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曲がり角  作者: 加藤無理
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和夜の初恋と正和の逮捕劇

  和男が六年生、和夜が三年生になった時の夏休み。和夜は高校一年生になった隣に住んでいる山田夫婦の娘の真理まりに交際を申し込んだ。しかし真理は躊躇せずに断った。和夜は引き下がらずに、

「俺は本気だよ!」

 と、食い下がった。真理は溜息を吐き、

「私はレズビアンなの」

 和夜は息を飲んだ。真理は真顔で、

「皆には黙っててくれる?」

 と、頼んだ。和夜は俯いて自宅に入った。


「ワアアア!」

 と、和夜は泣き叫んだ。和男が帰宅する夕方までめそめそと泣いた。和男が顔を覗き込むと和夜は充血した目で、

「真理姉ちゃんにフラレた」

 和男は困った顔をして、

「お前より七歳も歳上だ。仕方がないだろ」

 と、なだめると、荷物を置いて勉強を始めた。和夜は隣でしょんぼりしている。


 二時間後に帰宅した雪絵に和男は和夜の失恋を話した。雪絵は溜息を吐いた。和夜の肩を軽く叩くと洗濯と料理を始めた。和夜と和男は一人ずつ風呂に入る。夕食を摂る頃にはある程度、和夜は立ち直った。


 子ども達が寝静まった後、雪絵は帰宅した正和に和夜の失恋を話した。正和も呆れ顔で溜息を吐いた。雪絵は不安そうな顔で、

「和美はまだ初恋がまだみたいだけど」

 正和は苦い顔をした。


 その後、和夜は真理と擦れ違う時は目を合わせずに挨拶するようになった。


 数ヶ月後の冬。正和が職場仲間と一緒に現場で仕事をしていると、数人の駆け足が響いてきた。現場の皆が振り向くと、刃物を持った白人男性が突進してくる。そのすぐ後で麻薬取締官らしき男達が追いかけている。一人が警察官達に、

「捕まえてくれ!」

 と、頼んだ。鑑識達は動揺で目を泳がせた。正和は使っていた道具をそっと置き、現場を荒らさないように早足で白人に向かう。立ち入り禁止のテープを抜けると突進する。白人は走ったまま、血走った目で正和を刺しに来る。正和はすんでのところで避けながら刃物を持った手首と腕を掴んで投げて地面に叩きつけた。白人の腕を捻って刃物を落とし、背中に乗って更に腕を締め上げた。白人は、

「アアアアア!」

 と、叫んだ。麻薬取締官達は駆け寄り、一人が、

「御苦労」

 と、労う。麻薬取締官達は手錠を取り出しながら白人の両脚ともう片方の腕を抑える。一人が、

「二重にしろ。いや、三重だ」

 と、命じながら急いで手錠をかけた。正和は引き下がる。そのまま現場に向かう正和に、麻薬取締官達は礼を言った。鑑識達は目をパチパチさせながら正和を迎えた。刑事が、

「朝倉、大丈夫か」

 正和は頷きながら、

「続けましょう」


 警察署に戻ると、上司から事情を聞かされた。先程の白人は危険薬物を常時摂取しており、更にそれを売り捌いていた。その薬物は依存度が高い上に骨や筋肉を壊す代わりに、一時的に身体能力が上がる。銃弾で撃たれてもすぐには死なない。正和は無表情で聴いていたが、職場仲間達は顔を青ざめた。


 正和が帰宅すると、逮捕劇を知った家族が心配そうな顔で出迎えた。雪絵は、

「とにかく、怪我が無くて何より」

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