうに見える?


「なんていうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ルティアさんって、男性とあまりお話しされるイメージがあまりないみたいで、そんなルティアさんが会話するくらいだから、ルティアさんの意中の方なのか、それともハヤト先輩がものすごく鬼畜で、変態的な性癖を持っていて、ルティアさんはその毒牙にかけられたんじゃないかっていう話もあるんです、あっもちろん、その話が出てくるたびにハヤト先輩はそんな人じゃないって言っているんですけど、一年の子たちからすると入学していきなりランキング六位になって、サラさんたちとも親しく会話しているのって少し怖く映るらしくて」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私たちって、そんなに近付きづらい?」


恐る恐るといった様子で、ルティアはアミカに尋ねた。


確かに、学園の看板選手である自分たちは、学園の名誉を守るために、学業、戦績を共に高い成績とボストニアの王政役人、国王、貴族、一般階級からも多くの期待とプレッシャーをかけられる。


上級席たちの中で、そのプレッシャーと期待に耐えることができずに、学園を去っていった者たちも僅かだがいたのだ。


そのため、強靭なメンタルも必要になるため、ルティアは下級生に対して毅然とした井戸で振る舞っているつもりなのだが、どうやら今までしていたことは逆効果にしかなっていなかったようだ。


「・・・・・・・・・はあ」


ルティアは、そんな事実を受け止めながら、アミカと朝食を取ることにしたのだった。



「ルティア、ちょうどよかったわ」


「学園長、私に何か?」


「これをルティアにお願いしたいの」


「・・・・・・・・・・・これは?」


「その依頼はとある村の水の浄化をお願いしたいの


「でも、私は浄化魔法は得意じゃないですし・・・・・・・・使えるとしても時間のかかる魔法くらいで」


「ハヤト君にも向かわせるから、あなたたちもう少し会話しなさいね」


「ちょっ」


学園長のイミーラは急いでいるのか、速足でルティアから離れていく。


「しょうがないわね」


ルティアは部屋へと一旦戻り、身支度を始めた。


ボトル、非常食、イミーラからもらった村の資料と地図、武器である弓の最終的な手入れを行った。


「・・・・・・・・・・・・・よしっ!」


鞄をしまい、立ち上がると、ルティアの机の上に立てかけてある写真立てに目が行った。


今はポニーテールのルティアだが、幼少時は長い髪を髪留めなどで結んでおらず、母親に髪をとかしてもらっているルティアが写されている。

人の姿や思い出を残しておくためには撮影用の水晶を使うか、撮影用の機材を使うしかないが、機材は一般人にはかなり高価な代物になるということもあり、貴族や王族にしか出回っていないのが現状だ。


 「あの時は楽しかったな」


今のルティアは一族から期待の言葉をかけてもらえなくなっていた。


リズベットという絶対的な存在である彼女が学園最強の座を誰かに譲ることなど考えることができないからだ。


「・・・・・・・・・・・・・・勘当されないだけマシなのかも」


学園二位の実力、決して低くない実力であるにも関わらず、ルティアに期待の言葉をかけてくれるのは町の人々や学園の生徒くらいしかいない。


「あっ、アミカにメモを残していかないと」


白い用紙を引き出しの中から一枚取り出して、ペンを手にして、任務のことと、行き先、同行者であるハヤトの名前を記入して、部屋にカギを掛けて馬車を待たせている学園前の巨大門へと歩き出した。







 「おはよう、ルティア」


「おはよう、別に嫌なら断ってくれてもよかったのよ、今日の任務は私一人でもなんとかなると思うし」


「水の浄化だもんな、確かに俺はそういう類の術式は使えないけど、君の護衛くらいはできるし」


「私の方がランキングが上なの忘れてない?」


「でも、ランキングがそのまま実力を表してるかっていうとそうじゃないだろ?」


ハヤトの言う通り、模擬戦、他校との対抗戦、任務遂行によりランキングのポイントを稼ぎ、ランキングが決まるのだが、単純に実力の順になっているのかと言うわけではない。


個人個人の能力、魔力の性質の差、相性によって、多少の差は生じることはある。


「ほら、乗るわよ」


「おう」


二人は馬車の荷台にお互いの荷物を載せる。


「さ、行こうか」


「まだよ、操縦する人が来てないわ」


「大丈夫、それは俺がやるから」


「え? ハヤトが?」


「うん」


ハヤトは馬を撫でてから手綱を握りしめる。


「よろしくな」


「ブルル」


ハヤトの言葉に応えるように、馬は鳴き声を上げる。


どこかで習ったのか、馬の扱いが長けているように見える。


「馬車動かすなんて久しぶりだな」


「ね、ねえハヤトは馬でも飼ってたことあるの? 随分扱いなれているように見えるんだけど」


「まあ、昔の仕事で必要だったからな、最低限の馬の手入れと出産のときの手順も教わってるよ」


「昔の仕事?」


「ああ」


「(・・・・・・・・・・・・・・・別に知りたいわけじゃないし)」


「ルティアって横顔きれいだな」


「ふぇっ!? ききききききききききききき綺麗・・・・・・・・・・・・・・・・そ、そういうことはサラに言ってあげなさいよ」


「サラに? ・・・・・・・・というか、俺とサラは何もないっての」


「嘘ね、だって男の子って・・・・・・・・・・女の子をいやらしい目で見定めてから、た、食べちゃうんでしょ・・・・・・・・?」


「げほっ!! ・・・・・・・な、何の話だよ、それ」


「・・・・・・その、噂だけど、そういう風に聞いたことあったから」


「噂って・・・・・・・学園にもカップルくらいいるだろ」


「だって・・・・・・・・・」


ハヤトは手綱を引きながら、ルティアの方に顔を向ける。


「・・・・・・・・私、クラスの人に怖がられてるから、話も聞けないし」


「怖がられてる?」


「うん、サラたちに聞いてもらえばわかるわよ、学園の子たちが私のことをなんて言っているのか」


「ルティアのことを怖がることはないと思うけどな、現に俺は怖くないし」

「ハヤトが鈍感なんだと思う、私目つきもよくないし」


「大丈夫だ、ルティアは可愛いし」


「そうやってサラのことを落としたわけね」


「・・・・・・・ん?」


「なんでもないわ」


二人は、目的地の村と学園の間の村に立ち寄った。


安全に行動できているのか、学園に報告をするためでもある。


「じゃあ連絡しないと」


「そのまま行くのはダメなのか?」


「そうしないと、何かあったのかと思われて援軍か、凄いときなんか王国の騎士団まで出動することになるのよ」


「マジか」


「ハヤトと私のために国民の税金使わせるの嫌でしょ?」


「だな」


「役場どっちかしら」


二人は村人を探して、馬車でゆっくり村に入っていく。







 「・・・・・・・・・人っ子一人いないぞ」


「おかしいわね、資料だと小さいけど人口はそれなりにある村だと書いてあるのに」


「いや、いる」


「人が? どこ? 見えないんだけど」


ルティアの言う通り、周囲を見渡しても、全く人がいるようには見えない。


しかし、ハヤトは耳に手を当て、周囲の音を聞く。


「いや、確かに聞こえる・・・・・・・・あっちだな」


「あっ、待ってよ!」


ハヤトに続いて、ルティアも一本筋の道を進んでいく。


「人なんて久しぶりだな」


「あっ」


二人に視線の先には、薪割をしている男性が斧を担いで立っていた。


すぐ近くの民家の煙突からは煙が出ているというところを見ると、少なくとも一人で暮らしているわけではないようだ。


「あ、あの俺たち、ボストニア学園の生徒です。 この先の村での水を浄化するためにやってきたんです」


「あのほかの村人の人たちは」


「もう、私と妻だけだ。 ほかの村人たちはみんな移住したよ、ここの村人はね」


「移住?」


「ああ、君たちが行こうとしているのはステーチ村だろ? あそことこの村は川がつながっているからね、この村も水が悪くなってきたんだ。 汚れる前の水を貯蓄していたんだが、うちもそろそろ危ないから移住を考えているよ、幸いなことに子供もいないからね」


「そうなんですか、あっ俺たち学園に報告をしないと」


「あっなるほど、少し待ってて」


男は速足で家に入っていくと、通信用鉱石を手に持って戻ってきた。


「はい、あんまり性能がいいものではないけど」


「ありがとうございます」


ルティアは石を受け取り、丁寧に魔力を込めていく。


「・・・・・・・」


すると、徐々に医師が青い輝きを放ちだした。


「ルティアです。 連絡地に到着したので報告します」


「了解、二人ともけがはない? といっても、道中に危険な魔物がいるという報告は受けてないから平気だと思うけど」


「俺たちは一晩泊まって、水枯れの場所へと向かいます」


「うん、お願い」


通信を終了するとともに、医師の輝きも弱くなっていき、ゆっくりと光が消えた。


「・・・・・・どうだった?」


「なんとか通信できました」


「よかった、もうそれしか石は残ってなかったから、連絡取れなかったらどうしようかと思ってたよ」


男性は持っていた斧を立てかけると、二人を手招きした。


「さ、食事をごちそうするよ」


「ごめんなさい、食事は自分たちで調理したものしか食べてはいけない決まりなので」


「そうなのかい、残念だ」


ハヤトもルティアの隣で発言の意図が理解できず、小首をかしげたが言葉を飲み込み、ルティアの言葉に従うことにした。






「ここの家はもう誰も住んでないんだ。 だから、好きに使ってくれ。 って言ってもここには僕ら以外はいないんだけどね、まあゆっくり休んでよ」


「はい」


「ルティア、荷物持とうか?」


「私、こう見えてもそこそこ力あるのよ、弓引くのには腕の力結構いるから」


「ルティア強いんだもんな」


「そうよ、私強いんだから」


ハヤトとルティアは家へと入り、荷物を壁際に置いた。


まださっきまで人が生活していたと感じさせるほど、生活感が溢れている。




「今日はここで休んで明日問題が起きている場所に向かうんだろ?」


「ええ、今日は早く寝ましょう」


「ルティアは寝てていいぞ、俺は外を見張ってるから」


「そんなことしないで、ハヤトも寝なさいよ」


「俺の仕事は君の護衛なんだ、寝るのは少しでいい」


「・・・・・・・・・・じゃあ、私が眠くなるまで起きててね」


「わかった」


「・・・・・・・・なんか冷えるわ、カバンの中から火鉱石出して」


「ほいよ」


ルティアは鉱石に魔力を込めるとすぐに暖炉に投げ込んだ。


するとたちまち暖炉に火が灯る。


それと同時に、少しだけ室内の気温が上昇したように感じる。


「あったかい」


「あったかいです」


「ニオ!?」


突然、暖炉の前で現れるニオの姿があった。


魔力の消費が激しく、今まで肉体の具現化ができなかったニオの魔力がようやく回復したようだ。


「・・・・・・ハヤトは精霊持ちなの?」

「まあ・・・・・・・・・・一応な」


「・・・・・・・・・」


歯切れが悪そうなハヤトに対して、ルティアは何も言わない。


「マスター、この方は」


「あー、そうか。 ニオはルティアに会うのは初めてだったか」


「はい、マスターの新たな女ですか」


「新たな・・・・・・・・?」


怪訝そうにルティアはハヤトから少しだけ距離をとる。


「なんで距離を取る・・・・・・・・」


「別に・・・・・・・私はルティア・シェールよ、ボストニア学園ランキング二位の弓つかい」


「弓使いですか、銃が普及し始めている時代にまだ弓使いが存在していたとは感慨深いものがあります」


「そうなの?」


「はい、私は数々の弓使いを見てきましたが、戦闘になると弓をあまり使わないものが多かった記憶があります」


「まあ、気持ちはわからなくもないかな。 矢は全部魔力を使って作らないといけないし、近接戦闘が多い模擬戦だと距離を詰められるから、癖は強いかな」


「でも、その弓でルティアは二位なんだろ? すごいじゃないか」


「私が・・・・・・・凄い?」


「なんか変なこと言ったかな?」


ルティアは首を横にフルフルと振った。


「・・・・・・・・・誰かに認めてもらえることが久しぶりだったから」


「サラだって、ルティアはすごいって言ってたぞ?」


「だって、サラは友達だし、優しくしてくれるのは当然でしょ」


「・・・・・・・・確かに。 でも、サラは嘘をつくような子じゃないだろ」


「それは・・・・・・・・・・そうだけど」


「なあ、ルティア」


「なによ」


「君の子供の時の話聞かせてくれないか」


「・・・・・・・正直、面白い話じゃないわよ?
















「私の家系はね昔から多くの魔導士を輩出してきたらしいの、だから私も小さいときは英才教育を叩き込まれて友達なんてろくにできなかったわ、毎日教養を得るための勉強と魔法についての勉強、魔力の性質とかも学んだし、いろんな武器を使えるようにさせられた」


膝を抱える体勢に変えると、髪飾りの鈴がチリンとなった。


「いろんな武器を使ったけれど、一番しっくりきたのは剣でも銃でもなく、数が減少していってるという弓だったのよ」


「弓はしなやかな竹や木に弦をかけ、弦の反発する力を利用して矢を飛ばす武器です、女性が簡単に扱えるものではありません」


ニオは長年生きている精霊らしく弓についての意見を披露する。


ハヤトも弓は多少扱えるが、それはハヤトが12歳を超えてからで、ルティアのように幼少期から使用を勧められるものではない。


「私は周りの期待に応えようとしたんだ、両親、側近、分家、交流のある貴族は私を天才だって持ち上げてた、でも・・・・・・・・私はある日悟ったのよ、あの子には勝てないと」


「・・・・・・・・・・・その子って」


「ええ、リズのことよ」


「リズベットはそんなに強いのか」


「彼女は基本的に模擬戦は出ないの、その代わりに政府の役人たちとの会合と任務を行ってるから、いくら稼いでも実力でもポイントでも彼女には届かない。 だから誰もかの所に戦いを挑まないし、特に私の能力はリズとは相性が悪すぎるから」


「あいつはどんな力を使うんだ?」


「リズに聞いた方がいいわ、意外とあなたのことを認めているみたいだから」


「俺、あいつと話したことほとんどないんだけどな・・・・・・・・・・・」





 

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