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黒の錬金術師 -黒の称号を冠する者-  作者: 辻ひろのり
第4章 特区構想計画編
75/117

第74話 勝負の行方

「では、始め!」


 その掛け声で、カーネリアさんとミイティアの実戦訓練が始まった。

 しかし……すぐには始まらない。

 ミイティアは剣すら抜いていない。


「どうしたの? いつもの威勢がないわよ?」

「いいえ。カーネリアさんに先手をお譲りしているんです」

「……じゃあ、お言葉に甘えて~」


 カーネリアさんは杖をかざし、魔力を込めて風魔法を……魔法を撃たない。

 杖をかざしたまま、カーネリアさんは何かに戸惑っているようだ。

 一見すると2人は動いていない。動いていないのだが……。


「ぁぁあああ! めんどくさい!」


 杖を両手で持ち直し、魔力を込めると、小さな風の塊を放つ!

 しかし、その攻撃はミイティアを外れる。

 次々に魔法を打ち出すが……ことごとくミイティアの脇を抜けて行く。


 状況を見守っていたサーヴェントさんが、マサユキに疑問を投げ掛ける。


「兄ちゃん……アレ、何やってるんだ? カーネリアがわざと外しているようにしか見えねえぞ?」

「あれはミイティアにしかできない芸当です。一応理論は伝えてあったんですけど、まさか一発で出来るとは思っていませんでした」

「答えになってねえぞ? どういう理屈なんだ?」

「フフフ……秘密です」


 マサユキたちのやり取りの間も、カーネリアさんの攻撃は続く……。


「くぅー! 何で当たらないのよ!? ミイちゃんも突っ立ってないで、攻めていらっしゃい!」

「そうですね……そろそろ行きます!」


 の白く輝くミスリルの剣が抜かれると、ミイティアの雰囲気がガラリと変わった。

 目を奪われるような可憐さと、強い覇気に満ちたミイティアは、今までの彼女とは『何か』が違う。

 

 ミイティアは駆け出した。

 ただ真っ直ぐに。一直線に。


 勢い良く飛び込んでくるミイティアに対し、カーネリアさんは魔法を放つ。


「弾けなさい。≪ディフュージョンクラスター≫!」


 はっきりと目視できないが、空気の塊のような物が放たれると、まるで散弾銃のように弾けた。

 それをミイティアは、走り高跳びのベリロールの要領で回避する。


 それを見たカーネリアさんは、勝利を確信し叫ぶ。


「貰った!」


 ミイティアの滞空時間を狙い、魔法が放たれた!


 しかし、ミイティアはそれすら避ける。

 篭手のワイヤーアンカーを地面に突き刺し、強引に手繰たぐり寄せて回避したのだ。

 地面に着地するなり、カーネリアさんの懐目掛けて、飛び込む!


 迫り来るミイティアに気押され、カーネリアさんは防御魔法≪ウインドカーテン≫を張る。


 それを見て、今度はミイティアはニヤリと笑う。


「フフ、待ってました!」


 ≪ウインドカーテン≫の風の進行方向に沿うように剣を振るい、≪ウインドカーテン≫を斬り裂く!

 そして、斬り裂いた小さな隙間にすかさず剣を差し込み、カーネリアさんの首元に……剣を寸止めした。


「なっ!? ……どうして?」


 カーネリアさんはまったく予想だにしない結果に、信じられないという顔をしている。

 まさに、見事!

 その一言に尽きる動きと剣捌きだった。


「それまで!」


 マサユキの声が広場に響く。

 しかし、拍手どころか歓声一つ上がらない。

 皆状況を飲み込めず、ただ茫然としている。


「兄様勝ちました! 勝ちましたよ!」


 ミイティアは飛び跳ね喜んでているが……。


「はしゃぐなミイティア!」


 マサユキの叱咤が広場に響く。

 カーネリアさんの元に行き、状態を確認する。


「カーネリアさん。どこか痛む所はありますか?」

「……いいえ。私……負けちゃったのね……」

「手加減してたカーネリアさんに勝っても、意味がありません。まったく気落ちする必要はありませんよ」


 状況がサッパリ分かっていないサーヴェントさんが、再び疑問を投げ掛けてくる。


「なぁ兄ちゃん。結局、何でここまで押されたんだ?」

「簡単な話です。『狙点』の隙を突きました」

「狙点?」

「例えるなら弓矢です。弓を構え、つるを引き、矢を放つ。これは魔法が発動する動作と同じです。問題はこの後です。魔法は『どこに向けて放たれるか』という事です。追尾能力があるなら別ですが、一度放たれた魔法は軌道を変えません。軌道さえ分かっていれば避けられるって話です」

「つまり……発動後に回避したって事になるんだが、カーネリアの風魔法は見えねえぞ? それをどうやって避けるって言うんだ?」

「それはミイティアだからこそですね。ミイティアの目は、人の放つ魔力の波動。つまり、魔力輻射が見えるんです。放たれた魔法は魔力の塊ですからね。見ようと思えば見えるんですよ」

「そこまでは分かった。それでも避けるのは相当難しいぞ?」

「それはカーネリアさんの手加減が関係しています」

「……私の?」


 カーネリアさんも事情が飲み込めていないようだ。


「カーネリアさんはミイティアが怪我をしないように、針の穴を狙うか如く、手や足、肩や腕などを狙っていました。しかも、当たっても怪我が軽微で済むようかなり威力を絞っています。ならば多少当たっても、魔法の形状やタイミングを確認させてもいいと考えました」

「だからカーネリアがぼやいてたのか……。それでも避け切るってのは、スゲー難しいんじゃねえのか?」

「難しいです。ミイティアだからこそできる芸当でしょうね。でも、カーネリアさんが力を抑えていた事実が大きいです。カーネリアさんが本気を出せば魔法の発射速度はもっと上げられるでしょうし、避ける事すら難しい広範囲魔法も可能だと考えています。訓練という事もありますけど、カーネリアさんがミイティア想いの優しい人だから勝てたんですよ」

「気休めはいいわ……」


 カーネリアさんは低く小さな声で呟いたかと思うと……。


「フン! たかだか1勝程度で、喜んでいるんじゃないわよ!」


 気落ちしていたのが嘘のように、踏ん反り返る。

 マサユキもそれに便乗する。


「そうだぞ~。ここからは本当に勝てなくなるぞ~。覚悟するんだミイティア」

「ちょっとそれ! 私の台詞よ! 勝手に横取りしないでくれない?」


 カーネリアさんは、よく分からない八つ当たりをしてくる。

 まぁ……とりあえずカーネリアさんの方はいいだろう。

 ミイティアは……酷く落ち込んでいる。

 まったく手の掛かる妹だと思いつつ、ミイティアの元に行く。


「ミイティア、怪我を診るよ」

「私は……どこも……」

「いいから背中を見せなさい」


 ミイティアの背中は、赤く腫れ上がっていた。

 最後の攻撃。ベリーロールの要領で完全回避したように見えたが、やはり少しかすっていたようだ。

 鞄から薬取り出し、丁寧に塗り込んでいく。


 それと、左腕も診る。

 ワイヤーアンカーを手繰たぐり寄せた時、手のひらをワイヤーで切っていたようだ。

 左腕から肩に掛けて腱が少し張っているし、筋肉も痙攣している。

 跳躍の勢いと、全体重が圧し掛かったためだろう。

 湿布を腕に施していく。


 ミイティアの状態を知り、カーネリアさんが申し訳なさそうに謝ってきた。


「ミイちゃん……ごめんなさい」

「そ、そんな謝る事じゃないです! いいんです! 気にしないでください!」

「ごめんなさい……ごめんなさい……」


 カーネリアさんが泣き出してしまった。

 事態がややこしくなってしまい、なんとかフォローを入れようとサーヴェントさんを見ると……居ない……。


 サーヴェントさんは子供たちを誘導し、さっさと授業の準備に取り掛かっている。


 に、逃げ足が早い……。

 こうなっては仕方ない。取り得る手段は……。


「と、とにかく! 怪我をさせたのは俺の入れ知恵が原因ですし、煽ったのも俺です! 問題にするなら俺を責めるべきですよ!」


 そう言って、マサユキの責任にすり替えた。

 カーネリアさんとミイティアは顔を見合わせると、ニンマリと笑い……2人してマサユキを責め始めた。

 ついでと言わんばかりに講義をしに来たラミエールも混ざり、シッチャカメッチャカにされてしまう。


 もう……どうにでもなれ!

 止む得ず取った手段に後悔するマサユキだった……。



 ◇



「ふぅぅぅぅ……」


 毎度恒例の台詞になるが……この風呂は、最高だ!

 筋肉がいい感じに和らぎ、とてもリラックスできる。


 いつもはメルディやらミイティアやら……他にもいっぱい居たせいか、ゆっくり湯を堪能する時間はなかった。

 こうやって一人で静かに湯を堪能するのは……いつぶりだろうか?

 湯に浮かび、ゆっくり湯を堪能していると……。


「兄ちゃん邪魔するぜ!」


 サーヴェントさんが入ってきた。

 そして、何事もなかったかのように体を洗い始める。


 サーヴェントさんの体というか裸体というか……『生きる芸術』が眩しい!

 いくつもの傷跡が残る肉体ではあるが、厚い胸板に、ギッチリ割れた腹筋。メリハリのある広い背中と、キュっとよく締った腰回り。グイっと引き上がったお尻と、発達した太もも。

 それらすべての筋肉は程良く隆起し、滑らかな曲線を描いている。

 スラリと伸びる手足は男らしさを表現しつつ、神掛かった均等の取れたバランスを保っている。


 博物館にある彫刻像たちが裸足で逃げ出さんばかりの、圧倒的に完成された肉体。そして極め付けは……。

 や、やめよう。惨めになるだけだ……。


 気を取り直し、他愛ない話を切り出す。


「サーヴェントさん。授業は良かったんですか?」

「ああ。今日は語学だったからな。特に必要ないって事もあるが、断わりを入れてさっさとテストを済ませてきたんだ」

「なるほど……」


 会話が続かない。

 まぁ、男同士の付き合いはこういう物だから、サーヴェントさんも気にしないだろう。

 サーヴェントさんも湯船に浸かる。


「ふぅぅぅ……」


 静かな時間が流れる。

 ……その沈黙を破り、サーヴェントさんが口を開いた。


「兄ちゃん。どうしたらいい?」


 唐突な上、主語もない……でも、無意味な質問でない事は分かる。

 だが、あえて普通に返す。


「どうしたいですか?」

「俺はやりたい事を見つけたい。あとは、兄ちゃんが俺をどう使うかだろうな?」

「フフフ……。愚問だったようですね」

「まあな。だが……実際どうすればいいか分からずにいる」

「悩む事はいい事ですよ。大いに悩む事を勧めます」

「なんつーか……兄ちゃん、歳偽ってるよな?」

「……分かります?」

「やっぱりか。落ち付き払ってるってのもあるが、達観しちまってる感じがするぜ」

「それはサーヴェントさんも同じでは?」

「自分の限界を勝手に決め付けてる辺りはそうかもな……。兄ちゃんとの違いは、目的に対する執着や努力だと思ってる。俺にはそれが無い……」


 サーヴェントさんの抱く気持ちは分かるつもりだ。

 これしか出来ないと自ら視野を狭め、勝手に限界を決め付けてしまう事はよくある。

 もし巡り合わせが悪かったなら……俺も自分の無能さに苦悩し続けている気がする……。


「サーヴェントさん。作ってみたり実現したい夢って、ありませんか?」

「そうだなぁ……」


 サーヴェントさんは腕を組み、考え込む……。

 そして、意外な答えが飛び出してきた。


「空を飛びてえ……かな? 自由に空を飛んで、世界を旅してみてえな!」

「……フフ、フハハハハハハハ!」

「舐めてやがるのか!? ……突拍子のない事だと思うが、兄ちゃんに比べたら大した事ねえだろ?」

「フヒ……。いえ、いい夢です。これ以上ないくらい、爽快で壮大な夢ですね」

「まさかと思うが……否定しない辺り、考えてやがったか?」

「はい。俺も計画はしてたんですけど、特別やりたいとは思ってなかったんですよ」

「つまり……作れるのか?」

「俺は作れません。ですので、作ってみてください」

「フフ……ハハハハハハ! 作れか! フハハハハハハ!」

「となれば、さっそくやります?」

「おいおい! 本気にしてやがるのか?」

「本気ですよ。むしろ、飛ぶだけなら数日でいけますね」

「……兄ちゃん何者だよ?」

「ただのしがない商人ですよ。ちょっと変な考え方をしてる、変な商人ですけどね。フフフフ……」

「……略して『変人』だな。プッ……ブハハハハハハハ!」

「商人の『商』は、どこに行ったんですか!?」


 変な会話になってしまったが、サーヴェントさんにもやりたいことが見つかったようだ。

 そこに空気を読まず、躊躇を知らないミイティアが素っ裸で入ってきた。

 そして……サーヴェントさんが一緒に居る事に気付くと、その場で固まる……。


「ほほぉ……。見惚れちまうほど、いい体してるな~」

「なっ……」


 ミイティアは顔を真っ赤にし、風呂場から出て行った。

 なんとなく予想はしていたが、今回の事がいい薬になってくれれば……って、誰かの声が聞こえる。


「だから呼び止めたのに。ミイちゃんって、大胆~」


 壁の向こう側からカーネリアさんの声がする。

 というか、平然と入って来る。

 エチケットを弁えて布を使ってくれてはいるが……布に収まりきらない山脈の自己主張が、半端ない!


「カーネリア。お前は少し自重しろよ?」

「いいのよ! 気にするほどではないしね。それより……おっ立ってるソレ! どうにかしなさいよ!」

「無理だな! ミイティアちゃんの色気にバッキバキだぜ!」


 生理現象として分からなくもないが……その輝かんばかりの芸術というかバットを……しまって欲しい。はぁぁぁ……。


 マサユキは目を閉じ、何も考えないようにしながら湯船を楽しむ事にした。

 


 ◇



 数日後、サーヴェントさんが試作機を完成させた。


「じゃ、始めるぜ!」


 サーヴェントさんは剣に炎を纏わせ、少しずつ火力を上げて行く。

 そして、カーネリアさんの風魔法でゆっくり空気を送り込んでいく……。

 熱風で布が膨らみだし、円錐を下に向けたように形の布が空に向かって昇り始める。


「ホントにおっ立ちやがったな! なかなかいい面構えしてやがるぜ!」

「そお? 継ぎ接ぎで綺麗じゃないわよ?」

「まあまあ、試作品としてはなかなかですよ。機能としては十分成り立つと思います」

「機能ねえ? 安全とは思えないわよ?」

「カーネリア。心配するなって。そのための安全装置だ」


 そう言うと、サーヴェントさんは背中に背負った鞄を得意気に見せ付ける。


 サーヴェントさんが作ったのは、気球だ。

 原理としては大気を熱し、暖かい空気を大きな布の袋に溜める事で浮遊する。

 動力にはサーヴェントさんの魔法を使い、能力付与した魔法剣から炎を放つ事で実現させている。

 ただ、特別気密性の高い布ではないので、ある程度連続して炎を放出し続けなくてはならない。

 それに、万一を考えて用意した安全装置も万全とは言えない。


 安全装置は2つ。

 1つは、高い木にロープを結び、それを気球と繋いで地面への激突を回避するようにしている。


 もう1つは、サーヴェントさんが背中に背負っている簡易的なパラシュート。

 こっちは、ほとんど気休めと言ってもいい。

 落下中に気球から飛び出せるとは思えないし、気球本体が邪魔をしてしまう可能性もある。

 高さ的にはパラシュートを開く余裕があるとは思うが、十分な訓練を積まずに使えるかは分からない。

 まぁ、ないよりマシという程度だ。


 最後の頼みの綱となるのは、カーネリアさんの風魔法による救助だろう。

 落下を受け止めるには対応できるだけの時間が必要らしいが、前の2つの方法より安全性が高い方法だ。

 とにもかくにも、人の空への挑戦は命懸けである。

 

「いい感じに温まって来たぜ。高度は木の高さ2本分までだったな?」

「高度計が無いので目算になりますが、それ以上は止めた方がいいですね。不測の事態に対応できません」

「分かった」


 サーヴェントさんは魔法剣に魔力を込め、火力を上げる。

 すると、少しずつ気球が浮遊を始めた……。



 大体50mくらい上がっただろうか?

 サーヴェントさんの性格だから70~80mは上昇すると思っていたけど、意外に慎重だ。

 通信機を使って状況を聞く。


「状況はどうですか?」

「最高だ! お前らが石粒みたいに見えるぜ!」


 状況を聞いたのに、感想が返ってきた……。

 気持ちは分からなくもないんだけど……まぁ、ひとまずうまく行ったようだ。

 風は弱いので、煽られて落下する心配もないだろう。


 新しく試作した通信機もなかなか調子がいい。

 カタコトではなく、とても聞き取り易い。


 だがなぁ……もっと高度を飛び、かつ安全性を保つ方法はないだろうか?

 作り易さから言うなら、ハングライダーとかパラグライダーのような物でもいいかもしれない。

 問題は……どうやって魔法と融合させるかだ。


 魔力を燃料とする魔動エンジンみたいな物だった場合、機体重量によっては燃費効率が悪い。

 プロペラ推進かロケット推進にして、モーターグライダーの要領で飛べば……。いや、それなら空力制御するための装置も必要そうだ……。


 なかなか考えまとまらない。

 状況を見守っていた親方さんが心配事を漏らす。


「坊主。そろそろ下ろした方がいいぜ」

「風ですか?」

「ああ。時期的には穏やかだから大丈夫だが、安全性が十分確保できてねえんだろ?」

「そうですね。すぐに下ろさせます」


 通信機を取り、サーヴェントさんに連絡を入れる。


「サーヴェントさん。今日の実験はここまでにしましょう」

「分かった」


 火力を弱め、ゆっくり降下を始める。

 しかし――事態は急変した!

 通信機からサーヴェントさんの焦った声が飛び出して来た!


「おい! 畑の方が騒がしいぞ!?」

「襲撃ですか?」

「恐らく魔獣だ! 畑の方に向かって移動してやがる! 追われてるのは……子供たちかもしれねえ!」

「分かりました。カーネリアさん!」

「任せて! サーヴェントを回収したら向かうわ!」

「お願いします。親方さん、気球の回収をお願いします」

「おう! 気を付けて行って来い!」


 マサユキは駆け出した。


 学校にはミイティアとビードラさんがいる。

 子供たちも訓練を積んでいる。

 多少強い魔獣が出たとしても対応できるだろう。

 だが、タイミング的に下校時間だ。


 子供たちは訓練を終え疲れきっているだろうし、事前に察知して準備していた訳ではないはずだ。

 そう考えると……危ないかもしれない!

 なぜ畑に向かってるかまでは分からないが、とにかく今は、急がねば!


次回、水曜日2014/12/31/7時です。

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