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三つ葉テクノロジー株式会社  作者: 秘密結社苺牛乳
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第七章「NodeX制圧プロジェクト」

 -2083年12月26日-


 この日は早朝から緊張感が漂っていた。

 宇宙をゲームのように楽しみ、コントロールしている宇宙の外側の組織『NodeX』。

 超越した開発技術を持つ『三つ葉テクノロジー株式会社』がついに『NodeX』制圧プロジェクトを開始した。


 「三つ葉銀河外に防衛ロボット『ガードナー03改』を配置!偵察機ロボット『ファルコン』に宇宙座標をセットせよ!」


 指令室に一也の声が響き渡る。

 今まで見たことも無い表情が、このプロジェクトの難しさを物語っていた。

 世界が一致団結し、世界各国にロボット発進システム及び、拠点が配置された。


 「戦闘用ロボット『イニシエ』、爆撃機『マテリアル』発進準備!」


 社長佳子も指令室に立ち、指示を送る。

 他にも指令室には、人間とロボットチームで構成された選抜メンバーが集められた。

 プロジェクトメンバー以外の国民達は、三つ葉銀河の隣、桜銀河へ移動を完了していた。

 『三つ葉テクノロジー株式会社』が創り上げた桜銀河は、一体全てが要塞シェルターとなっている。


 「『ファルコン』が宇宙の入り口を発見!『イニシエ』、『マテリアル』も後を追っています!」


 宇宙の入り口付近は、空間が強く歪み重力も不安定。

 光は真っ直ぐ届かず屈曲し、方向感覚すら失う。

 しかし、一也はこれも計算していた。


 「『マテリアル』の時空制御システムを発動!これより宇宙の入り口を切り開く!」


 爆撃機『マテリアル』は、ブラックホールを参考に制作された。

 時空を一定化させる装置も搭載されている。

 空間の歪みは無くなり、光が真っ直ぐに伸びた。


 「引力で宇宙の入り口を引きずりこむ!」


 三つ葉銀河が存在する現世の宇宙。

 『NodeX』が存在する宇宙の外側。

 引力は均等に掛かっているように思えたが『NodeX』側に強く掛かっていた。

 爆撃機『マテリアル』が、時空の調整を始め引力のバランスがこちらに傾く。


 「開いた!!『イニシエ』、『マテリアル』は前進せよ!」


 白い空間が広がっていた。

 宇宙がボールのように量産されている。

 人間を始めとする生物、星、新たな宇宙がここで創生されていたのだった。


 「やはり『NodeX』は宇宙創生機関だったか」


 しかし、開発者やロボットなどは見当たらない。


 「なるほど……これが未来の行く末か」


 一也は敵意を押し殺し関心した。

 全ては素材を必要とせず”無”の状態から創られていたのだった。


 「僕を宇宙へ戻したのは、そうゆう事か……開発技術には限界がある。どんなにあがいても宇宙の存続は自分たちの手では守る事が出来ない。運命か……」


 この宇宙は創られている。

 人類、生命体がどんなに開発技術を向上させても宇宙創生機関を超えることは出来ない。

 それぞれの運命は宇宙創生機関が定める。


 しかし、頂点に君臨する宇宙創生機関もまた、更なる進化が掲げられている。

 そのため不定期に人類、生命体へ上回る”もの”が出てくるかテストを行っている。

 現時点まで合格したものは居ない。


 -2058年08月06日-


 「お母さんおはよう。一也まだ起きてこないの?」


 「未香、早いわね。一也は昨日泣き疲れたみたいだから、まだ寝かせてあげましょ」


 「お母さんがあんなに怒ってるの久しぶりに見たよ。一也遅かったから自業自得だね!」


 朝から佳子と、未香が談笑している。

 どうやら昨日、一也の帰宅が遅かったみたいだ。


 「お母さーん!!僕、地球は救えないよ!平凡に生きれれば何も望まない!」


 「朝から何言ってるのかしら?お出掛けするから早く準備しなさい」


 「一也泣いてるし!本当馬鹿なんだから」


 未香が楽しそうに一也をおちょくった。


 「未香も早く準備しなさい!でも、平凡に生きれれば何も望まないなんて言う事言うじゃない。変な夢でも見たのかな」


 完

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